近所の茶畑でお茶の花が咲いています。
実もついているのがわかります。
この大きな実が割れると、中から種子が出てきます。
だいたい1つの実に、2~3粒の種子が入っているそうです。
昔は、この種子を水に浸けて発芽させ、
新しい茶の木の種として使っていたようですが、
ご飯茶碗1杯分の種子から2~3本の木ができるかどうか・・・。
また、種から育てたお茶は親木の性質を
そのまま受け継ぐと言うことはほとんどありません。
そのため、
・葉の色、形が違う
・成長のスピードが違う
・収量が異なる
・品質に差が出る
など、様々な個性のお茶の木がひとつの茶畑の中に
混在することになります。
その結果、出来上がった製茶も見た目が悪く、
品質が安定しないという問題がありました。
そこで、品質の良いお茶を大量かつ安定して生産するために
現在の挿し木で苗を増殖させる方法が確立されたのです。
この方法が始まったのは昭和30年頃。
茶色のお茶の実を見ていると、
収量も安定せず、機械の導入も製茶加工も難しい中で
お茶を作り続けた方々の苦労が偲ばれます。