こういうのに弱いです。今、日本三大奇書なる「黒死館殺人事件」を読んでます。読み通すだけで困難ということです。実際、なかなか手強い。なにせ戦前の本なので、全て「正漢字」なのですよ。正漢字の文体を読むのは、リラダンの斉藤訳「イブ」以来です。しかし、慣れてくると正漢字の美しさと奥ゆかしさに見とれます。日本語の持つ、記号的な漢字と柔らかな平仮名とのミックスは、世界でも例をみない芸術的な文体だと思います。これまでにも錯綜した内容の書物ということでは、レム、ディック、ギブスンを読んできました。そのお陰で、読み進めない本には、ある程度耐久力が身に付いているのだけど、この「黒死館」の場合は、内容よりも作者・小栗虫太郎の無限の知識に圧倒されっぱなしです。西洋紋章学、悪魔学、占星術、錬金術、古典音楽、宗教歴史・・・。作者が33歳の頃、つまり今の私ぐらいの時の作品なのですが、伽藍のような小栗氏の知識量に比べたら、私の知識量なんて所詮パン屑程度ですね・・・。それでも、澁澤先生のお陰で、既知の単語をいくつか散見できるので助かってます。なんとか今週中には読了できるでしょう。本書の中には、大量の洋書が引用されるのですが(奇書が奇書を紹介する!)、一体どのくらいが本当に実在する書物なのかわからないようです。(調べているサイトがあります)時間があったら、自分でも調べてみたい。しかし、「黒死館」が終わったら、読むと発狂するという三大奇書のもうひとつ、夢野久作「ドグラ・マグラ」が待っています。
異端書とか発禁本で検索すると、やはり主力はエログロですね。そういうのばかり集めている図書館とか、サイトがあるのですが、気持ちはわかります。読んではいけないとか、100冊だけ刷って以後絶版とか、内容と関係なくその煽り文句に惹かれます。といっても、私の場合は当分ブックオフ通いになるのでしょうが。
異端書とか発禁本で検索すると、やはり主力はエログロですね。そういうのばかり集めている図書館とか、サイトがあるのですが、気持ちはわかります。読んではいけないとか、100冊だけ刷って以後絶版とか、内容と関係なくその煽り文句に惹かれます。といっても、私の場合は当分ブックオフ通いになるのでしょうが。