で。自分が"マークしていた"ドラマーは、クリス"ダディ"デイヴではなくロナルド・ブルーナーJr.だ。
クリスの経歴も凄いがロナルドはもっと凄まじい。ドラムを始めたのが2歳の時だというから驚きだ。Jr.というからにはシニアも居て、彼もまたプロフェッショナルなドラマーで、ダイアナ・ロスやテンプテーションズ、ランディ・クロフォードにグラディス・ナイトといったビッグ・アーティストたちと共演していたらしい。Jr.は彼から英才教育を受けた筋金入りのドラム・エリートである。
彼は15歳の時にプロデビューしたそうだが、もうその時にはウェイン・ショーターやダイアン・リーブス、ロン・カーターといった20世紀の伝説との共演を果たしたというのだから早熟の天才すら飛び越えた何かだ。
彼の凄いのはそういったジャズの巨人たちとの共演のみならず、エリカ・バドゥやアラン・ホールズワース、スティービー・ワンダーやヴァネッサ・ウィリアムズにジェニファー・ハドソン、更にはプリンスやケンドリック・ラマーといったジャンルを超越したアーティストたちともセッションしている点だ。極めつけはスイサイダル・テンデンシーズへの正式加入で、このバンド、基本的な音楽性はスラッシュ・メタルなのだ。メタリカみたいなサウンドね。ジャズ・レジェンズたちとは全く畑違いのバンドに、ヘルプのみならずメンバーのひとりとして名を連ねるとか、感覚とすればMLBとNBAの両方で活躍する位の幅広さだ。ドラマーとしての才能が図抜けている、いや、イカれていると言った方がいいかな。
…ここまで英語版ウィキペディアの引き写し。(笑)
自分が彼、ロナルド・ブルーナーJr.のプレイを観たのは割と最近で、一昨年のカマシ・ワシントンの来日公演だった。いやはや、生の迫力はもう唖然とするしかなく、ツイン・ドラムだというのに聴衆の耳目を独り占めしていた。もう1人のドラマーも素晴らしく腕の立つ人だったが、ステージ上での華、圧力が違っていた。セッション・ミュージシャンだから堅実な職人気質かと思いきや、パフォーマンスは完全にスター・ドラマーのそれだった。
そんな彼が宇多田ヒカルと共演…考えただけで胸が踊ったよ。ヴィニー・カリウタやジョン・セオドアとやってきたのだから、この最終兵器みたいなJr.と手を組んだらどうなるか。妄想が膨らみきって爆発するところだった。
折しも、「MUSIC HUB」ではダヌパの選曲という事でサンダーキャットの曲がかかる。雷猫ってふざけた名前のベーシストだが、彼の本名はスティーブン・ブルーナー。そう、ロナルド・ブルーナーJr.の実弟なのだった。おいおい、兄弟のところまで来たぞ。いよいよロナルドとのコラボレーションが現実味を帯びてくるなぁと思うか思わないかの矢先にクリス"ダディ"デイヴからの呟き。そ、そっちかよ!? 確かに、彼もサンダーキャットとは共演歴あるんだよね。クリスのソロプロジェクトのベーシストだったから。
かくして、僕ちんの勝手な"マーク"は見事逆張りになっちゃってたのでした。ちゃんちゃん、という話。これ読んでヒカルも「…ロナルドもアリかも?」と思ってくれないもんかねぇ。
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