たけちゃん活動・生活日誌

県議としての活動に追われてきましたが、引退後の生活の様子や、感じていることを発信しています・・・。

衆議院憲法審査会での国民投票法改正案採決に抗議する

2021年05月06日 | 社民党

衆議院憲法審査会での国民投票法改正案採決に抗議する談話

   2021年5月6日  社会民主党 幹事長 服部良一

1、本日の衆議院憲法審査会において憲法改正の手続きを定める国民投票法改正案が賛成多数で可決された。菅総理は政府による新型コロナウイルス対応の不備の責任を日本国憲法に転嫁し、「緊急事態宣言」と「緊急事態条項」を混同させて改憲機運を高める試みを活発化させてきた。新型コロナウイルス禍に便乗した憲法「改正」を許してはならないという立場から、社民党はこの度の採決に強く抗議する。

2、自民・公明両党と、立憲民主党、国民民主党は、改正案の原案と修正案の両方に賛成した。日本維新の会は原案のみに賛成し、共産党は原案、修正案の両方に反対した。立憲民主党には慎重論も根強く存在したが、国民投票運動におけるCMや運動資金に関する規制について「法施行後3年をめどに、検討を加え、必要な法制上の措置を講ずる」との修正が反映されたことを受けて賛成した。社民党はこの修正を一歩前進と評価するが、改憲への呼び水という改正法の役割を変えるものとはいえないことから賛成はできない。

3、今回の改正法案は、2016年に累次にわたり改正された公職選挙法(名簿の閲覧、在外名簿の登録、共通投票所、期日前投票、洋上投票、繰延投票、投票所への同伴)の7項目に改憲手続を符合させ、憲法改正国民投票の際の有権者の投票機会を増やすことが目的とされている。地域をまたぐ「共通投票所」を駅や商業施設に設置できるようにしたり、洋上投票や期日前投票を拡充し、親とともに投票所に入れる子どもの対象も広げる。

4、公職選挙法にあわせた技術的な改正に見えるが、期日前投票時間の短縮や、繰延投票期日の告示期限が短縮されているなど投票環境を後退させる部分があること、またそもそも国の根本規範を決める憲法改正国民投票が公選法並びでよいのか十分議論する必要があるのではないか。CM規制、資金の上限規制、最低投票率の問題など、憲法改正国民投票の公正を保障する内容も含まれておらず、多くの課題が積み残されている。

5、改正案は自公と維新などが2018年6月に国会に提出し、今国会まで8国会にわたってで継続審議となっていたものだ。菅政権発足後の20年11月に実質的な審議に入ったが、いまコロナ禍のなかで成立を急ぐ必要はまったくない。菅義偉首相はこの5月3日のビデオメッセージで「(改正案を改憲に向けた)最初の一歩として成立を目指していかなければならない」と主張しているが、今回の改正を改憲論議に結びつけようとしているに過ぎない。

6、与党は議論は尽くされたとして会期内の成立を目指す方針だが、CM規制、資金の上限規制、最低投票率の問題など、憲法改正国民投票の公正を保障する議論はまったくなされていない。新型コロナウイルス禍が政府の対策の不備もあり深刻さを増しているなかで、いま政治がなすべきことは、日本国憲法が保障する権利、とりわけ健康で文化的な最低限度の生活を営む権利(第25条)や法の下の平等(第14条)を基盤とする新型コロナ対策を組み立てていくことではないか。社民党は幅広い人々と連帯しながら参議院での審議を通じて、憲法改正国民投票法や今回の改正の問題点を厳しく指摘していく決意である。


アメリカ大統領選挙の結果について(社民党談話)

2020年11月08日 | 社民党

アメリカ大統領選挙の結果について(談話)

                  2020年11月8日 社会民主党幹事長 吉田忠智

1.激戦が続き、大接戦となったアメリカ大統領選挙は、民主党のジョー・バイデン候補が勝利に必要な選挙人(270人)を超える人数を獲得する情勢となり、共和党の現職大統領ドナルド・トランプ候補を下し当選が確実になった。バイデン氏の下で、トランプ政権が深めた「分断社会」が緩和されていくよう願っている。一方、「Keep America Great!(米国を偉大なままに!)」を強調したトランプ氏は、郵便投票で不正が起きている、違法性のある票は無効にすべきだなどと主張し、法廷で徹底的に戦う構えを見せているが、アメリカの民主主義自体を疑い、アメリカ社会の分断と混乱をさらに深めるような対応は残念である。

