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”農”と言える!?

元・食推おばさんのソムリエ日記

お醤油が買えない!?

2025-06-04 15:28:04 | 調味料

ずっと愛用しているお醤油があります。

それは掛川市横須賀 栄醤油さんの

甘露醤油(再仕込み醤油)とうすくち醤油。

 

静岡は濃口醤油の文化なので、

スーパーにも淡口醬油自体あまり並んでいません。

しかし、うどんつゆ、お雑煮、お吸い物などは

どうしても淡口醤油で作りたいので、

栄醤油さんの「うすくち醤油」を使っていました。

  

栄醤油さんは、袋井市の隣の掛川市にありますが、

微妙に遠いところにあります。

しかし、袋井市内にもその商品を扱うお店は何軒かあるので、

私は袋井の農産物直売所で購入していました。

  

さて、うすくち醤油が残りわずかとなったので、

直売所に買いに行くと・・・。

うすくち醤油が置いてありません。

品揃えも悪くなっており、ボトルのサイズも(900ml→720ml)

ほっそりとしています。

甘露醤油は、卓上サイズしか置いてありません。

 

「何が起きたの!?」とショックを受けながらも、

もう一軒、ショッピングセンターに入っている酒屋さんに行ってみました。

返ってきた返事は・・・。

「うすくち?売れないから置いてないよ。

 もうお醤油自体が売れないんだよね。

 直接お店に注文すれば、配送してくれるから、頼んでみたら?」

  

で、ネットで注文し、昨日届いたのがこちらです。

まさか、お隣の街のお醤油をネットで買うことになるなんて…。

  

 

私は、酒屋のおじさんの一言がとても気になり、

スーパーのお醤油コーナーに行ってみました。

すると、1Lのペットボトルに入ったお醤油は少なく、

大半が200ml~450mlの卓上で使うようなもので占められていました。

 

もっと言えば、お醤油のコーナー以上に売り場面積を占めていたのは、

白だし、だし醤油、麺つゆなど醤油加工品のコーナーでした。

 

なるほど、わかった気がします。

白だし、だし醤油、麺つゆなどを調理に使えば、

わざわざお醤油を使わずに済みますものね。

  

 

実際にデータで見てみましょう。

 

■醤油の出荷量の推移

1973年辺りをピークに減少傾向にあります。

(醤油メーカーの数も、1955年の約6,000社から年々減少し、

2021年で1,066社となっています。)

 

  

一人当たりの年間醤油消費量

まず、このグラフで注意していただきたいのは、

醤油メーカーは飲食店などの業務用としても出荷をしているので、

家庭での購入量よりも消費量が大きくなるということ。

それにしても、消費量、購入量ともに減少傾向にあり、

特に家庭で購入する割合が減少していることもよくわかります。

  

 

醤油の消費は家庭用から業務・加工用へシフトしている。

このことがよくわかるデータがあります。

 

醤油の容器別出荷量比率の推移

 資料:農林水産省、日本醤油協会、全国醤油工業協同組合連合会

 

タンクローリーというのは、醤油、みりん、飲料など液体の食品を運ぶ

タンクローリーのことです。

タンクローリー、ポリ容器ともにそれぞれ伸びていることがわかります。

これら醤油容器の大型化は、家庭用の醤油から

業務・加工用にシフトしていることを示しています。

(実際、スーパーでは1Lの容器に入ったものでさえ扱いが少ないのですが、

業務用のスーパーに行けば、大型の容器に入ったものがずらっと並んでいます。)

  

 

では、家庭では何が使われているのか、

こちらのデータを見ていただくと一目瞭然です。

 

醤油および麺つゆ・たれ類の世帯当る支出金額の推移

      資料:総務省統計局「家計調査報告」

 

これを見ると、醤油の年間支出額は減少傾向にあり、

つゆやたれ(白だし、だし醤油、ポン酢醤油などの醤油加工品)は増加。

1994年には逆転していることがわかります。

   

もちろん、醤油加工品に使われる醤油は、メーカー各社の醤油を使用しているので

私たち日本人が醤油を口にしなくなったわけではありません。

しかし、コスパとかタイパが重視される今、

食の簡便化は、これからも進んでいくのでしょうか?

おだしをとって、お醤油、みりん、お酒、お砂糖で味付けなんて、

遠い昔のことになってしまうのか?

 

お醤油をネットで購入しなければならなくなったことがきっかけで

食の現状を確認することができました。

 

長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

 

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私は白だしが使えない?

2025-05-20 15:51:36 | 調味料

タイトルに「白だしが使えない?」と書きましたが、

実際には使っています。

いえ、正確には使えるようになりました。(*^-^*)

  

白だしというものがあることは知っていましたが、

長い間、使わないで過ごしていました。

料理の手抜きをしたい時には、「市販の麺つゆで十分!」

と思っていました。

わざわざ、白だしを使う意味がわからなかった…。

そんな私が、白だしを使うようになるまでのいきさつを

まとめてみたいと思います。

興味のない方はスルーしてくださいね。

 

   

■白だしとは何か?

