ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

台本は部員へのメッセージ

2013-02-14 23:32:44 | 教育
 食育子どもミュージカルの新作を書いている。タイトルは、言っちゃっていいかな?『マー君とキッコちゃんの台所』。話しの内容は、ここではまだ控えておこう。台本もらった時の部員たちの楽しみが無くなるからね。

 さて、台本を書くとき、どんなことを考えているか。もちろん、面白い作品を書こうというのが一番だ。去年のは面白かったのに今年は?と言われないよう、頭をひねり、身体をひねり、指をひねって?て書いている。ストーリーはどうか、歌はどうか、キャラクターはどうか、ギャグはどうか、いろんなことに苦心惨憺しながら執筆を続けている。まっ、この辺は台本書きならだれでもすることだ。
 
 僕が書くとき心を砕くのは、部員一人一人をどう使うかということだ。まず、キャスティングがある。子どもミュージカルの場合、主役と言えるものははっきりしない。群衆劇と言っていいと思う。だから、出ずっぱりだからと言って主役とは限らない。出ずっぱりの役を与えるのは、まず歌が上手いこと、踊りが上手なことが条件だ。なぜなら、ミュージカルだからだ。本当なら一部の出演者が歌うべき歌も、舞台に出ている者全員で歌う。そうしないと声量がたらない。つまり、出ずっぱりとはバックコーラスっていう意味でもある。ただ、舞台に常に立っているわけだから、役者の華ってことも大切な要件と言える。演技のうまさは、まあ、二の次ってことかな。

 役を振るとき、部員の今の演技力はもちろん、持ち味とか、アピール力とかいろんな要素を考慮する。そればかりじゃない。その部員が今、部内でどんな立場にいるか、とか、どんなことに突き当たっているかとか、性格はどうかとか、いろんなことを考える。だから、本当は全員に美味しい役を付けてあげたい。でも、だれもが長時間出ていたのでは、芝居は超大作になってしまう。

 そこで、キャラクターやシーンや台詞を工夫することになる。短い登場時間でも観客を引き付けるキャラクターとか、受けること必定のギャグシーンをプレゼントしたりする。こいつにはもっと美味しい場面作ってやんなくちゃな、とか、台詞が少ない分だけ、印象の残る台詞書いてやろうとか、要するに、全員がこの舞台に出ることでいい思いができるように気を配っている。

 そんな中で学年の問題もある。能力の違いもなかなか悩ましい課題だ。舞台は実力主義と宣言しているとは言っても、演技といったものは、単純に比較のしようがない。野球の打率のように数字で表したりできない。まして、役者の華、ということになるとこれはもう、主観の問題だ。もちろん、前回の子どもミュージカルのアンケートで人気のあった生徒とかは考慮するものの、人気投票じゃないから、そればかりでは行かない。まして、今年のように1年生の成長が著しいと、これは悩む。

 部活動運営の視点からすれば、上級生が主立った役を占めた方がよいに決まっている。でも、舞台を見てくれる観客には上級生、下級生の違いなど関係ないわけだ。そこで演じている者が気に入って、心地よい舞台であればそれでよい。うーん、難しい。そんなこんなに悩み心揺れながら、台本を書き進めていくわけだ。子どもミュージカルは一年間通した舞台、一人一人が納得行く形で関わって欲しいとお持っている。

 そして、このように書き分けて行くことが、実は僕の一番の部活動指導なのだ。部員に説教したり、全体に注意をしたりということも当然行う。でも、もっとも効果的な指導は、その生徒にふさわしい役を、シーンを台詞を、振っていくことなのだと思っている。

 

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