”農”と言える!?

元・食推おばさんのソムリエ日記

病院給食と地産地消

2010-08-04 10:59:24 | 食育

6月、7月と仕事上必要があり、

事業所給食について調査を行いました。

その結果・・・

社員食堂での地産地消は推奨されているものの、現実は厳しい。

業務を受託している給食事業者の規模が大きければ大きいほど、

独自の物流ルートに阻まれて、地元食材が使いづらい・・・

ということがわかりました。

そこで、今度は、総合病院で地元食材がどのくらい使われているのか

調べてみました。

●A総合病院

 給食は、全国展開している給食事業者が受託し、

 集中管理での発注となるため、地元食材の割合を

 把握することができない。

 確実に使われている地元食材は、乳製品やパンなど

 安定供給できるもの。

●B総合病院

 A総合病院と同じ給食事業者が受託しているが、

 契約時に「地元食材を出来るだけ使用する。」

 という取り決めがなされている。

●C総合病院

 地元給食事業者が受託している。

 野菜とお茶は地元の店から購入。

 野菜は特に「地元のものを中心に・・・」という希望を

 出しているわけではないが、自然と使用頻度は高くなる。

静岡県内では、JAグループの遠州病院が、

JAとぴあ浜松の協力で管内各地の集荷場から

野菜を直接購入するシステムを構築しましたが、

これはJAグループの病院ならではの強みでしょう。

一般の病院で、地産地消を実現するには、

どの事業者にどんな契約で給食業務を委託するか

ということにかかっている・・・と言えるでしょうか?

「既存の物流ルートも活かしながら、JAや直売所という

 新たなルートを築き上げることは難しいでしょうか?」

と問いかけてみますと、

「支払いが複雑になってしまいますし、

 病院の経営という点から見ると、

 地元食材を使うことで、かえってコストがかかってしまっては、

 思うようなサービスができなくなります。」

とのお答えでした

入院中の一番の楽しみは食事。

その食事で患者さんも元気になって、

その結果、地域も元気になればいいのに・・・

と入院経験のある私は思ってしまうのですが、

「健康」を手に入れるのには、

いくつものハードルを越えなければいけませんね。

コメント
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