マル鉄・鉄道写真館

鉄道・バス・航空機・はたらくクルマなど、乗り物全般の歴史をご紹介しています。

日立電鉄の旧型車たち

2011-09-21 00:30:00 | 私鉄(中小)
日立電鉄の旧型車たち


日立電鉄(鉄道線)は、常磐線の大甕駅を基点とし、日立方面へ向う鮎川駅及び反対方向へ向かい常磐線を交差して水郡線の常陸太田方向へ向う常北太田駅を結んでいた路線です。

常北太田から常磐線へ抜ける近道でもありましたが、途中には人家が少なく、沿線にこれといった商業地や工場などもないため、需要はかなり低かったようです。

まだ廃止論が起きる前、常磐線の撮影をかねて1度だけ訪れたことがありました。

撮影は、すべて平成元年3月12日です。



常北太田駅にて 側線に留置中の351形(元静岡鉄道)

他車に比べて大型で、しかも2連を組んでおりますので、おそらくラッシュ時のみ使用されていたと思われます。



さらにバックに留置中の複数のモハ9型も懐かしい。



常北太田駅にて 折返し待機中のモハ9型 モハ10

同鉄道の旧型車として最後まで走っていたモハ10。短い車体と地方鉄道らしい塗装がローカルな雰囲気を醸し出しています。



小沢~常北太田間にて 鉄橋を渡るモハ14(元相模鉄道)

鉄橋を渡る1両編成の電車は、ローカルな風県に一番ふさわしい。
このモハ14形は、元相模鉄道(といっても現JR相模線の前身)で使用されていたディーゼルカー。地方私鉄がディーゼルカーを客車に改造するケースは多々見受けられますが、気動車の電車化は珍しいのではないでしょうか。電車化に際しては食パン顔になりましたが、気動車時代は両端流線型のスピード感あふれる形状をしていました。



久慈浜~南高野間にて トンネルをくぐるモハ10

トンネルといっても常磐線とのアンダークロス部。日中は単行の小型車が活躍。といいつつも、利用者はかなり少ない。

この後間もなく、旧型車は営団銀座線の車輌に置換わってしまい、少しのリンク期間があったものの、旧型車は全廃されました。
さらに、経営悪化の歯止めは利かず、平成17年3月31日をもって路線自体が廃止となってしまいました。

時は流れ・・・


平成21年4月26日、常磐線を訪れた際、ちょうど空き地で弁当を食べていてこんな風景に出会いました。




クルマを停めた脇に深い堀があったので川かと思ったのですが・・・
覗いてみると不自然な路盤。そう、日立電鉄の廃線跡でした。道路として活用できそうなほどキレイな砂利道になっています。




なんか見覚えのあった場所、それはモハ10を撮影した常磐線とのクロス部分でした。
かつて常磐線の下を潜っていたトンネルは、残念ながらコンクリートで塞がれていましたが、そこは紛れもなく電車が行き来していた時代を語る場所でした。


にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道写真へ