博客 金烏工房

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『大軍師司馬懿之軍師聯盟』その7(完)

2017年08月08日 | 中国歴史ドラマ
『大軍師司馬懿之軍師聯盟』第37~42話まで見ました。

司馬師と夏侯徽との婚姻は、司馬懿率いる士族と宗親との和解の象徴となるはずでしたが、結婚式に出席した曹真らが老い先短い司馬懿の老父・司馬防を酔いつぶして死に追い込み、あっという間に修羅場に…… その上後宮でも献帝の娘の劉貴人が郭照を流産に追い込んで甄夫人を下手人に仕立てようとしたりして、曹丕は気が休まる間もありません。この頃から曹丕が吐血をするようになり、曹真らは彼も先が長くないと見切って「次」を意識して行動するようになります。

彼らのターゲットとなったのが、曹丕が魏王となって以来フェードアウトしていた曹丕。謀逆の意志ありということで都に召喚され、拷問にかけられます。そしてその曹植と通じ、曹叡は彼との間の子であると誣告された甄夫人は、服毒死を遂げてと引き替えに身の潔白を証明しようとします。事情を知らされた司馬懿は後宮に踏み込んで曹叡の身柄を確保し、次期皇后と見込まれていた郭照のもとに連れ込んで、強引に彼女の養子ということにして曹叡の身の安全を曹丕に保証させます。しかしそれが原因で司馬懿は投獄されることに……


そして獄中の曹植は、兄の前で「七歩の詩」を詠んで赦免を勝ち取りますが、彼からの恋文を隠していた甄夫人の玉枕を下賜され、彼女の死を知ることになります。


郭照は曹丕の強い押しによって皇后に冊立されます。同時に曹叡も平原王に封じられますが、涙をにじませつつ苦々しい表情で義母となったはずの郭照を睨みつけています。

で、曹洪も鄧艾への暴言が問題視されて投獄されますが、鍾会・鄧艾らの計らいもあって、郭照の皇后冊立の大赦ということで、曹洪も司馬懿も赦免。ただし司馬懿は庶民の身分に落とされ、一家ともども故郷温県に引き上げることになります。この司馬懿の赦免にあたって鍾会らに知恵を授けた柏霊筠はようやく張春華に家族として認められるようになり……

【総括】
ということで、ここで第一部完です。戦争シーンが申し訳程度にしか存在しませんが、それでも三国志物としてちゃんと面白く、予算はさほどかけていないはずなのに画面から高級感だけは溢れ出ており、史実を外している所が多々あるものの、お馴染みの故事を効果的に挿入したり、徹底的に人物像を作り込むことで、三国志物として奇跡のクオリティを達成しています。特に毒親としての曹操、知らず知らずに毒親として負の連鎖をしてしまっている曹丕、老害としての曹洪ら宗親たちなどは出色の描写になっていると思います。第二部『大軍師司馬懿之虎嘯龍吟』は秋頃の放映・配信を予定しているようですが、第一部でスルーされた戦争シーンをつぎ込んでくるようで、今から楽しみです。

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