たかはしけいのにっき

理系研究者の日記。

4、高校数学 - モノサトリ、バケマナビ、ナマモノ、チマナビのIntroduction

2009-07-19 04:48:58 | Weblog
 ごめんなさい、まだ、地学は勉強しきれていないので、あとに回して、番外編として、大学で自然科学を理解するのに最低限必要な、高校数学を4番目に持ってきてみました。このシリーズは、いつまで続くのでしょうか…、自分でもわかりません(笑)。

 高校に入って数学が飛躍的にわからなくなったという人は多いと思う。実際、教えてても、高校から、簡単なのならイイんだけど、ちょっと捻られると無理ってなってる生徒は多いです。それは、きちんと自分で手を動かさないといけないのと、大学での意味わかんない数学の一端に触れているからだと思います。
 どーいう風に、数学と向き合っていったら良いのか、というのを僕なりにまとめてみたいと思います。

 まず、計算が全然できない人、中学の数学すらちょこちょこ危ういヤツは、計算を機械的にこなすことを心がけましょう。授業聞いてわかんないなら、ほっぽって授業中に演習しまくるのも手です(僕は中1~高2とそうでした)。これはこー、あれはあー、と言ったふうに、作業みたいにしてやっていくと良いと思います。
 高校数学の教科書とかって、開くと、下に問題、上に例題とかなってるやろー?例題見ながら、解答パクって、そのまんま問題解け。何?発想力や解析力が身に付かない?そんなことより、慣れろ、一刻も早く。大学の先生も言ってた「うーん、って悩んで考えて解けるより、よくわかんないけど自然に解けるほうが、エライ」ってね。
 具体的に言うと、三角方程式なんて、だいたい両辺2乗しときゃー解けるんだよ!文字つきの二次方程式の解の存在範囲の判定基準は、右辺をfとおいて、判別式、軸、f(範囲の値)。もちろん、それらの解法に理論的説明はできる。でも、そんなんは、もっとできるようになってからしろ。まずは、慣れること、解けること、そして、それを楽しむことだ。

 数Ⅲが一番簡単だっていう人は、数学ができる人かもな、って俺は思えてしまう。何故かと言うと、上の作業みたいな対策だけで、入試レベルまである程度こなせてしまうのだ。数Ⅲはとっつきにくいのは確かだが、パターンが多いからな。逆に、数Ⅰの確率や整数論が簡単っていう人は、数学できてねぇなって思う。あの辺の範囲はとっつき易さはピカイチだけど、作業も触りだけで終わっちゃってる感が否めない。
 どこまで行っても、まず、この作業数学ができるようになることが、先。大学で新しい数学が出てきても、俺はまず、計算や問題がスラスラ自然に解けることを目指す。そっから、意味だとか、なんでそういう発想があるのかを学びとれば良い。この作業数学が、数学の中で一番つまんないけど、でも、これを怠って良いほど、甘くはないのだ。

 これをマスターした後、まだ数学の力が志望に対して足りないと考える人、感じる人は、思考力や解析力を養うために、ある良さそうな問題を自分への課題としてみる(自分にとってよさげな問題がわからない人は作業数学が足りません)。んで、慢性的に考える。そうね、最低でも3日間くらい、問題を頭の中に常にひっぱりだせる状態にしておく。いつでも考える。そして、答えをなるべく見ないように、解答までもっていく。そんな勉強法もする。
 また、基礎的な事項について、作業ではなく、深く考えてみる。例えば、案外できない理系がいたりするのだが、∑k^2の公式を導けるだろうか?そんな公式、みーんな覚えている、1/6の~なんとかかんとかになるやつでしょ??うむ、だけど、導ける人は少ない。(k+1)^3-k^3を使えば良いじゃん、って、発想できただろうか?知っていただろうか?そういうことをみみっちいヤツみたいに、いちいち考えてみる。みみっちいヤツが、最後に残るのが、数学なのだ(笑)。

 どんな範囲でも、今までで、この方法で、無理だったところはないな…。っま、少なくとも、高校数学では絶対に。こんなに効率よく数学の学習が進むことは少ないだろうけど、頭だけで思考するんだったら、こんなんかな。これじゃ、あんま面白くないから、必ずしもこれで教えないけどね。作業数学やってても、ある程度は意味も求めるような、知的空腹感は必要だと思います。

 数学科の学生でない俺は、数学はどーしても、ただの便利な道具であるとしか思っていない。だから、数学そのものを学ぶ価値とか意味とか、よくわかんない。けど、思考力は人一倍つくと思う。日常に変換できるスペックを持ってればね。
 理学ですら、あんまり意味を成しているモノとは思えなくなってしまった。空間とは何か?時間とは何なのか?生命とは?物質とは…?そんなことを一番の興味事にしていた頃もあったけど、それより今、俺は、何がヒトの役に立つか、何が応用できるか?、もっと言うと、どうすればこの病いを治せるのか?どうすればこの人を救えるか?というほーに興味を持ってしまった。なんか、そっちのが、本質な気がして。

 そう、数学なんて、量でいえば、8割近くは役に立たないものだと思う。でも、残りの2割にとてつもない価値がある。本当に、とてつもなく、恐ろしいくらい、強力な価値がね。(無駄に見える8割も、これからの自然科学の進展で役に立つ可能性が十分にあることは言うまでもない)
 こんなことを高校生の生徒に言うと嬉しそうだ。「そうか、この人は、今、自分達がやってる数学の無価値さに気がついてくれてる。数学なんて勉強しなくていいよねー?」って顔で。
 ちげーよ、アホが、お前や俺らがやってる数学なんて、役に立つ2割の中の半分にも満たないだろう。ましてや高校数学なんて、基礎中の基礎じゃっ!!それに価値がなくっても、役に立たなくても、一生使わなくても、高校数学はきちんとやっていたほうが、良いと思う。
 そう言うと、残念そうに、演習に戻る。そんな顔を見て不安を抱いた俺が『っま、でも、やっぱ、つまんないよねー』って言うと、またちょこっと嬉しそうな顔をする。
 本当は、俺自身もこの2つの量子状態なことを隠し続けてね。
コメント
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