ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

背伸び歓迎!高校生

2017-05-09 09:03:07 | 教育

 置賜農業高校の演劇部から離れて丸4年、15年間の顧問時代、ずいぶん好き勝手させもらったなぁ。部員の生徒たち、振り回されて大変だったと思う。年に50回以上も公演するとか、午前と午後で別会場、しかも別演目なんて、大衆演劇劇団並みのしっちゃかめっちゃか、ってあり得ない!

 定期公演の大作主義もその無茶通しの一つ。常に2時間を越す作品に挑戦し続けて来た。野田秀樹とか永井愛とか、究極はシェークスピアの「真夏の夜の夢」にまで恐れ多くも食いついた。そこは高校生だから、演技や舞台の仕上がりとしちゃ、苦笑してしまう部分も多かったが、世の力作、名作に立ち向かうんだっていう心意気はたっぷりと感じさせてくれたし、演じ切った部員たちの達成感は半端じゃなかったはずだ。

 そのがむしゃらの伝統は今も生きているようで、今年の定期大会は中島かずきの「ロストセブン」、劇団新感線初期の代表活劇だ。白雪姫と7人のこびとに題を得た、滑稽無比、かっこ良さ抜群、難解さも散りばめた作品だ。もちろん、上演時間は2時間を軽く超える。

 実はこの作品、8年前に演劇部で上演している。やりたがりの僕が演出し、どでかい鏡作らせたり、20人以上の出演者の衣装も準備させたり、殺陣を一緒に工夫したり、高校生の熱気に煽られるようにして夢中で仕上げたことを覚えている。今回は、部員自らが演出して上演したいってことで、現顧問から相談があった。

 高校生の引き出しは少ない、台本を読んで面白いと思っても、それを舞台に再現するには、感性のみならず様々な技量が要求される。舞台ならではの約束事やテクニックってもんも多々ある。顧問もそこが悩みで、例えば、森のシーンを生木を立てて作るなどと、無茶で効果薄の方法を提案してきたりする、と悩んでいる。

 そうか、それなら先輩たちの舞台を見てみるのもいいんじゃないか?記録のビデオあったはずだけど。それが、どうにも見つからないと言う。おかしいなぁ、8年前なら間違いなく記録しているはずなのに。上演作品はできるだけビデオにして、出演者に配るか、せめて部室には保存するようにしてきたはずなんだが。

 我が家の保存ディスクをチェックしてみても、たしかに存在しない。そういえば、この作品をDVDに焼いた記憶もまったくない。でも、データは間違いなくあるはずだ。古いハードディスクをチェックしてみたら、あった。忙しさにかまけて、保存だけで済ませてしまったんだ、きっと。

 さっそくパソコンでビデオ制作。なんせ、2時間半の超大作、1枚のディスクでは収まらず、前編、後編分けて2枚組のDVDに仕上げた。

 せっかく作った貴重な記録ビデオ、今回の公演の参考に活用してもらうのは当然として、先々演劇部の財産として残してもらおうと、ディスク表面にカッコイイシーンの書き込みも施した。

 さっ、先輩たちががむしゃらに取っ組んだ様子、しっかりと胸に刻んで、新しい舞台を創造してくれ。だからって、感心することなんてない。リスペクトしてくれなくたって構わない。ふん、こんな程度かい!って高を括って、俺たちゃもっとすげー「ロストセブン」を見せてやるぜ、その高慢ちきで突っ走れ。そうやって精一杯背伸びできるのが、高校生ってもんなんだからさ。

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2 コメント

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Unknown (キヨミ)
2017-05-09 19:10:47
ロストセブン昔いただいた記憶があるのですが…
でも私もどこにしまったのやら…
懐かしくて久しぶりに台本引っ張り出して詠み込もうかななんて思います。
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Unknown (taowatarukaze)
2017-05-10 12:24:45
上げてないと思います。
どこにも完成版のビデオが保存されていなかったから。皆さんの力作だったのに、申し訳なかった。
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