新しい子どもミュージカル『”ごちそうさま!”は秘密のたから』の稽古が進んでいる。いや、進んでいるか?ってくらい、のろのろ本読みの毎日だ。たった一行のせりふに30分以上もかかることがある。それでもできず、翌日の宿題になることもある。それでもダメで、・・・・
なんでこんなに時間がかかるのか?とことん妥協しないから、なーんてかっこいいことは言わない。もう、まったく、それ以前のことなんだから。妥協できるくらいまできてれば、こっちだって適当なところで手を打ちたい。こっちのダメだしにいろんなこと次々試してくれているなら、まっ、いいか、そんなんで、ってことにもなろう。
でもね、実態は、・・・変わらない!!んだよ。同じ事の繰り返しなんだ。例えば、昨日から延々1時間半近くやっているのが、「うっふーん!」とか、「いやぁ~ん!」ってせりふ。せりふかこれ?とか、なんでこれ子どもミュージカルで?なんて言うなよ、本番、見てくれりゃわかるから。これが言えない。もちろん、恥ずかしいってことが一番の原因なんだ、一年生だから。この羞恥心の壁をいかに越えるか?いかにしてバカになるか?まさしく、バカへの壁だ。これを超えれば一気に視界が広がるんだけど。何度やってもできない。宿題にしたけど、できない。
で、仕方ないから、昨日、今日と、うっふーん!いや~んコンテストを開催した。部員全員が代わる代わる、うっふーん!いや~んと繰り返す。男も女も一年生も二年生も。照れながら、恥ずかしがりながら、一人一人、とびっきりのうっふーん!いや~ん!を披露した。そのたんび上がる奇声、嬌声!なんともとんでもない世界だろ。もちろん、爆笑、爆笑、大爆笑だ。やってみると女より男の方が上手かったりして、うーん、やっぱりそうか。って、何がやっぱりなのかわからないが、それに発憤したのか、二年生の大姉御が、極めつけのうっふ~ん!を披露。さすが、大年増!なんて、みなから喝采を浴びた。
まあ、こんな調子で、できない時は、極力全員、そのせりふのダメだしに応えるようにやらせている。だって、でなきゃ飽きるもの。たった一つのせりふに30分も引っかかってんだからね。その間、他のメンバーはじっと待ってるわけ。もちろんねそれだけの理由じゃない。ダメだしをその当人だけのことに終わらせたくないからなんだ。自分のせりふだけ上手くなったって、役者としての幅は出てこない。他人の分までやっていれば、少しはそれをきっかけに、新しい表現法を身につけることだってできるってもんだ。それと、他の役者のせりふをよく聞くようになるはず、って思惑もある。僕が何を言っているのか、何を求めているか、それがわかるためには、仲間のせりふ回しを集中して聞いて、耳を鍛える必要がある。
なーんて、言うと、みんなすっごい集中して耳そばだててぴりぴりしながらやってるように聞こえるだろうけど、現実は、・・・いやはや、とほほ!の世界なのだ。だれもかれも、ちょぼちょぼ。さらに、アクセント。さらにさらに漢字が読めない、ひらがな間違える!?その度に起こる大爆笑!廊下通る人は、演劇部って遊んでばっか!っておもうだろうね。でも、それでいい。いや。それがいい。笑って、笑って、大笑いして、心の凝り固まりも少しずつ溶けていくんだ。
なっ、かーぼちゃ様、1ヶ月後の本番には、見事、うっふ-ん!いや~んが言えるようになっているさ。
演劇部、楽しそうですねぇぇ[壁]д・)
あの連中だから。
さらに、一年生が本性を
現してきましたからね。