前回は9月議会での一般質問のことを主にお話ししましたが、今日は委員会のことをお話しします。
私は前知事の時は主に総務委員会に所属していましたが、その時は提案される議案質疑をしていると中には理事者がチャント説明出来ないで詰まってしまう議案もあり、チェックする議員の仕事として説明出来ない議案を可決する訳にも行かず否決せざるを得ない時がありました。
また、中には中越地震への県民から寄せられた支援物資が県庁の地下駐車場に放置されたままになっていることが発覚し、委員と県職員幹部がその現場へ行って一緒にその物資の存在を確認したにもかかわらず、委員会では「物資は無かった」と嘘を言い、その発言の撤回をめぐって委員会が約二時間も中断したことがありました。
さらには、知事後援会の経費を使っての職員との懇親会が行われていたことや、県職員の人事が知事後援会の経費を使ってホテルで行われていた問題、代表監査委員の公的携帯電話が私的に使われていた問題等々、スキャンダラスな問題ばかりが発覚し、通常の審議をするにはいくら時間があっても足りない状況が続きました。
今は、私はこの5月から商工観光生活環境委員会の委員長を務めていますが、そうした問題もなく、通常の審議をしています。
予算を審議する2月定例会を除き総務警察委員会以外は、3日間で審議を行っています。私の所属する商工観光生活環境委員会は、この3日間の前半を商工部・観光部の審査とし、後半を生活環境部・危機管理局の審議を行っています。
しかし、前半の商工観光委員会、後半の生活環境委員会ともに課題が多く、特に今議会では生活環境委員会では重要な課題が多いのに質疑の時間が不足し、委員の皆さんの多くが「欲求不満」だったのではないかと私は思っています。
というのも、生活環境部では今後県が制定を予定している「廃棄物の適正処理の確保等に関する条例」や「消費生活条例」、危機管理局が策定中の「消防広域化推進計画」等の説明を受けているだけで多く時間が取られ、その分質疑の時間が減ってしまったからです。
しかし、条例の内容や重要な県の施策について県側が丁寧に説明することは当然なことですし、また、議員がこの説明等に対し納得するまで質問出来る委員会運営であることも必要なことです。
この限られた時間の中で、どの様に公平に議員が納得出来る委員会運営を行うかは委員長の裁量と委員の協力が問われます。今回、議員の多くが「欲求不満だったのではないか」と申し上げたのは、実は一人の議員が他の議員に比較して突出して質疑の時間が長かったからです。
委員会の議員の発言時間には制限はありませんが、午前10時30分に開会して、昼食休憩をはさみ、概ね4時か4時30分を目標に私は運営しています。各議員も、その時々の課題や残り時間を考えながら気を使って自ら時間配分をして質疑をしています。ところが、今回は答弁時間も含め一人の議員が一時間6分の質疑をし、後質疑を行っていない残った5人の議員の発言時間を少なからず拘束してしまいました。私も過去には総務委員の時、約一時間30分質疑を行ったことがありましたが、それは残り時間もあり他の議員にも理解を得てのことでした。
ところが今回の場合は、「廃棄物の適正処理の確保等に関する条例」について、前知事は全て正しくて、現知事の行っていることは間違っているという前提に立って、平行線の質疑が続いたのです。委員長としては質疑の内容が委員会の所管事項である以上、出来るだけ保障してあげたいのですが、後5人がまだ発言していないのに議案採決の時間も含め残り約2時間半近くという時、「委員長から○○議員に申し上げます。議員はあなた一人でなく、他にも発言をしていない方がおりますので、まとめて下さい。」と注意しましたが、それでも約5分の時間が経過してしまいました。
実は、こんなこともあろうかと私が委員長になってから議会ごとの各委員の発言時間をシッカリ・チェックしています。(点数は付けていませんが・・・・。)それは、委員会には、その時々の課題や議員の思いもありますので、議会毎の発言時間にバラツキがあってもしかたがないと思いますが、任期中一年間を通しては公平を保ちたいと思っているからです。特に、この委員会には4人の新人議員の方がおり、この皆さんも今は遠慮しながら発言していますが、議会毎に慣れて質疑の時間が増えると思うからです。
このお話しの初めに前知事時代の委員会の状況をお話ししましたが、今の委員会運営を昔に戻そうとしている訳ではありません。むしろ私はあの激しかった総務委員会を教訓として、時の重要な課題について必要があれば時間を早めたり延長しても「集中審議」を行うことも必要であると思っています。
しかし、その場合でも議員の発言というものは全体を見渡して全体の運営に気を使ったモラルが問われるということを考えて欲しいのです。本当は他の議員の質疑を聞いていて委員長の私も一番最後に少しの時間(10分位)を頂いて質疑をしたいのですが・・・・・。