2.今回の大統領選挙では、新型コロナ対策や経済政策、そして人種差別・不平等問題が大きな争点となった。トランプ政権は、新型コロナを軽視してきたが、アメリカでは、新型コロナによる死者が世界で最も多くなり、生命と健康、そして経済の被害に直面し、新型コロナ対策や医療政策、経済政策などが影響した。トランプ氏は、前回、躍進の象徴となった「ラストベルト」で底堅い支持を見せつけたが、大恐慌以来最悪の経済危機にあるとして、製造業の支援に7000億米ドルを投入し、500万人の雇用を創出すると訴えるなど、雇用や産業の再生を強調したバイデン氏に及ばなかった。また、トランプ氏は、排外主義をあおり、強硬な移民政策の維持を掲げるとともに、白人警官によって黒人男性の命が奪われた事件を受けて全米に広がった、「Black Lives Matter(BLM)」運動などに対し、「法と秩序」を合言葉として法執行機関を強力に支持すると強調し、構造的な人種差別の問題に背を向けてきた。さらにトランプ政権は、「アメリカ・ファースト」を掲げ、「パリ協定」離脱、INF全廃条約離脱、イラン核合意破棄、世界保健機関(WHO)脱退など、国際社会からの孤立を深めてきた。バイデン氏の下で、アメリカ社会の抱える深刻な矛盾を解決していくとともに、国際社会へ復帰し、適切な役割と責任を果たしていくことが期待される。

3.トランプ大統領との蜜月関係を強調した安倍前政権の下で、農業を犠牲にし日本車と部品の関税撤廃・削減分の先送りなど一方的な譲歩を強いられた日米貿易協定、対外有償軍事援助(FMS)による米軍兵器の「爆買い」やイージス・アショアの導入など、対米追従が極まった。在日米軍の駐留経費負担(思いやり予算)についても、日本に対し現行から5倍の増額を求め、エスパー米国防長官からは、防衛費自体のGDP比2%以上への引き上げ要求を突きつけられている。

4.一方、バイデン氏は、気候変動に懐疑的だったトランプ氏とは異なり、エネルギー政策の転換を強調しており、「グリーン・ニューディール」の方向性が強まることになろう。巨額の経済対策による景気への期待がある一方、経済政策などで日本への風当たりが強まることも懸念される。また、バイデン氏は、新型コロナ対策や米国内の福祉・雇用政策を重視するため、軍事費を抑制していくとみられており、在日米軍の駐留経費負担協議が本格化する中で、相応の協力や負担を求められることを警戒したい。

5.沖縄県民はじめ、基地周辺住民は「日米同盟」の犠牲になってきた。辺野古新基地建設の強行、オスプレイ配備、爆音や事故・事件の続発など、課題は山積している。アメリカに対し、普天間基地の全面返還、辺野古新基地建設の中止、基地負担の軽減や日米地位協定の全面改正を強く求めていかなければならない。日米関係は重要であるが、アメリカの世界的な軍事戦略に日本が従属するのではなく、平和憲法を外交政策の柱に据え、毅然とした姿勢のもとで、主体的で対等な日米関係を目指していく。


核兵器禁止条約の発効決定を歓迎する(社民党の談話)

2020年10月25日 | 社民党

核兵器禁止条約の発効決定を歓迎する(談話)

           2020年10月25日      社会民主党幹事長 吉田忠智

1.本日、中米ホンジュラスが新たに核兵器禁止条約を批准し、同条約は、発効に必要な50に達した。核兵器の使用、開発、実験、製造、取得、保有、貯蔵、移転など幅広く禁止するとともに、核を使用するとの威嚇も禁止するものであり、前文には、核兵器の犠牲者(ヒバクシャ)や核実験被害者の「受け入れ難い苦痛や損害」に留意することが明記されている。こうした画期的な条約が、90日後の来年1月22日に発効することになり、社民党は、米軍による原爆投下から75年の節目に、発効への道筋がつき、核兵器を違法と見なす史上初の国際的な規範ができることとなったことを歓迎する。NGOの皆さんや、広島、長崎の被爆者の皆さんの活動に敬意を表するとともに、非人道的な核兵器の廃絶された、「核なき世界」の実現に向けて、いま、新たな一歩を踏み出すことができたことを心から喜びあいたい。これからも核兵器の廃絶に向け全力で取り組んでいく。

