京都大学人文科学研究所附属漢字情報研究センター編『京大人文研漢籍セミナー1 漢籍はおもしろい』(研文出版、2008年3月)
漢籍の保管・整理などの技術的な話や、目録学なんかに関する話が中心かと思いきや、錯簡・漢語仏典の整理・避諱といった話題が取り上げられていて、漢籍よもやま話といった感じですね。
人文研所属の武田時昌・冨谷至・船山徹・井波陵一の4氏による講演録となっていますが、冨谷至氏による邪馬台国の名称の考証を最も面白く読みました。邪馬台国(邪馬臺國)の称については、いわゆる『魏志』倭人伝に「邪馬壹國」とあることから、「邪馬壹國」の称の方が正しいという説がありましたが、これはやはり「臺」の誤字ではないか、また誤字であるとしたらどういう過程を経て誤ったのかといったことを考証しています。
あと、武田氏が中国から日本・朝鮮・ベトナムへと伝わり、独自の展開を遂げた小説『金雲翹伝』について、小説の元ネタに倭寇が関わっているのにかこつけて「大海賊が残したひとつながりの財宝」(ワンピースとルビをふっておいて下さい)なんてワードを出してきたのに思わずニヤリとしてしまいました(^^;)
更にテーマを絞った続刊も予定されているということで、楽しみなシリーズです。
漢籍の保管・整理などの技術的な話や、目録学なんかに関する話が中心かと思いきや、錯簡・漢語仏典の整理・避諱といった話題が取り上げられていて、漢籍よもやま話といった感じですね。
人文研所属の武田時昌・冨谷至・船山徹・井波陵一の4氏による講演録となっていますが、冨谷至氏による邪馬台国の名称の考証を最も面白く読みました。邪馬台国(邪馬臺國)の称については、いわゆる『魏志』倭人伝に「邪馬壹國」とあることから、「邪馬壹國」の称の方が正しいという説がありましたが、これはやはり「臺」の誤字ではないか、また誤字であるとしたらどういう過程を経て誤ったのかといったことを考証しています。
あと、武田氏が中国から日本・朝鮮・ベトナムへと伝わり、独自の展開を遂げた小説『金雲翹伝』について、小説の元ネタに倭寇が関わっているのにかこつけて「大海賊が残したひとつながりの財宝」(ワンピースとルビをふっておいて下さい)なんてワードを出してきたのに思わずニヤリとしてしまいました(^^;)
更にテーマを絞った続刊も予定されているということで、楽しみなシリーズです。