大江健三郎「雨の木(レイン・ツリー)を聴く女たち」読了
初出は昭和55年~57年の文芸誌「文學界」と「新潮」ということですから同作家の後期に入ったところの作品という位置づけになるかと思います。
5編の短編(中編)から成る連作という体裁になっていて、トータルでひとつの物語になっています。
物語としては面白く読んだのですが、テーマがよく理解できません。何を問題として提起しているのか、何を結論として言いたいのか、それがなかなか難しく、そういった意味では読むのに難渋しました。ちょっとネットで本作品の感想を書いている人のブログをのぞいてみようと思います。
客員教授として招かれたメキシコでの話、シンポジウムに参加するために訪れたハワイでの話、そして日本で泳いで体を鍛えるために通うプールでの話と、シチュエーションは様々なんですが、それぞれに男を支える女のエピソードが挿入されています。
しかし、最後の「泳ぐ男――水の中の雨の木(レイン・ツリー)」の挿話は、ちょっとどうなんでしょうね。
猪之口さんという30代半ばの女性がプールの乾燥室で、水着を脱いで性器を露出させ、玉利君という若い男にそれを見せ、その気にさせて、夜、公園のベンチで自分をロープで縛らせて強姦させるという…。それが殺人事件につながってしまうわけなんですが、あまりにも荒唐無稽な話で、ちょっとびっくりしました。
またいつか再読すれば違ったものが見えてくるかもしれません。ちょっと消化不良ですが、今回はこんなところです。
初出は昭和55年~57年の文芸誌「文學界」と「新潮」ということですから同作家の後期に入ったところの作品という位置づけになるかと思います。
5編の短編(中編)から成る連作という体裁になっていて、トータルでひとつの物語になっています。
物語としては面白く読んだのですが、テーマがよく理解できません。何を問題として提起しているのか、何を結論として言いたいのか、それがなかなか難しく、そういった意味では読むのに難渋しました。ちょっとネットで本作品の感想を書いている人のブログをのぞいてみようと思います。
客員教授として招かれたメキシコでの話、シンポジウムに参加するために訪れたハワイでの話、そして日本で泳いで体を鍛えるために通うプールでの話と、シチュエーションは様々なんですが、それぞれに男を支える女のエピソードが挿入されています。
しかし、最後の「泳ぐ男――水の中の雨の木(レイン・ツリー)」の挿話は、ちょっとどうなんでしょうね。
猪之口さんという30代半ばの女性がプールの乾燥室で、水着を脱いで性器を露出させ、玉利君という若い男にそれを見せ、その気にさせて、夜、公園のベンチで自分をロープで縛らせて強姦させるという…。それが殺人事件につながってしまうわけなんですが、あまりにも荒唐無稽な話で、ちょっとびっくりしました。
またいつか再読すれば違ったものが見えてくるかもしれません。ちょっと消化不良ですが、今回はこんなところです。
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