2.2019年8月、中距離核戦力(INF)廃棄条約が失効し、来年2月には新戦略兵器削減条約(新START)も期限切れを迎える。発効からちょうど50年を迎えた核不拡散条約(NPT)の再検討会議は、1年延期された。今回の条約を、新たな核軍縮の基盤として活かし、国際社会への働きかけをさらに強め、核兵器の廃絶向けた国際的な機運を高めていかなければならない。一方で、しかし、核兵器禁止条約には、世界の核兵器の9割を保有するアメリカとロシア、また中国などの核保有国、アメリカの核抑止力に依存する日本などは参加していない。核兵器保有国と「核の傘」の下にある国々が条約に参加するよう、核兵器のない世界に向けて努力しているすべての皆さんと力を合わせていきたい。

3.唯一の戦争被爆国でありながら、日本政府は、17年3月から始まった交渉会議にも参加しなかった。発効から1年以内に締約国会議が開かれる予定であり、アメリカの「核の傘」や核抑止力への依存に固執するのではなく、日本こそが、75年にわたって核廃絶を訴えてきた被爆者や世界中の核廃絶を願う人々の思いを誠実に受け止め、自らが早期に核兵器禁止条約を批准すべきである。そして、各国に働きかけ、批准国を増やしていくなど、「核のない世界」を目指し、積極的にリーダーシップを発揮していかなければならない。


菅首相による日本学術会議新会員の違憲・違法の任命拒否は許されない

2020年10月05日 | 社民党

菅首相による日本学術会議新会員の違憲・違法の任命拒否は許されない(社民党の談話)

    2020年10月1日 社会民主党幹事長 吉田 忠智

1.日本学術会議が新会員として推薦した105人のうち6人について、菅首相は任命を拒否した。政府から理由の説明はないが、任命しなかった6人は、「戦争法」や特定秘密保護法などで政府の方針に異論を示してきた。現行制度になって例のない初めて決定であり、政府の意に沿わない人物を排除しようとする菅政権の意図がうかがえる。政府を批判する立場の学者については日本学術会議の会員にしないということは、憲法の保障する学問の自由への介入・侵害であり、断じて許されない。菅日首相に対し、任命を拒否した理由を明らかにするとともに、改めて6人を任命するよう強く求める。

2.日本学術会議は、科学が文化国家の基礎であるという確信の下、行政、産業及び国民生活に科学を反映、浸透させることを目的として、内閣総理大臣の所轄の下、政府から独立して職務を行う「特別の機関」として設立された。恣意的な任命拒否がまかりとおれば、日本学術会議の勧告や提言、声明等も一方的な立場からのものとなり、政権の政策の批判や修正はできず、政府の方針に翼賛するだけの御用機関と化す。まさに日本学術会議の独立性に対する挑戦であり、「科学者の総意の下に、わが国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献し、世界の学界と提携して学術の進歩に寄与する」という使命の達成を困難にし、日本学術会議そのものの存在意義を失わせる。

3.日本学術会議は、1950年に「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」旨の声明を、また1967年には同じ文言を含む「軍事目的のための科学研究を行わない声明」を、2017年にも「軍事的安全保障研究に関する声明」を発している。「反対する官僚は異動だ」と言い切り、官僚への統制を強めようとしている菅首相が、学問にまで政治介入してきたことは、政府に反対すること自体をやめさせようとする狙いを感じる。首相とは異なる歴史認識をもつ研究者を任命しないといったことにもなりかねない。しかし、科学は政治の従僕ではない。批判によってこそ学問や研究は発展する。政府への批判を封じ、学問や研究を萎縮させ、科学の向上発達を損なうことは、文化国家の基礎を揺るがすものであり、断じて看過できない。

