Wilhelm-Wilhelm Mk2

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バーンスタイン

2008-07-18 | Weblog
愛聴盤の中に、バーンスタインが指揮したものが結構多いことを最近になって認識した。メンデルスゾーン(特にニューヨークフィルとのスコッチ)、以前に書いたウィーンフィルとのモーツァルト、ベートーヴェン(1番が特に好き)、ウィーンフィルとのブラームス、そしてマーラー。
 今、マーラーのDVDの全集から8番を視ているが・・・鳥肌が立ちまくりである。バーンスタインは汗だくで歌をくちずさみつつ、独創的な指揮でウィーンフィルを駆動する。会場はムジークフェラインではなくコンツェルトハウスなのだが、オペラハウスのような大きな美しい丸天井と、古代神殿のような背後の円柱が、千人という大編成にも負けないだけの存在感を醸し出している。(これはモダンのコンサートホールでは決して味わえない。)金管のバンダは3階の桟敷正面にずらっと並べられ(写真)、非常に神々しい。1楽章最後の大盛り上がりの箇所は、何度視ても脳みそが揺れるほどの感動である。ソプラノが絶叫するときに、バーンスタインがジャンプするのが格好いい。
このマーラー全集は、とにかくカメラワークがすばらしい。後から撮ってはめ込んだ画像もあるのかもしれないが、殆どが実況録画をもとに構成されており、臨場感を存分に味わうことが出来る。カラヤンのように、「俺だけ撮れ!」ではなく、旋律のキーとなる楽器を細かく追っており、奏者の表情もきちんと映る。古き良き時代のウィーンフィルの奏者をこれだけ大写しに視ることができるのは、この全集くらいではないか?スタジオ録画のカラヤン・ビデオは、映像そのものを芸術作品にしようとする意気込みのあまり、皮肉にも音楽の連続性というものが失われてしまっていて興ざめになるのだが、このバーンスタインの映像は「記録映画」のスタイルになっているので、自然に鑑賞することができる。映像や音質は決して良いとはいえないが(私はノスタルジックを感じて好きだが)、オーケストラをやる人間にとっては、非常に勉強になるシリーズだと思う。
 同じくウィーンフィルとのコンビによるブラームスの交響曲・協奏曲全集もすでに発売されているのだが、こちらも是非欲しいのだ。ええい、もう買ってしまうか。さらに、まだ発売されていないが、ベートーヴェンの全集もあるんだよな・・。