いしいしんじ「みずうみ」読了
この作家は、以前「麦ふみクーツェ」「ぶらんこ乗り」「トリツカレ男」等を読んできて、このファンタジックな世界に酔ったものでしたが、久しぶりにこの感覚を味わいたいと思い、買ってみたのでした。
全体に三つの章から成る長編で、第一章は、やはり「しんじワールド」とでもいうべき神話的な世界で、やっぱりなぁと思ったものです。
がしかし、第二章からは、がらりと様子が一変し、これがいしいしんじの小説かと疑ってしまうようなシチュエーション、ストーリー展開で、ちょっと面食らいました。そんな不安定な気持ちのまま最後まで読み通したわけですが、この小説、すごいです。
第一章の「みずうみ」の畔に住む、水汲み係の少年、第二章の身体が膨張し、大量の水を体内から放出するタクシー運転手、そして第三章の慎二と園子、ポニーとダニエル。この三つの物語に直接のつながりはないように見られるものの、よくよく考えると「水」というキーワードでなにかしら関連性が見受けられるわけです。そして大昔に起こった出来事と、現在の時間で起こったこととの異様な符合。まるで村上春樹の「世界の終わりとハード・ボイルド・ワンダー・ランド」を彷彿とさせるような内容で、どきどきしながら読んでしまいました。
これは、いしいしんじの新境地といってもいいのではないかと思います。今後、こんな感じの作品を書いていくつもりであるとするなら、ものすごい作家になっていくのでは、と思いを馳せてしまいます。
この作家は、以前「麦ふみクーツェ」「ぶらんこ乗り」「トリツカレ男」等を読んできて、このファンタジックな世界に酔ったものでしたが、久しぶりにこの感覚を味わいたいと思い、買ってみたのでした。
全体に三つの章から成る長編で、第一章は、やはり「しんじワールド」とでもいうべき神話的な世界で、やっぱりなぁと思ったものです。
がしかし、第二章からは、がらりと様子が一変し、これがいしいしんじの小説かと疑ってしまうようなシチュエーション、ストーリー展開で、ちょっと面食らいました。そんな不安定な気持ちのまま最後まで読み通したわけですが、この小説、すごいです。
第一章の「みずうみ」の畔に住む、水汲み係の少年、第二章の身体が膨張し、大量の水を体内から放出するタクシー運転手、そして第三章の慎二と園子、ポニーとダニエル。この三つの物語に直接のつながりはないように見られるものの、よくよく考えると「水」というキーワードでなにかしら関連性が見受けられるわけです。そして大昔に起こった出来事と、現在の時間で起こったこととの異様な符合。まるで村上春樹の「世界の終わりとハード・ボイルド・ワンダー・ランド」を彷彿とさせるような内容で、どきどきしながら読んでしまいました。
これは、いしいしんじの新境地といってもいいのではないかと思います。今後、こんな感じの作品を書いていくつもりであるとするなら、ものすごい作家になっていくのでは、と思いを馳せてしまいます。
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