Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

放蕩宇宙人の帰還

2024年01月21日 | 宇宙人の悲哀
とある和菓子屋の前を通り過ぎる。
いや、通り過ぎようとしたら、なぜか足が止まる。
えらく人が並んでいて、けっこうな人気店のようだ。
大福とかわらび餅、みたらし団子が名物らしい。

へえ、と思いながら見ていたら、
いつの間にか自分の後ろにも人が並んでいたという。
行列は苦手だが「しかたねえな」と呟きながら
そのまま並んでいたという。いや、もう大の大人ですから。
決してにやけながら並んだりしてませんから。

で、名物の大福を買い、
にやけながら、もとい、原稿があるんだという
真剣で深刻な面持ちで仕事場に入ったという。

脱兎のごとくコーヒー(インスタント)を入れ、
思い切って大福を手でむんずと(死語)掴む。
おお。なんという手触りの良さ、
と思いながらいただく。美味なモノは触覚すら支配する。
あんこが甘くない。このつぶあんは
むしろ塩味が利いている。でも知らないうちに上品な甘さが
口のなかに広がったと思ったら、
ものすごい多幸感が体中を駆けめぐったのです。



やっぱり現れましたか。相変わらず目ざといですね。
宇宙人(by岡本太郎)って裕福なんでしょう。
そんなに欲しいんなら、金にモノ言わせて
並んでいるシモジモの者たちを一瞥しながら、
店にある大福ぜーんぶ買い占めちまえばいいじゃないですか。
え。ぜんぶ飲めや歌えやで散財したって。んもお。
誰に似たんでしょう。親の顔が見たいですよ。
あ。親は岡本太郎って言いたいんでしょう。
でも直系の子ってタローマンですよね、
あなたは宇宙人ですし。って泣かなくても。もお。
しっしっ、あっちいって。

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海を見るのなら3月

2024年01月20日 | 日々、徒然に
さ、寒い!
心も。そしてフトコロも。

とお約束のフレーズを吐きまくる土曜日。
雪にならないだけ良かったというか。
でも能登のほうでは、
避難生活を余儀なくされている人たちがいる。
こんな軽口、不謹慎すぎますかね。

能登といえば、
10代の終わりに友人たちと旅行した覚えがある。
季節は春だったかな。大学受験に失敗して、
日本海を見たくなった、というのは大ウソで、
なぜ能登だったのかは忘れた。
当時は名古屋にいたから、
北陸は割と手軽に行ける旅行先だったのだろう。

輪島や七尾、穴水などの地名は
その旅行で覚えたし、
輪島の朝市を歩いた記憶はしっかり残っている。

自分にできることは寄付ぐらいかと思うし、
いま住んでいる東京も
いつ直下型地震が起こるかわからない。
とある人が「この先、災害と戦争がこわい」
と言っていたが、まさにぼんやりした不安(by芥川龍之介)が
充満している世の中をなんとか生きるしかないわけで。

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墜ちていくのも幸せだよと

2024年01月19日 | にやけ男のブルース
年明けからずっと原稿書きで、
残っていた懸案の原稿もゴールが見えてきた。
気がついたら、1月も後半に差し掛かっているではないか。
時の過ぎゆくままにこの身を任せるしかないのだろうか。

書いた原稿がクライアントと
取材した人に割と好評で安堵する。
あとは読者が楽しんでくれれば
申し分ないのだけど、こればかりは何とも。

例によってこの体たらくなので、滅多に褒められることは
ないんだけど、ほんのたまに、数年に1回ぐらい
お褒めの言葉をいただくことがある。
それだけでしばらく頑張れるというか。燃費良すぎな自分。

だが、しかし。
年明け早々、褒められたということは、
このあと2年ぐらいは褒められないのかな。
別に褒められるためにやっているわけではないんだけど、
神様(蒼井優)みたいな人に、
「あんた、なかなか頑張ってるわね」と言われたいです。
あ、いや神様(宮崎あおい)なら、
「あんた、ほんとに駄目ねえ」と言われてもいいです。
いやいや神様(多部未華子)だったら(以下、無限ループ)
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捨て去ったあとの幸福

2024年01月18日 | 映画など
ヴィム・ヴェンダース監督
「PERFECT DAYS」を見る。
思った以上に労働ムービーで、
ファンタジックな観光映画で、
ロックンロールと反復の映画だった。
この映画の役所広司みたいな生き方がしたい、
という人はきっと多いと思うけれど、
自分には絶対無理、としみじみと確信する。


