SF映画が好きな人なら間違いなく第一に薦めるであろう名作中の名作「ブレードランナー」。TV録画のビデオを持っていたのだが、オークションでDVD(最終版)を手に入れる。1982年、リドリー・スコットの監督による、ハリソン・フォード、ルトガー・ハウアー主演の映画。アメリカの科学者が選ぶ映画でも第1位に選ばれたSFハードボイルド作品である。頽廃した近未来で4年間だけの寿命を与えられた人造人間の苦悩とそれを処理するハンターの葛藤。アジアの市場や酒場をベースにした都市描写や、飛行する車、ピラミッドを思わせる神殿のような高層建築物。CG全盛の最近の映画では絶対に味わえない立体物の質感。どうしてこういう素晴らしい映画が最近はなくなってしまったのだろうか?20年前の特撮技術でここまで出来たのに。スターウォーズ新3部作で出てくる都市惑星コルサントのCG描写は本作の劣化模造であることが一瞬にしてわかります。監督のリドリー・スコットは本作の他にもSF映画の傑作「エイリアン」を撮っており、最近では「グラディエーター」でアカデミー作品賞をとっています。
原作はディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」。まさかディックを知らずにSF好きという人はいるまい。原作は映画とはかなり筋立てが違い、派手にアクションする場面は殆どないが、こちらはこちらでディック独特の世界観に引き込まれる。映画ではあまり焦点になってないが、核戦争で殆どの生物が絶滅した世界では生きている動物を所有することが富の証しなのであり、貧乏人は見栄をはるために一見見分けのつかない「人造動物」を買わざるをえない。奇想天外だが人間と全く区別のつかない人造人間が労働使役されるという世界にリアリティを与えている。ちなみに人造人間は機械人間ではないので(原作ではアンドロイド、映画中ではレプリカントと呼ばれる)、精密な生体検査をするか感情応答の反応速度による違い(瞳孔で観察する)でしか判別できない。自分はストーリーに関しては原作のほうが好きだ。映画は緊張感あるハードボイルドだが、原作はもっと脱力した耽美感がある。ディックは映画の完成をみずに急死してしまったのだが、映画を実際に見たらどういう感想を述べたかな。
原作はディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」。まさかディックを知らずにSF好きという人はいるまい。原作は映画とはかなり筋立てが違い、派手にアクションする場面は殆どないが、こちらはこちらでディック独特の世界観に引き込まれる。映画ではあまり焦点になってないが、核戦争で殆どの生物が絶滅した世界では生きている動物を所有することが富の証しなのであり、貧乏人は見栄をはるために一見見分けのつかない「人造動物」を買わざるをえない。奇想天外だが人間と全く区別のつかない人造人間が労働使役されるという世界にリアリティを与えている。ちなみに人造人間は機械人間ではないので(原作ではアンドロイド、映画中ではレプリカントと呼ばれる)、精密な生体検査をするか感情応答の反応速度による違い(瞳孔で観察する)でしか判別できない。自分はストーリーに関しては原作のほうが好きだ。映画は緊張感あるハードボイルドだが、原作はもっと脱力した耽美感がある。ディックは映画の完成をみずに急死してしまったのだが、映画を実際に見たらどういう感想を述べたかな。