4.加藤官房長官は、会見で、「法律上、内閣総理大臣の所轄であり、会員の人事を通じて一定の監督権を行使するのは法律上可能」としたが、学問を監督しようというのは学問の自由の侵害にほかならず、かつて吉田茂首相が「国の機関ではありますが、その使命達成のためには、時々の政治的便宜のための制肘を受けることのないよう、高度の自主性が与えられておる」と言明していたことと矛盾する。

5.今回の6人の除外は、公選制から推薦制に変えた法改正を審議した際の、「政府の行為は形式的行為」、「政府が行うのは形式的任命にすぎない」(中曽根康弘首相)、「ただ形だけの推薦制であって、学会の方から推薦をしていただいた者は拒否はしない」(丹羽兵助総理府総務長官)、「実質的に首相の任命で会員の任命を左右するということは考えていない」(手塚康夫内閣官房総務審議官)などといった国会答弁と明らかに齟齬が生じている。さらに、「内閣総理大臣が会員の任命をする際には、日本学術会議側の推薦に基づくという法の趣旨を踏まえて行うこと」などの附帯決議にも反する。菅首相は、「法に基づいて適切に対応した結果だ」と答えたが、内閣総理大臣の形式的な発令行為であり拒否権はないという、日本学術会議法についての政府見解や法解釈をいつ、なぜ変えたのか明らかにすべきだ。社民党は他の野党とともに、違憲・違法の今回の任命拒否問題について、衆参両院で予定されている閉会中審査や今後の臨時国会などで、徹底して追及する。

 


菅義偉新政権の発足にあたっての社民党の談話

2020年09月16日 | 社民党

菅義偉新政権の発足にあたって(談話)

  2020年9月16日 社会民主党幹事長 吉田忠智

1.本日、第202回臨時国会が召集され、衆参本会議で首班指名選挙が行われた。
 社民党は、共同会派をくむ立憲民主党の枝野幸男代表に投じたが、自民党の菅義偉総裁が第99代内閣総理大臣に指名された。
 菅新首相のめざす国づくりの方向性、新型コロナ対策や雇用・経済政策など、国会で議論すべき課題は山積している。
 社民党はじめ野党の憲法に基づく臨時国会の開会要求を安倍首相は無視し続けてきたが、ようやく国会を開いたのであるから、3日間で閉じるのではなく、所信表明演説を行い、予算委員会も開く日程を確保するなど、論戦の機会を設けるべきである。

2.一方、歴代史上最長となった安倍政権が本日総辞職した。「志半ば」というように、国民にとって何のレガシーも残せなかった。世論に耳を傾けず、違憲の「戦争法」を強行するなど「戦争する国」づくりを進めるとともに、財界のための「世界で一番企業が活躍しやすい国」づくりをめざしてきた。 憲法や国会をないがしろにし、アベノミクスは行き詰まり、北方領土問題や拉致問題の解決もできなかった。
 政治の私物化や数々の疑惑について、何の説明責任も果たさず、退場したことは許されない。
 官房長官として首相を補佐した菅首相は、森友や加計問題や桜を見る会問題、黒川検事長問題をはじめ、安倍政権のもたらした公文書廃棄や改ざん、隠蔽、虚偽答弁、政治の私物化について、説明を尽くさなければならない。 側近として知られた河井克行前法相夫妻や菅原一秀前経済産業相の不祥事についても、政治的責任は免れない。秋元司衆院議員が3度も逮捕されたが、安倍政権の「目玉」としてIR構想を推進してきたのは菅首相である。安倍政権の「負の遺産」に誠実に答えるべきである。

3.菅首相は、目指す社会像として、「自助・共助・公助、そして絆」を掲げ、「まずは、自分でできることは自分でやってみる」などと語り、「役所の縦割り、既得権益、あしき前例主義を打破して規制改革を進めていく」と強調する。自助の偏重は、弱者の置き去りにつながり、新自由主義的な構造改革の推進は、大企業の利益を優先し、格差や貧困を拡大するだけでなく、危機への社会の対応力を低下させる。
 また、内閣人事局に問題は無い」、「反対する官僚は異動だ」と言い切るが、官僚への統制や「忖度」の風潮が助長され、マスコミ支配もさらに強まる恐れがある。安倍政権下では対米追従外交が極まり、日ロ外交やアジア外交は行き詰まりを見せている。
 しかし、菅首相からは外交のビジョンが感じられない。消費税増税を巡る発言がぶれ、「自衛隊が憲法で否定されている」と発言したり、憲法改正についても「政府として環境をつくりたい、挑戦したい」と発言したりするなど、首相としての資質が問われる場面もある。

