っとと、『Give Me A Reason』やら『Time』やら『Passion』やら、いろんな曲を引き合いに出していたが、いちばん肝心な歌を出してくるのを怠っていた。まずこれから行かないといけなかったのに。まわりくどいのはよくないね。
『まわり道には色気がないじゃん』
って言われる筈だよ(笑)。いやあたしに色気なんてもともとありませんけど! ストレートに大事なところをまず述べるべきでしたね。反省。
そう、『Can You Keep A Secret?』ですよ、ええ。『誰にも言わない』のクエリ・ソング。
もうこれはまず2つの歌の歌詞を交互に書くしかないでしょう。それ以上語る必要も無いくらい。
『近づきたいよ 君の理想に』
『過去から学ぶより 君に近づきたい』
『Can You Keep A Secret?』
『Can You Satisfy Me?』
『側にいても遠回しな表現探してる』
『まわり道には色気がないじゃん』
『少しの冒険と傷つく勇気もあるでしょ』
『一人で生きるより永久に傷つきたい』
『誰にも言わないで』
『誰にも言わない』
いやもう見事なまでにアンサーソング。同じことを言っていたり、対になる事を言っていたり、文字通り懇願や疑問への返答だったり。19年の時を経てこんなに伏線回収してくれますかね。
母親になったのが大きいのかなぁ、とも思う。在り来りですけど。昔のヒカルの歌は「母親に恋い焦がれる」感情をベースに構築されていた。総ての感情の出発点といいますか。なので「相手にお伺いを立てる」態度の方が優勢だったが、『誰にも言わない』はその想いを受け取る方というか。アンサーソングなんだから当然といえば当然なんだけど、17,8歳のヒカルに対して“こたえる”だけの人間になる為にはこれだけの時間が必要だったということも出来る。人の親になって、子に愛される立場になる事が要った、と。
勿論完全に質問側と回答側に別れている訳でもなくて。『Can You Keep A Secret?』の時点で『傷つけないと約束しても誰にも分からない』なんていう結論めいたものも導き出しているし、『誰にも言わない』でも『君に教わりたい』とまだまだ賢者を訪ねる気満々だ。また『教えない』って言われるんだろうけど。(それは別の歌じゃな)
兎にも角にも、まずは、この2曲の対比なのだった。なんだか語りすぎると野暮ったくなりそうなので今回はこんな感じに留めておきたい。色気がなくても、まわり道は確かにめんどくさいもんな。
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