 白だしとは、だしに白醤油や薄口醤油、砂糖、みりんなどを加えて作った調味料。

 しかし、現在販売されている白だしの大半は、薄口醤油で作られています。

 それは、白醤油を製造しているところが数えるほどしかなく、

 全国的な流通量も1%ほどと言われています。

  ※白醤油とは

   普通の醤油が小麦と大豆を半々の割合で作られるのに対し、

   白醤油は、小麦と大豆の割合が9:1になるため、

   薄口醤油よりもさらに淡い色になり、あっさりしたうまみがある。

 

よく「白だしは西日本の文化」と言われています。

それでは、どの地域で主に使われているのか調べてみました。

 

■白だし消費量ランキング

 1位 鹿児島

 2位 長崎

 3位 宮崎

 4位 島根

 5位 福岡

 6位 熊本

 7位 京都

 8位 愛知

 9位 大分

 10位 佐賀

 なんと10位中7つが九州の県ですね!!

 やはり静岡ケンミンにとっては、手が出しにくいものだったのか…?

  

では、そもそも白だしはどのようにして誕生したのか

その歴史を見てみましょう。

 

■白だしの誕生

 1971年 愛知県のヤマシン醸造が、白醤油とだしを合わせたものを

     「しらつゆ」として製造販売。

 1978年 愛知県の七福醸造が、白醤油とだしを合わせた「白だし」を

     販売し、大ヒットとなる。

     (料亭の板前さんから、茶わん蒸しを作る際に、

     だしをわざわざとる手間を省きたいとの要望があったため。)

 

これは、私の想像ですが、白だしが全国的に知られるようになったのは、

2008年、はなまるマーケットという番組で、

岡江久美子さんが、「チャチャっとレシピ」として

「きのこと三つ葉の白だし浸し」を紹介したことが大きかったのではないか

と思っています。

   

 

なかなか白だしに手が出せなかった私ですが、

2022年、3か月の入院の後、自宅に戻ってみると、

なんと冷蔵庫に白だしが!!

たぶん日本で一番売れている白だしだと思います。

私の入院中、夫はレシピサイトを見ながら自分の食事を作っていました。

その時、レシピの中に「白だし」と書かれたものがあったので、

購入したと言っていました。

 

なめてみると、塩辛い!!

それに、このとろみは何???

正直、あまり好きにはなれなかったのですが、

何とか使い切ったのを覚えています。

  

その頃、色々なレシピに、

「白だし」の文字が頻繁に登場するようになりました。

そのちょっと前までは、味付けの調整に「鶏がらスープの素」が

よく使われていましたが、

それが「白だし」に替わったように思えました。

  

「これは、白だしを使えるようになった方がいいのか?」

などと考えるようになり、

おいしい白だしに出会えば、使えるようになるかもしれない

と思い始めました。

 

ちょうどその頃、静岡の有名なかつお節メーカーが

白だしを販売開始しました。

地元の味なら、きっと気に入るかもしれないと思い、

早速、買ってみたのですが、やはり好きにはなれませんでした。

  

白だしは基本調味料ではないし、

無理に使うことはないかも…などと思い始めた時、

地元のスーパーで、白だしの元祖 七福醸造の白だしを発見!!

即、購入しました。

これは、驚き!!

今まで、白だしに抱いていた悪いイメージが消えました!!

まず、うまみがあり、さらりとしています。

 

結局、白だしというのは、だしと白醤油(または薄口醤油)を

合わせたものなので、だしやお醤油がおいしくなければ、

おいしいはずがなかったのです。(*^-^*)

   

「さぁ、使ってみよう!」と思った時、また新たな問題にぶつかる。(>_<)

あるブロガーさんが、白だしと麺つゆ両方使って、

浅漬けを作っていたのです。

白だしと麺つゆ、両方一緒に使うってどういうことなんだろう?

 

  

■白だしと麺つゆの違い 

ここで、我が家にある白だしと麺つゆを比べてみましょう。

明らかに色が違いますね。

麺つゆは、濃口醤油がベースになっています。

白だしは、白醤油がベース。

味で違う点と言えば、麺つゆは本来麺を食べるためのもので、

白だしよりも甘みが強くなっています。

食材の色を活かしたいお料理には白だし、

麺類や、甘みを強くしたい煮物などには麺つゆを使えばいいのでは?

 

  

両方使うって、どういうことなんだろう?

と思って、この方のお料理をじっくり観察してみました。

日本橋ゆかり 三代目料理長 野永喜三夫さん

 

相葉マナブの中でお料理を紹介されていますが、

家庭でも作りやすいように白だしや麺つゆを使われています。

白だしだけ使われることが多いのですが、

麺つゆと両方使われる時は次のような場合でした。

 ・食材の下味は白だしで付け、仕上げに麺つゆを使う。

 ・すき焼き風煮物のように甘みを付けたい時は、

  白だしで煮て、最後に麺つゆで調整する。

 

つまり白だしがベースで、甘みの調整に麺つゆという感じでしょうか?