4.「国民のために『働く内閣』をつくる」というが、これまでの内閣は国民のために働いていなかったのか。
 菅新内閣は、麻生副総理兼財務大臣、茂木外務大臣、梶山経済産業大臣、小泉環境大臣、新型コロナ担当の西村経済再生大臣ら8人が再任されたうえ、2人が横滑りとなり、上川元法務大臣と田村元厚労大臣、小此木元国家公安委員長が同じポストで再登板となった。目玉の「デジタル庁」の創設に向け、デジタル担当大臣となる平井元IT担当大臣も再入閣である。官房長官には、新型コロナの初期対応で事実上落第点をつけられた加藤厚労大臣が起用された。初入閣は、安倍前首相の実弟の岸防衛大臣ら5人である。「回転ドア」のように、新味に乏しいものとなった。加計問題で登場し、不倫出張疑惑が追及された和泉補佐官も再任となる。閣僚らの資質や実績について徹底的に追及していく。

5.安倍政権の継承・発展を明言する菅新政権は、「安倍なき安倍政権」にほかならない。
 社民党は、暴走するアベ政治の検証や総括を行うとともに、安倍政権の「負の遺産」を解消するよう求める立場から、今後、菅首相に対し、徹底的な国会論戦に挑むとともに、「安倍なき安倍政権」を打倒し、政権交代を実現するための態勢づくりを急ぐ。

 


安倍首相の辞意表明についての社民党の談話

2020年08月28日 | 社民党

安倍首相の辞意表明について(談話)

   2020年8月28日 社会民主党幹事長 吉田忠智

1.本日、6月18日以来、約70日ぶりの記者会見を開いた安倍首相は、「病気が理由で正しい判断ができなくなる」、「国民の負託に自信をもって応えられる状態でなくなった」などと説明し、正式に辞意を表明した。定期健康診断から約2か月後の今月17日に、安倍首相は慶応大学病院で検査を受け、24日にも再検査をしていた。首相の体調を案じていたが、突然の辞意表明に驚いている。元気であれば、臨時国会を開き、新型コロナ対応をはじめとする諸課題について、しっかり説明してほしかった。結果として、突然の幕引きの格好になったが、病気と闘ってこられた安倍首相に、お見舞いを申し上げるとともに、まずは病気の療養に専念していただきたい。

2.安倍政権は、8月24日に2799日となり、連続在職日数も歴代最長になったばかりである。政権の評価はただ長ければ良いというのではない。国民からすると、安倍政権の実績は見当たらず、負の実績ばかりが目立っている。アベノミクスや安倍外交をはじめ、安倍政権の進めてきた政策の行き詰まり・破たんは明らかである。新型コロナ対応も、混乱と無為無策が続いていた。安倍首相は、拉致問題、ロシアとの平和条約、憲法改正が志半ばであり、「断腸の思い」というが、最後まで道半ばとなった。

3.安倍政権は、強行採決の連発など議会制民主主主義を破壊する暴挙を繰り返し、国会と憲法をないがしろにし、民主主義そのものを劣化させてきた。集団的自衛権行使容認を含む安保関連法(「戦争法」)の強行や特定秘密保護法・共謀罪法を強行し、何度も基地建設反対の民意が示された沖縄に対し、辺野古新基地建設を強行し、民主主義と地方自治の蹂躙を続けてきた。森友学園や加計学園、「桜を見る会」など見られるように、公文書の改ざん、虚偽答弁、データねつ造、偽装や隠蔽は日常茶飯事となり、ウソとごまかしの政治が続くとともに、「忖度政治」が横行し、行政と政治の私物化が進み、政治腐敗も深刻となった。しかし安倍首相は、「政治は結果責任」、「任命責任は私にある」といいながら、一切何の責任もとらずに退陣へと至るのは、極めて遺憾である。

