「村井知事と語るつどい」
~須坂病院の今後について~
4月22日(水)、「須坂病院の今後について」のテーマを中心とした「村井知事と語るつどい」が須坂市で開催され私も出席しました。
この会の目的は「平成22年4月に地方独立行政法人への移行を予定している須坂病院の今後を中心に、地域の医療について県民の皆さんと知事が自由に語り合う、『村井知事と語るつどい ~須坂病院の今後について~』を、須坂市で開催いたします」というものでしたが、私の印象では思ったより参加者(約110名)が少なく、須坂病院の独法化について意外に市民の関心は薄いと思いました。
会では県から自治体病院の役割や県立病院の抱える課題、地方独立行政法人化の取り組みと今後の課題等が、須坂病院医院長が病院の役割と使命等が、須坂市長から健康づくりの取り組み等が、それぞれ報告され質疑が行われました。
質疑の主な内容は、
・信大附属病院との連携は?
・待ち時間を短くして欲しい。
・医師は確保出来るのか。
・経営優先となり不採算部門が切り捨てられるので
はないか。
・看護師等の職員の待遇が下げられるのではない
か。
・地域連携組織に労組代表や公募委員を入れる
べき。
・住民アンケート調査をやって欲しい。
・子供病院との連携を図って欲しい。等々です。
また、須坂病院についての市民の見方として、本音も聞かれ結構楽しい会でした。
と言うのは、
・みんな近くに県立病院があるのに噂で他の長野市
の病院へ行ってしまう。
・一度事故のケガで須坂病院にお世話になったが、
措置やサービスが悪く二度と行く気にもならない。
病院に愛情が欲しい。
・病院にかかった人から、余り良い話しは聞かない。
長野市民病院、中野の北信病院等他の病院とし
て比較し信頼度はどうなっているのか。等々、現状
の須坂病院に対する厳しい意見が出されました。
また、一方では、
・評判が悪いと聞いていた須坂病院に2週間入院し
お世話になったが、看護師さんには笑顔で親切に
対応して頂き敬服した。
看護師さんの、あの笑顔や対応は、どの様に医院
長は指導しているか知りたい。
・長野市民病院や日赤になぜ流れて行くのか、疑問
に感じる?市民がもっと身近にある須坂病院をよ
り良くするために、どうすれば良いかを考えるべ
き。等の前向きな意見も出されました。
これらの意見についての知事や病院事業局長、須坂病院医院長、須坂市長の回答は今日段階では割愛します。
しかし、私は長野市民病院整備に深く関わり同病院に愛着を持ちながら、現在は県立須坂病院の医師を信頼しお世話になっている患者としては、この集いで現須坂病院に対する地元の須坂市民から批判が多く出されている状況に接し、とても悲しくなりました。
と同時に、私も須坂病院を本当に選択していて大丈夫だろうかと不安を抱きました。
会場からの帰り、私は車を運転しながら、今日の県立須坂病院の独法化の議論は須坂市民の皆さんの意識とかみ合っているのだろうか様々考えました。
今回、出された意見は現状の須坂病院に対する批判が多く、昔からの同病院に対する固定観念が克服されていないのではないか。
それ故に、病院の地方独立行政法人化という課題に対して、須坂市民は「愛着」がないために、「まだ人ごと」の姿勢でいるのではないか。
これまで多額な県民全体の税金を投じて来た須坂病院が、独法化という新たな転機を迎えようとしている時、また、その中で医師等の研修など県立病院全体の拠点としての役割を位置付けようとしている時に、須坂市民の反応が他の病院を向いている様では、須坂病院を県立病院全体の拠点とする意義は失われているのではないか。
須坂市民の皆さんが、医師の確保など様々な批判をする前に、今や、それぞれの地域間競争により「医療は与えられるものでなく、守り拡大して行く」を自問自答することが、まず問われていると思います。
特に、須坂市の場合は歴史的に県立があることが当たり前と受け止めいるいる要素がありますが、県がこれまで様々な努力をしても、なおかつ、市民からの「悪いイメージ」を脱却できず、ここに及んで「愛着」を持たれていない病院を、須坂市におかなけばならない理由は、どこにあるのでしょうか。
むしろ、須坂市民が現状において圏域の住民に愛されていない理由は何かを抜本的に調査した上で、その結果により須坂病院のあり方を検討すべきです。
須坂市は、これまで歴史的経緯から県立病院があったために、そこに医療政策を依存して他の市民福祉の向上のために予算を使うことが出来ました。
しかし、長野市民病院をはじめ県内の幾つかの自治体は自ら努力して市民への医療提供のため、病院経営をし維持して来たことの大変さを考えれば、これまで須坂市は県に甘えて来たのではないでしょうか。
須坂市は、この間、その浮いた予算を、何に使って来たのか県民全体に説明責任を果たすことを問いたいと私は思います。
今になって、須坂市民が須坂病院に対し、「愛する心を持つ」なんてことは、今まで須坂市や市民は何を行って来たのか考えれば、聞きたくもない言い訳に思えてなりません。
もし、県立病院の地方独立行政法人化を行うのであれば、須坂市民の現実の医療行為に配慮し、須坂病院は須坂市の直営にするか、そのことが許されないのであれば、須坂市からの応分の出資金の負担を求めることや、さらに、長野市民病院や県のリハビリセンターも含め、須坂病院の存続のあり方を、一度リセットし白紙から検討し直さなければ、須坂市民の意識は変わらないのではないか。などについて、つい真剣に考えてしまいました。
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