 

   

野永さんのおかげで、今はあまり悩まずに、

白だしを使えるようになりました。

人参しりしりとか

 

鍋料理とか・・・。

 

おいしい白だしに出会えたことと、

テレビで良い先生をじっくり観察できたことがよかったのかな。

苦手意識がなくなったこと、うれしく思います。

 

長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。m(__)m

 

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島原の吉田みそ 麦味噌のこと

2025-05-16 13:59:30 | 調味料

長崎県島原市にある「田舎つくり味噌本舗 吉田屋」さんの

麦味噌 吉田みそをいただきました。

  

  

吉田屋さんでは、昔ながらの製法で味噌を作っています。

パッケージにも書いてある「もろ蓋麹製法」というのは、

蒸した麦に麹菌を付け、一晩寝かしたものを

一枚一枚手で伸ばす作業のことです。

        【画像お借りしました】

  

        【画像お借りしました】

  

 

こうして出来た麦麹に、蒸して冷ました大豆をミンチにしたものを合わせ、

木樽で熟成させます。

         【画像お借りしました】

 

長年味噌づくりをしてきた木樽には、菌が定着し、

独特の風味や味わいを味噌に移すと言われています。

  

 

ところで、麦味噌が作られている地域というと、九州、中国、四国地方。

その理由を調べてみると、次のことが挙げられます。

 ・九州、中国、四国地方では、稲作の裏作として麦が栽培されていた。

   米味噌を作るほど、米が採れたわけではないので、

   豊富に採れた麦で味噌を作るようになった。

 ・米の栽培が難しく、麦の栽培が適していた。

 

また、麦味噌は米味噌に比べて麹の割合が多いので、

甘みが強く、まろやかな味わいが特徴です。

この特徴が、温暖な地域の人々の好みに合っていたというのも

大切な要素だと思います。

 

  

さて、この吉田みそでこんなお料理を作りました。

   

 

丼には、めかぶ、わかめのナムル、鮭フレーク、わらびのたたきがのっています。

このわらびのたたき、いつもはすし酢で味付けしていましたが、

今回は、吉田みそで味噌たたきにしてみました。

  

  

お味噌汁は、わらびやたけのこ、スナップえんどうを入れた春の豚汁。

お味噌は、もちろん吉田みそです。

 

  

麹の甘み、麦の香りとコク、そして最後に残る粒々食感を楽しみました。

ごちそうさまでした。

 

そして、麦味噌について学ぶ機会を与えていただいたこと、

感謝申し上げます。

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有明海のブラマヨ

2025-02-05 19:43:32 | 調味料

カラフル野菜の真ん中に置かれた黒いソースは何でしょう?

  

  

この正体は、

  

   

のりネー酢(ず)と言います。

  

  

これは、

 ・福岡県柳川市産 あま海苔

 ・柳川市産 お米の米粉

 ・柳川市 老舗醤油屋さんの「無添加・無着色」丸大豆醤油

 ・福岡県大川市 老舗お酢屋さん「庄分酢」の醸造酢

 

など有明産のものにこだわって作られた漆黒のマヨネーズ風調味料です。

   

原材料をご覧ください。

  

   

海苔の佃煮のような甘辛い、懐かしい味が野菜によく絡みます。

 

これも、素材がすべて優れているからですね。

特に、有明海の海苔の香りは最高です。

 

お豆腐とか揚げ物にも合いそうですね。

 

   

今日は、黄色のターメリックライスと

赤いカレー(サバ水煮缶とトマトのカレー)と

黒いマヨネーズに絡めた野菜をたっぷりいただきます。

すてきな調味料と出会わせていただき、ありがとうございます。

 

 

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自家製すだちこしょう、出来ました~♪

2024-11-25 20:43:18 | 調味料

柚子こしょう、ならぬ、すだちこしょうを作って10日以上経ちました。

 

作り方は、こちらをご覧ください。

  

  

生の唐辛子ではなく、乾燥唐辛子を、

それも激辛の黄唐辛子を使って作ったので、

出来立てを舐めた時は、黄唐辛子の特徴「悶絶する辛さ」そのもの。

 

でも、時間が経つと、辛みがまろやかになり、

すだちの爽やかさの中に、黄唐辛子のうまみが出ています。

  

  

早速、豆乳湯豆腐の薬味に使ってみました。

また、すだちの果汁で即席のポン酢も作って、湯豆腐のタレとしていただきました。

  

 

初めてのすだちこしょう、大成功です。

今まで、私にとって、すだちというのは柚子の次・・・というイメージでしたが、

この爽やかな風味、香り、柚子と同じくらい魅力的ですね。

  

  

※今日は、外来治療で大変疲れ、副作用も出ているので

コメント欄を閉じさせていただきます。

また、明日は早起きして、でっかい弁当づくり・・・(^-^;

 

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