4.この間、政権が進めてきた新自由主義的構造改革が私たちの社会自体の危機への対応の限界値を非常に低くさせた。国民が切実に望んでいるのは、政治自体の転換であり、国民の命と健康、くらしを守るための政治の実現である。立憲主義、民主主義、平和主義の破壊を続けてきた、7年半余りのアベ政治の暴走の検証と総括が問われている。そうした意味で、安倍政権の当事者たちによる密室談合や権力の私物化は許されない。新政権は選挙管理内閣として、当面する新型コロナ対応に全力をあげるとともに、与野党双方が今後の政治についてしっかり方向性を打ち出したうえで、早期に国民の信を問うようにすべきである。社民党は、「アフター・コロナ」を見据えたポスト「アベ政治」の政策を展望し、改憲阻止と国民の命と健康、くらしを守るための政治の実現のために、野党共闘の深化と総選挙準備に全力をあげる。


敗戦75年にあたって(社民党の声明)

2020年08月15日 | 社民党

敗戦75年にあたって(声明)

         2020年8月15日  社会民主党

 第二次世界大戦の終結から75年目の8月15日を迎えました。日本の侵略戦争と植民地支配に始まり、15年にもわたった太平洋戦争は、多くの国々に多大な苦痛と損害を与え、日本も存亡の危機に陥りました。戦争の犠牲となってたおれ、傷つき、苦しめられたすべての人々に、心から哀悼の誠を捧げます。遺族の皆さま、そして今もなお戦争被害に苦しまれている皆さまに、心からお見舞いを申し上げます。戦禍を生き延びた人々にとっての一筋の光明が、恒久平和を誓った日本国憲法でした。75年の平和国家への歩みを振り返り、再び戦争の時代を招来しないよう努め、後世に引き継いでいくことが、私たちの責務です。

 安倍政権は、「積極的平和主義」と称して日米同盟を強化し、軍事費を8年連続で増やしてきました。特定秘密保護法や「共謀罪」の制定、「戦争法」の制定などを強行してきました。そして、自衛隊を中東に派遣し、今や「専守防衛」すらかなぐり捨てる「敵基地攻撃能力」の保有を進めようとしています。そのうえ、緊急事態条項の創設や憲法9条2項の死文化を目的とした明文改憲が行われれば、米軍とともに歯止めなく「戦争する国」へと突き進むことになります。社民党は、9条改悪と軍事大国化に反対する多くの人々と力を合わせ、改憲発議阻止と立憲主義・民主主義・平和主義に反する安倍政権の打倒に全力をあげます。

 地上戦で20万人を超える尊い命が奪われた沖縄は、戦後も米軍が「銃剣とブルドーザー」で住民を追い出し、「捨て石」として米国の軍事支配下に置かれました。沖縄県民は、今も在日米軍基地の7割超を押し付けられ、米軍ヘリの事故や米軍人・軍属による事件、危険なオスプレイの飛行訓練など、軍隊による不条理に苦しめられ、平和憲法より日米安保条約や日米地位協定が優先する日常を強いられています。安倍政権は、沖縄県民の平和の思いを踏みにじり、辺野古新基地建設を強行しています。社民党は、新基地建設反対、米軍基地の整理・縮小・返還、日米地位協定全面改正を求め、平和と民主主義をめざすたたかいの先頭に立ちます。

 広島・長崎は、原子爆弾によって、21万4千人余の命が奪われ、今日も被爆による苦しみが続いています。国連の「核兵器禁止条約」の採択や、核兵器廃絶国際キャンペーンのノーベル平和賞受賞など、核廃絶に向かう潮流が大きくなる一方、中距離核戦力廃棄条約の失効など、核超大国は逆行する動きを強めています。米トランプ政権に追従する日本政府は、核抑止力論に固執し、「核兵器禁止条約」に背を向けています。原爆症認定の問題のほか、在外被爆者や被爆二世の問題など、被爆者に対する行政には様々な問題が残されています。また、空襲被害者など民間の戦争被害者は今も切り捨てられ、放置されたままです。政府は、被爆者の思いを踏みにじり、「黒い雨」訴訟の控訴を強行しましたが、社民党は、すべての戦争被害の責任を認め、差別することなく救済を急ぐよう強く求めます。

