たけちゃん活動・生活日誌

県議としての活動に追われてきましたが、引退後の生活の様子や、感じていることを発信しています・・・。

「薔薇色」

2009年03月01日 | Weblog

県立病院の地方独立行政法人化について


 代表質問やこれまでの一般質問を通じ、県の答弁で気になることがあります。
 それは、県立病院の地方独立行政法人化についての答弁内容です。


 この問題は、代表質問や一般質問で多くの議員が取り上げましたが、これまでに県が答弁した内容は、「独法化すれば全て良くなる」かの様な「薔薇色」の話しばかりです。


 私は一県民として、須坂病院の終身患者ですが、既存のサービスに満足している一人です。 患者の立場から言えば、今の県立病院のサービスのどこが悪く、どこを、どの様に改善するために独法化するのかが理解出来ません。
 どこか悪い病気がみっかったのであれば、まず、現在の県立病院(県)での問題点を明らかにし、出来うる最善の治療を行うことが、最大の患者(県民)に対する責務ではないでしょうか。
 私は私の主治医を、信頼しています。
 ですから、私は須坂病院へ行きます。
 しかし、須坂市民や市議、そして県職員でも、長野市民病院へ来ている方が結構います。 こうした現象が起きているのは、長野市民病院の医師より素晴らしい医師が須坂病院には長く勤務していることを、住民の皆さんは知らされていないのではないでしょうか。
 独法化の提案は、「既存の県立病院では良い医師が来ないため、レベルが低い」との風評を県自ら招いているような気がしてなりません。


 今議会に提案されている県立病院の独法化に関する議案は、手続きだけの空虚なものであり、議員の質問に対する答弁も「薔薇色」だけで、逆に信用することが出来なくなりました。


 結局は、今深刻な問題となっている医師不足等の現実に対し、当面の医師を確保するために独法化によって医師等の採用や待遇改善を行う(大切なことですが)ことだけが目的に思えてなりません。
 そして、その結果、年数が経過するうちに、採算重視のため看護師や臨床検査技師、管理栄養士等の待遇が下げられたり、各種証明書等の値上げを行ったり、結果として、県民サービスの低下となるのではないかという思いは捨て切れません。
 県立病院に係わらず全ての公的病院は、この間の国の報酬単価削減等の政策により、こうした課題を背負わされていますが、まず、行うべきことは経営改善への努力は当然として、国の制度改正を強く求めることではないでしょうか。


 その意味で、県はまず独法化すれば「薔薇色」の答弁をし、これまでの運営責任を回避するのではなく、これまで県立病院運営で努力した点は何であったのか。また、県民サービス上、県立ではどうしても克服出来ない点は何か。全国的に県立でうまく運営出来ている病院はないのか等々を、独法化先にありきではなく示す必要があると思います。


 確かに、既存の本県の制度では病院人事は人事委員会に諮らなければなりませんし、機器購入等、様々な予算についても議会の議決を要し、県立病院として機敏な対応が出来ないのかも知れません。
 しかし、既存の制度の中でも、こうした問題をクリアーして独自の取り組みにより行っている自治体もあります。


 今議会で知事は、「独法化は県立病院の機能の維持向上が目的。県の負担を減らすという財政的な配慮ではない。」とか「へき地医療や高度医療などの不採算医療を引き続き提供できるよう、適正な経費を県が負担していく」等と答弁しています。
 しかし、独法化した病院の評価を行うのは今議会に提案されている「評価委員会」であり、年月が経過すれば、どんな評価を行うのか分かりません。


 元々、地方独立行政法人制度は小泉内閣の「民間で出来ることは民間で」とする構造改革路線のもとで導入された制度です。
 それ故に、独法化は公的サービスを今深刻な経済危機を招き、既に破綻したとされている市場原理(新自由主義)に委ねることとなり、後になって「こんな筈ではなかった。」と言う結果になるのではないかと心配しているのが私の率直な気持ちです。
 しかも、独法化すれば既存の法のもとでは、「こんな筈ではなかった。」と言って、また県立に戻すことは出来ません。
 それから、もう一つ、もし今年行われる総選挙で政権交替が行われれば、当然、この制度の見直しもあり得る話しであり、その意味でも、慎重に対応すべきと思います。


 今議会に「定款」と「評価委員会」設置の二つの議案が提案されていますが、独法化した場合の各県立病院の運営がどんな姿で行われるのか。県民サービスはどうなるか等は、設置された評価委員会が「中期目標」として作成し、今年の12月議会に提案するとしています。


 前にもこのブログに掲載しましたが、そもそも、どんな病院の姿になるのかを示す「中期目標」を見ずして、独法化を進める議案に賛成して欲しいと言われ、「薔薇色」なことだけ言われても、私は判断することが出来ません。
 とは言え、この議案を出す順番も法律で決まっているからと言われれば、最悪の場合、今回の議案は「しかたなく賛成」し、12月議会に提案したいとする「中期目標」や国政の状況を見て、納得しなければ反対するという手法もあるかも知れません・・・・。


 正直、悩んでいます。
  皆様からのご意見をお寄せ下さい。

にほんブログ村 政治ブログ 政治家(都道府県)へ「日本ブログ村」のブログランキングに参加しています。クリックしてご支援をお願い致します。