Wilhelm-Wilhelm Mk2

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三銃士

2005-04-14 | Weblog
今読んでいる本がデュマの三銃士に関係しているので、ちょっとその話を(その本の感想は後日)。三銃士は自分の人生の中でも一番わくわくして読んだ本ですねえ。ストーリーもいいのですが、貧乏な登場人物たちがそれぞれの個性をいかして金策に走り回ったり、当時の料理の描写が詳しかったりと、何度読み返しても飽きません。デュマ自身がかなり自由奔放な生き方をした人なので、そういう薀蓄の披露ができたのでしょう。(私自身、色々な雑学を披露してくれる人が好きですし、自分もそうありたいと思ってますが)現在、三銃士は色々な出版社から出ていますが、私は綺麗な銅板画を全編に挿入している福音館の上下巻が最高だと思います。(福音館の古典童話全集はどれも素晴らしい。)
この三銃士には長い後日談というか長大な続編があるのですが、「二十年後」「ブラジュロンヌ子爵」と続き最後は有名な「鉄仮面」の話で終わります。講談社から全巻が刊行されており私はそれを持っていますが、現在は廃刊のようです(しかし、復刊ドットコムで再販されてます)。登場人物の中で一番私が興味をもった人物は「アラミス」ですねえ。「三銃士」の頃はただの聖職者希望の優男として描かれてますが、続編になるとがらっと性格が変わるというか本性を出してきて、恐るべき「陰謀家」となっていきます。高貴な婦人を愛人にもつことで王家内の機密事項を入手し、さらにはキリスト教系秘密結社のボスになって、フランス国そのものを手玉にとって暗躍します。「鉄仮面」事件で敗れた彼はスペインに亡命し、そこで公爵となって再び外交官としてフランスを訪れ、フランスとオランダ間の戦争をマネージするのです。結局ダルタニャンはこの戦いで戦死してしまい、アラミスだけが生き残って話しは終わるのですが、(アトスは病死、ポルトスは「鉄仮面」事件でアラミス側について死亡)私はこういう「美しき悪?」ってのに惹かれますねえ。デュマも気に入っていたキャラなのではないかな。(朝から何か書いてるんだか)