 戦後75年の今年、「戦後最大の試練」というべき新型コロナ禍に見舞われています。新型コロナ禍は、分断や対立を助長するとともに、管理や統制の強化、新しい強権政治やファシズムへの契機となることに警戒しなければなりません。また、戦没者追悼式や慰霊祭の中止や延期、規模縮小、参列の取りやめが相次ぐなど、新型コロナ禍は、戦後75年の節目の恒久平和と鎮魂の祈りにも陰を落としています。そうした中、戦争体験の風化を防ぎ、記憶を継承するため、オンライン講話や証言DVDの上映など、新しい平和教育も模索されています。不戦・恒久平和の願いは、決してコロナには負けることはありません。

 詩人・石垣りんは、105名の戦没者名簿に寄せた詩の中で、「死者の記憶が遠ざかるとき、同じ速度で、死は私たちに近づく」、「戦争の記憶が遠ざかるとき、戦争がまた私たちに近づく。そうでなければ良い」、「八月十五日。眠っているのは私たち。苦しみにさめているのはあなたたち」(「弔詞」)とうたいました。戦争の記憶を遠ざけて、戦争に近づくという愚かさを重ねてはいないでしょうか。今こそ目を覚まし、戦争の愚かしさと平和の尊さを次代につなげていくことが重要です。社民党は、先人たちの思いを引き継ぎ、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起こることのないやうにする」決意を胸に刻み、「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有する」ことを前文にうたう平和憲法をしっかりと活かし、恒久平和の実現に全力で努力し続けることをお誓い申し上げます。


「黒い雨」訴訟における国の控訴について(共同会派 四政調会長コメント)

2020年08月12日 | 社民党

「黒い雨」訴訟における国の控訴について
                                  (共同会派 四政調会長コメント)

      立憲民主党  政務調査会長 逢坂 誠二
      国民民主党 政務調査会長 泉 健太
      社会民主党 政策審議会長 吉川 元
      社会保障を立て直す国民会議 政務調査会長 重徳 和彦

 国は本日、「黒い雨」を巡る訴訟で原告全員を被爆者と認定し、被爆者健康手帳の交付を命じる判決を言い渡した広島地裁判決に対し、控訴した。

 長年にわたる原告やそのご家族、支援者のご労苦を踏みにじる行為であり、被告である広島市及び広島県が強く断念を求めたにもかかわらず控訴したことも含め、国に強く抗議する。
 国の控訴によって、問題解決までにいたずらにさらなる時間を費やすことになってしまった。原告の高齢化と、既に亡くなられた方もおられることを考えれば、断腸の思いである。あらためて、国は控訴を断念し、判決に沿って原告の方々に一刻も早く手帳を交付すべきであったと指摘しておきたい。
 これまで、当事者団体や広島市及び広島県が援護の対象となる区域の拡大を求めてきたが、現政権はそれを拒み続けてきた。安倍総理や加藤厚生労働大臣は本日、区域について検証する方針を表明したが、遅きに失したと言わざるを得ない。
 安倍総理に少しでも被爆者の皆さんに寄り添う気持ちがあるのであれば、せめて自ら原告の方々に控訴理由や今後の方針を丁寧に説明すべきである。

 私たちは、原告の方々が一刻も早く被爆者と認定され、手帳が交付されるよう、引き続き国に強く求めていくとともに、被爆者援護施策の一層の充実に取り組んでいく。


社会民主党・新年のメッセージ

2020年01月03日 | 社民党
 新年明けましておめでとうございます。
 旧年中は、私たち社民党の活動に対しまして、みなさま方の大きなご支援・ご協力を賜り、心から感謝と御礼を申し上げます。

 昨年の統一自治体選挙および参議院選挙は、社民党の存亡をかけた政治決戦となりました。目標とする議席増は果たせなかったものの、みなさま方のお力で、比例得票率2%を獲得して政党要件を維持することができました。「憲法を活かす政治」で「支えあう社会」をめざす社民党の政策や主張には、多くの期待の声が寄せられました。また、野党共闘の前進もあって、改憲勢力を3分の2割れに追い込むことができました。社民党は、暴走するアベ政治に苦しめられているみなさま方の思いをしっかり受け止め、2020年を「改憲元年」にさせてはならないとの決意を新たにしています。

