無意識日記
宇多田光 word:i_
 



ファンタジーである「鎌倉ものがたり」のエンディングを飾るだけあって、『あなた』の歌詞はどこか浮世離れした側面をもみせている。のだが冷静に考えるとなかなか一筋縄ではいかない。

『燃え盛る業火の谷間』とか『天上天下』といった言葉のチョイスからはここに天国と地獄のような世界観を持ち込んでいるように思える。映画の影響だろうか。一方で、『戦争の始まりを知らせる放送もアクティヴィストの足音も』といった一節は過酷な現実世界の話だろう。そのどちらからも距離を置きながら『あなたと歩む世界は息を飲むほど美しい』と言い切っているのが『あなた』のアイデンティティである。

この前リアリティの話をしたが、2番の歌詞に出てくる、幻想とも現実とも異なる『この部屋』とは一体何なのか。

ヒカルの歌で"部屋"といえば『In My Room』だ。そこで歌われていたのは

『夢も現実も目を閉じれば同じ』
『ウソもホントウも口を閉じれば同じ』

という2つの極のどちらからも等距離を保つアティテュードであった。そして『In My Room』は次の2つの節で楽曲を纏め上げる。

『ウソもホントウも君がいるなら同じ』
『ウソもホントウも君がいないなら同じ』

今や『君』は『あなた』となり『あなたのいない世界じゃどんな願いも叶わない』とまで歌うようになった。同じ部屋に居るのでも何やら随分と違うようだ。



…確実にこの話は長くなるな。次回続きを書ける気がしない…。

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@utadahikaru : よく筋肉痛めるなあと思って整骨院行ったら見事な過剰運動症候群だって言われた、なんで36になるまで気づかなかったんや…子供の頃からやたら体柔らかくて筋肉痛めやすい人はこれの可能性高いかも

@utadahikaru : あ、病気とかじゃないよ!ただ関節が普通より柔らかいってだけね


ほへー、"Hypermobility Syndrome"なんて症状名、初めて聞いたよ。そのまま訳せば「過剰可動症候群」て名前になるところを「過剰運動症候群」とした事で"Over-exercise Syndrome"と解釈する人多数という状況なので、こうやって有名人が啓蒙するのは大事な事かもわからんね。

実際検索してみると「オーバートレーニング症候群」というのもヒットする。これは文字通りトレーニングのし過ぎで慢性疲労や免疫力低下などを引き起こす症状の事を言うそうだけど、日本語の感覚としてはこっちの方が「過剰運動症候群」っぽいよね。

mobilityってのは可動性、動きやすさとかって意味だからそれを運動としちゃうのは…医学系と化学系は日本語強い人少なかった(というか無頓着)けど、今でもそういう傾向あるのかなぁ。

それはさておき。筋肉や関節を随意で自在に動かす能力が高い、高すぎる位だ、ってのがHypermobility Syndromeの概要なら、同じく筋肉である声帯のコントロールも人よりずっと自在なのかもしれない。つまり、ヒカルが歌が上手いのとHypermobility Syndromeなのは表裏一体なのかもしれないってこと。そして、操るのが自在過ぎて本来の可動域以上に使おうとして声帯を傷めてしまえる可能性も人より高いかもしれないって訳か。これは要注意かもわからんね。何しろ36歳になるまで気づいていなかったんだから…。

とはいえ、知らないまま20周年を迎えて今の喉の状況が『Laughter in the Dark Tour 2018』で聴ける通りなのだのしたら、ちゃんと壊さずに来れている訳でその事は称賛に値する。今回症状に名前を得た事でますます注意深くなっていってくれればまた有難い事なのです。

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