ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

定期公演は懲りもせず野田秀樹『カノン』

2010-04-21 21:26:24 | 教育

 笑ってくださいよ!馬鹿にしてくださいよ!蔑んでくださいよ!またまた野田やっちゃおうてんですから。

 2年前は『キル』!訳もようわからんせりふを、勢い一つでわめき散らし、どでかい布舞台中に広げて右往左往して3時間。もう懲りたろ!?って思っていたら、今度は『カノン』だよ。やれやれ、ってまっ、僕と顧問Nで選んだんだけどね。

 そりゃね、いろいろあたりましたよ。なんか定期公演にふさわしい台本ないかってね。ただ、置農演劇部定期公演については、暗黙の不文律があってね、これがなかなか容易でない。まず、時代の先端に近い作品を選ぶこと。一筋縄でいかない作品に挑戦すること。もちろん、高校演劇なんて論外。生徒たちの現実から遠ければ遠いほどいい、なんて選考基準なわけだから、これは見つけ出すのは至難の技なんだな。

 永井愛やって鴻上やって野田やって新感線やって、残るはケラか?渡部えりか?っていろいろあたってみたけど、どうも、これだ!ってのにぶつからなかった。仕方ないんで、過去の名作なんかも当たってみた。

 水上勉の『はなれ瞽女おりん』なんかはかなり乗り気になった。瞽女歌CDまで買って聞いたくらいだもの。で、これがまたなんとも言えず良くてね、ああ、これ絶対やりたい!って思って読み返してみたんだけど、やっぱりダメだ、ってことになった。女の役が少ないんだもの、女性上位のうちの部には向かないなってね。

 そう、いくら素晴らしい作品でも、我が部のレギュラーメンバーに向かなけりゃ、ダメなんだよね。部員の数、男女の比、主役級の部員のキャラクター、そういったもろもろがフィットしてないとね、無理なんだ。

 じゃあ、なんで野田秀樹?

 それはね、現実から適度に浮いてるからなんだ。永井愛や水上みたいに地べたにべったりじゃない。だから、女が男をやってもさほど不自然でない、って僕が思ってるだけか、いや、そうなんだよ。それと、わかりそうでわからないせりふとシーン展開。そのくせ、やたら面白いやりとり、こんなとこが、うん、そうか、これしかないって勘違いさせらちまうんだろうね。

 てことで、前回『キル』同様、主役の男役は女が演じる。どこまで悪党に迫れるか?道ははるか(春香、って奴が演じる)彼方だね。それと、今回の『カノン』では衣装のこともあった。時代劇でも、平安時代もの、ってことは水干直垂だよね。これなら、今のうちの衣装チーフなら簡単に作れそうだってことと、結構様になるよなって直感だ。あと、ちょんまげが不要ってことも大きい。

 と、置農演劇部にいかにふさわしいかってこと書き連ねてきたけど、実際は、壁だらけ。カルメンのような魔性の女「沙金」を演じられんのか?とか、太郎、次郎ともに女で立ち回りできんのか?とか、問題は山積みだ。野田作品特有の場転の突拍子無さも問題だ。いずれにしても、高校生にふさわしい芝居じゃないよな。

 で、だから、演るわけだよ!挑戦するわけだよ!!

 で、今日の本読みは、1時間半でわずかに1ページ!!いつものことながら、終わるのかよ、これ?!

コメント (6)
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