夏にオリーブオイルの講座に参加して、
スペルト小麦に出逢いました。
小麦の原種と言われる古代穀物です。
その時は、オリーブオイルを使ったお料理として、
粒のままサラダにしたものを試食させていただきました。
その独特の食感に魅せられ、すぐに購入。
KALDIや成城石井にしか置いてありませんでした。
私が一番驚いたのは、
小麦を粒のまま食べるということでした。
雑穀ブレンドを思い浮かべて下さい。
あの中に大麦は入っていても、小麦は入っていません。
そう、小麦は殻が硬く、
無理に除くと中の実まで砕けてしまうので、
皮ごと粉に挽いてしまうのです。
小麦は粒のまま食べることはない・・・と思っていたのに。
では、このスペルト小麦、どうやって脱穀しているのでしょう。
調べても、調べても
「スペルト小麦は、日本の小麦と同じ脱穀機では
うまく脱穀できない。」
「機械を使っても穂がバラバラになるので、
結局、手作業で行った。」
という記述しか出てきません。
殻が硬く、脱穀しにくく、製粉歩留まりが悪いために、
20世紀に入った頃から農作物としての関心が失われてきた
と言われるスペルト小麦。
それでも、細々と作り続ける人がいるのはなぜか?
・蛋白質の含有量が高く、必須アミノ酸を含んでいる。
・小麦アレルギーを発症しにくい。
・殻が硬いので鳥や昆虫の害を受けにくく、
農薬や化学肥料をほとんど用いることなく栽培できる。
いろいろな理由が考えられますが、
鳥が食べるのが大変ということは、
当然、人間がそれを口にするまでの労力もかかるということ。
だから、大規模栽培では作ることができないのです。
割りの合わないことはしたくないと
効率性ばかり考えてしまう現代人には、
スペルト小麦をよ~く噛んで味わう時間が必要なのかもしれません。
【写真はスペルト小麦とスモークサーモンとルッコラのサラダ】