泡 盛 日 記

演劇人(役者・演出家)丹下一の日記です。

柿澤あゆみさんの一葉の語りが絶品

2016-04-10 13:57:11 | 丹下一の泡盛日記
土曜日の午後、横浜ボートシアターの樋口一葉の語りを見に行く。
横浜駅から歩いて20分くらいの民家で3本立て。それぞれが俳優の独り語り。
その一人、「うつせみ」を担当した柿澤あゆみさんは前の劇団にいたときから見ている。
2012年には演出した「天女神楽その9」に出演して下さった。
鬼城太鼓のMさんが舞台の彼女の演技に感情移入して「あんなわかい娘になんてことするんだ!」と勝手に怒っていたのがおかしかった。
(Mさんて本当にいい人だなあ♪、とも思った)
柿澤さんの「うつせみ」、本当に素晴らしかった。
登場人物の一人一人、そのことばのひとつひとつがこちらにするすると入って来る。
本当に好きなもの、素敵なパフォーマンスに触れると(それが悲しい場面でも)笑い出す癖が自分にはある。
始まってすぐに勝手に顔が緩んでにたにたしているのがわかる。
狭い会場なので人様に誤解されそうなんだけど。
45分間、眼が離せず、そして自然に背筋が伸びて来る。
すごい語りだった。
樋口一葉の「おと」の素敵さもよく理解できた。
35年以上、様々な人の語りに触れてきたが、20代でここまで語れる人を見たことはない。
柿澤さん、大きくなったなあ。

横浜ですごい語りに触れてノックアウトされたまま、会場を飛び出して新大久保へ。
「ノスタルギガンテス」にトランペットのソロで参加してくれている内田真嗣くん率いるビッグバンドのコンサート。
30分以上遅刻してしまったのだけど、会場に入った瞬間に身体を包んだ音が前回と違っている。
深い塊に触れたような快感がある。
こちらもいい時間。
ああ、みんな闘って、いい「作品」生み出してるなあ。。。
コメント
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