 国会では、歴代最長となった安倍政権の下で、行政と政治の私物化が進み、隠ぺいや改ざん、ねつ造・偽装など、嘘やごまかしの「忖度政治」が横行し、民主主義の根幹が揺るがされています。大企業の内部留保が過去最高を更新する一方、実質賃金はマイナスとなり、消費税増税が追い打ちをかけ、国民生活も深刻になっています。参院選後、社民党は、衆・参両院で立憲野党の共同会派を組み、消費税増税や年金財政検証、全世代型社会保障、日米貿易協定、日韓・日露外交、集中豪雨や台風災害の復興など、山積する諸課題に対する安倍政権の姿勢を追及しました。野党の結束したたたかいは、公選法違反疑惑の2閣僚を辞任に追い込み、また公平・公正さを損なう大学入試共通テストの民間英語試験や国語・数学の記述式問題の導入を延期させました。

 その過程で発覚したのが、総理主催の「桜を見る会」と後援会による「前夜祭」疑惑です。安倍総理は資料を隠ぺい・廃棄し、野党の追及に逃げ回り、国民への説明責任を果たすどころか幕引きに必死です。さらには、安倍政権が成長戦略として打ち上げているカジノをめぐる収賄容疑で、自民党議員が逮捕されました。これに対し安倍総理は、事業費規模26兆円のバラマキ経済対策で国民の関心をそらし、衆議院の早期解散も視野に入れて通常国会に臨もうとしています。社民党は、これら疑惑を徹底追及するとともに、カジノ推進法・整備法の廃止をめざします。アベノミクスの検証、消費税増税と社会保障の抑制と負担増の追及、不公平税制の是正、脱原発と再生可能エネルギーの促進、人間らしい生活ができる最低賃金と働く者のための働き方改革の実現、過去最高を更新する防衛予算や自衛隊の中東派遣の徹底追及、辺野古新基地建設とオスプレイ導入の中止など、山積する課題に取り組みます。

 衆議院選挙が必至の今年は、「政局政変」の年です。「2020年改憲」を公言し憲法9条改悪に突き進む安倍政権を退陣に追い込むために、立憲野党が必ず勝利しなければなりません。社民党は、今の腐りきった政治を変え、民主主義と立憲主義を国民の手に取り戻すために、市民のみなさんとの共闘をさらに強め、たたかいます。憲法改悪を許さず、いのちと暮らしと雇用を守る「人といのちが輝く社会」の実現に全力をあげます。「憲法に基づく政治」をともにつくっていきましょう。

 2020年がみなさま方にとってよりよい年となりますよう心から祈念するとともに、社民党への一層のご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 
    2020年 元旦
          社会民主党党首 又市征治

関西電力疑惑の真相の徹底解明を(社民党党首のコメント)

2019年10月10日 | 社民党
関西電力疑惑の真相の徹底解明を
 
          社会民主党党首  又市征治
 
 関西電力の幹部ら20人が、福井県高浜町の元助役の森山栄治氏から少なくとも3億2千万円相当の金品を受け取っていた問題が金沢国税局の税務調査で発覚しました。原発の立地対策にと、電力会社が地元に流した資金が、当の電力会社のトップのもとへ還流されていたのです。もとはといえば私たちの税であり電気料金です。「菓子折の下に小判形の金」とは、江戸時代の悪代官じゃあるまいし、とんでもない事態です。

 2日の関電の再会見では、「不適切だが違法ではない」と開き直り、元助役に脅されてしようが無かったと責任逃れに終始していました。金品を「預かっていた」、「個人の管理下で保管」などと言うのに、税務当局に修正申告したというのも理解できません。関電幹部の利益相反や特別背任も取り沙汰されている重大な問題です。原発利権、原発マネーの膿を徹底的に出し切らなければなりません。原発を運営する巨大電力会社と、立地する自治体側との異様な関係性も浮き彫りになりました。高浜原発の立地を巡る闇の解明も必要です。

 いずれにせよ関電関係者の国会における参考人招致をはじめ徹底究明が必要です。また、他の原発や他の電力会社も同様の事例がないか調査を至急行うべきです。さらに、原発マネーと政治家との関係も明らかにする必要があります。

 野党は共同で、関電疑惑追及チームを設けました。臨時国会の最大のテーマとして、関西電力疑惑を徹底的に追及していきます。