この映画の平山という男の生き方。
確かに理想かもしれない。
いわゆる俗世から隔絶された境遇に身を置き、
課せられた労働を淡々とこなす。
その労働にいくばくかの、いや、かなりの誇りを持ち、
クルマで往年のロックのカセットテープを聞く。
仕事を終わらせ夕方には銭湯に行き、
レトロな居酒屋でチューハイとおつまみ少々。
古本屋で百円均一の文庫本を買い、
眠くなるまで自分のアパートで読みふける。
たまに意中のママがいるバーで少し談笑して飲む。

これ以上超えたらストイックじゃない、
という基準線があるとしたら、
この男の生き方は基準線を越えるか越えないか
ギリギリのところのストイックさというか。
ほんの少しだけ生臭さがあるから、色気がある。
役所広司が演じてるんだから、
それはそれはカッコいい初老の男に見えるんだろうけども。

劇中、役所広司が見る夢の描写が素晴らしい。
なんとかストイックに生きているのに、
どこか悪夢めいているし、これまでの生の後悔や、
それほど遠くない死の予感もある。

東京の街ってこんなに奇麗だったっけ、
と思うぐらいの美しさ。近未来なデザインのトイレを始め、
スカイツリーと隅田川沿岸の風景と昭和な銭湯。
地下鉄浅草駅の風情ある地下商店街などが
定点観測的に映し出される。
同じショットの繰り返しと積み重ねが独特なリズムを生む。

自分がもし外国人だったら、
「日本っていい国だなあ」と勘違いしてしまいそう。
そうか、ヴェンダースはドイツ人だ。
小津が大好きなシネフィルだ。

かつてヴェンダース監督は「パリ、テキサス」で、
あんなに美しい妻のナスターシャ・キンスキーと
可愛い息子を捨て、放浪を選ぶ男を主人公にしていた。
そんなん無理ですよ。あのですね、妻がナタキンですよ。
放浪なんか絶対しません。できません。

同じく、役所広司みたいな生き方はできない。
俗世から逃れることができるほど、メンタルは強くないし、
手短な安心と曖昧な繋がりを求めて、
薄ら笑いをしながら生きている自分を
あらためて見つめ直さざるを得ない映画だったのです。

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墜ちよ、そして生きよ

2024年01月17日 | にやけ男のブルース
朝から自宅でL誌の企画会議をリモートで。
2つほど企画を出して、いろいろと話す。
うまく流れてくれることを願いたい。
参加者のみなさんの企画は
自分からは絶対出ない類のものなので、
参考になるというか。

2時間弱の会議が終わって
やばいやばいと呟きながら電車に乗って仕事場に。

そうなのです。
第四の仕事があまり進んでいないのです。
図書館から借りた、けっこうな数の資料本を机に積み、
さあ一気に書くぞ、と集中力のポーズ(by翔んだカップル)。
だが、しかし。ちいとも進まないのは何故。
焦れば焦るほど書けないのはいつものことで、
どうしたものかと思っていたら、
ここはどこだ私は誰と中古レコ屋のエサ箱を漁り、
うひょひょとにやけている男は地獄に墜ちるんでしょうか。

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それからの邪悪 le mal depuis

2024年01月16日 | 邪悪なT君
うひょひょひょひょひょひょ。

あれ〜どうしたんですか〜。
反応がないですよ〜もしかして
先に桃源郷に行っちゃったんですか〜。

脳味噌が豆腐とかなんとか言ってるから、
てっきりペヤングのアレの話ができると思ったんですけどね〜。
麻婆の焼きそばなんですから、
具は豆腐に決まってるじゃないですか〜。
お湯でいい感じにふやけた豆腐が、スパイシーな
麻婆ソースとからまって、桃源郷ですよ〜うひょひょ。

あれ〜戻ってきませんね〜。
ずっと桃源郷に行ったままですか〜。
そっちの具は豆腐ですよね〜もし豆腐じゃなかったら
いつでもこの頭をかち割って、脳味噌を具にしてくださいね〜。
ただしお湯を入れて3分以内ですから〜。

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邪悪のひたむきな12か月

2024年01月15日 | 邪悪なT君
それにしても、
3つの仕事が全部、締切が今日だったのは何故。
仕事が重なるのはいつものことだけれど、
同じ日が締切になるとは、しかも3つも。

