マル鉄・鉄道写真館

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EF81牽引:寝台特急「鳥海」

2011-09-06 00:30:00 | 国鉄・JR特急列車
EF81牽引寝台特急「鳥海」


長らく上野~秋田間の夜行急行として活躍していた「鳥海」ですが、昭和57年11月、上越新幹線の大宮暫定開業により廃止となってしまいました。
同時に、「鳥海」と同じ区間・経由で寝台特急「出羽」が誕生しています。「出羽」は、それまで気動車急行として東北・奥羽・陸羽西線経由で上野~酒田間を結んでおり、経由の変更・行先の延長のような記述も見られますが、実質は急行「鳥海」の格上げといって良いでしょう。

新幹線の大宮暫定開業という性格上、秋田方面へは大宮・新潟の2回乗換えと不便が生じるため、青森直通であった「いなほ」は名称を「鳥海」に改めて存続することになり、ここに初めて電車特急「鳥海」が誕生することになります。

昭和60年3月、東北・上越新幹線が上野まで開業し、都心新幹線網が確立することになると、乗換え不便対策として残した「鳥海」も廃止されることになります。それでも臨時特急として暫く残ることになり、多客期には485系「鳥海」の活躍を見ることができました。

そしてまた転換期が訪れます。奥羽本線の山形新幹線開業に向けた改軌工事により、同線を経由する「あけぼの」が福島~山形間を走行することができなくなってしまったため、陸羽東線経由に変更となります。さらに同線は単線運転であるため、夜間に複数の「あけぼの」を交錯させることが困難なことから、1往復を上越・羽越線経由に変更することになりました。
ここに寝台特急「鳥海」が誕生することになりました。



平成4年8月18日 奥羽本線 八郎潟~鯉川間にて
※列車が小さいため、デスクトップサイズに拡大できるようしてあります。

寝台特急として改めて誕生した夜行列車「鳥海」は、上野~新津間をEF641000番代、長岡~青森間をEF81が牽引することになり、いやしくも現在の「あけぼの」と全く同じ運行形態だったわけですね。
写真の編成は、ローズピンク時代のひさし付きEF81が牽引し、カヤ24を含むオール24系寝台で、今ではとても見ることのできない、大変美しい編成でした。この当時は、「あけぼの」や「出羽」でもこのような美しい編成を見ることができましたね。

新幹線の需用定着により夜行列車の需用も低迷し、平成5年12月をもって寝台特急「出羽」は「鳥海」に統合される形で廃止となり、さらに、秋田新幹線工事で行き場を失った「あけぼの」が「鳥海」のスジを奪う形になり、「鳥海」の名称は消滅することとなりました。

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