それでも、3つも仕事が一気に終わるんだから、
さぞかし楽になるんじゃないの、と言う貴方、
人生はそんなに甘くないんです。

実は第4の仕事というものがありまして、
それも1月15日が締切だったんですが、
少し延ばしてもらっていたんです。
なので、3つ終わった途端、ふっと後ろを見たら、
第4のアレが、世にも恐ろしい影が、
そうっと忍び寄っていたのです。

でも。脳味噌はもう死滅しておりましてですね。
打てど響けど、まったく可動しないんですよ。
この頭に入っているのは、
いわば脳味噌という名の豆腐みたいなモンです
だからといって、冷や奴にも湯豆腐にも
ならない役立たずだったという。


うひょひょひょひょひょひょひょひょひょ。


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生産性の悩み、アレコレの誘惑

2024年01月14日 | やさぐれ男のつぶやき
生産性について
アレコレと考えているんですが、
そもそも自分の生産性が疑問というか。
つまり、原稿がなかなか書けないということなんですけど。

ハムカツも麦のアレも
とりあえず自粛して書く。
指さえ動かしていれば、タイピングさえしていれば
そのうち書けるはずだ。
だって今までそうだったんだから、
と思っていたら、書けた。良かった。

さてハムカツと麦のアレじゃ。うひょひょ。
と思ったら、すでに夜の11時過ぎ。
そんな邪悪なモノを食したら胃と傷に障るではないか。
喰うものか。絶対。呑むものか。絶対。
世の中に絶対などない、と言う輩は誰。

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生産性と言われても

2024年01月12日 | 日々、徒然に
先に書いた「客観性の落とし穴」に
いたく共感しているわけだけれど、
今朝の朝日新聞の朝刊で、
映像作家の中村佑子さんによる「ケアを真ん中に」
という寄稿文がこれまた響くというか。
以下、引用。「客観性〜」のことは追って書きます。

ところで揺れたり変化したりする自己とは、悪いことなのだろうか。いま社会は資本主義の功利性を高度に行き渡らせ、昨日も今日も変わらない確固とした自己が基本単位とされている。未来にわたって同じ心身の状態が続くことを他者に保障してはじめて、不動産も株も金融商品も取引される。しかし幼児や病者といった相対的に弱い立場の人々と一緒にいると、そんな自己とは、たかが健康な生産年齢の限定的な時代、生産性を社会の中心に置きすぎた人間の虚構にすぎないと思えてくる。(朝日新聞1月11日朝刊より)

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ハムカツがエビデンスを凌駕した日

2024年01月11日 | 読んでいろいろ思うところが
村上靖彦「客観性の落とし穴」
(ちくまプリマー新書)を読む。
仕事に追われていても、満員電車の中でも、
眠くて仕方がなくても、ハムカツにうつつを抜かしても、
やめられずに一気読み。


「先生の言ってることに客観的な妥当性はあるのですか?」
著者は教え子にそう問いかけられたことから、
客観性とか数値とかエビデンスへの信仰が強い
今の世の中に異を唱えている。

確かに「エビデンス」を問われることが
仕事をしていてもときおりあるし、
客観性を追求すればするほど、息苦しくなるのは、
すべてを数値に置き換え、あるところから
「ここから上は善で、下は悪」という価値観が
まかり通っているからだと想像するのはたやすい。

著者は社会学や人間科学の専門家で
おもに質的研究をおこなってきた研究者だ。
どうしたって人間は「白か黒か」「ゼロか百か」
で分けられるものではなく、
ものすごく細かいグラデーションのなかに
混沌として存在しているわけで。
いくつか紹介されている質的研究の実例から、
人の経験の生々しさが浮かび上がってきて、息を呑む。

うつ病で薬物依存だった母親を持つ少年の語りから、
自分の置かれたかつての境遇について、
「それが普通だった」と述懐しながらも、
「今思うと普通じゃなかった」と認知し、
さらに「でも世間一般で言う普通って何だろう」
と「普通」の概念について自問自答する。
ついに「母親に育てられて良かったと思う」
と断言する少年の言葉は支離滅裂だが感動的だ。

著者はこの少年のような
経験の生々しさをすくい上げることによって、
客観性は大事だが、もうすこし曖昧にグレーに
物事をとらえ、それをちゃんと受け止める大切さを説く。

「数字で示してもらえますか」
「エビデンスはあるんですか」
「それって個人の感想ですよね」

そんな言い方に惑わされるのではなく、
大切なことを忘れてませんか、という本。
ハムカツを嬉々として食しながらも、
成人病になったらどうしよう、
と戦々恐々とする輩(自分、だ)がいても
人間らしくていいじゃないですか。ダメですか。


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