Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

書店で怪現象

2009年05月31日 | 日々、徒然に
新宿の紀伊国屋書店の前を歩いていたら、
村上春樹の新刊「1Q84」が山と積まれていて、
それがまた飛ぶように売れているのを目の当たりにする。

確かに国民的作家の新刊だし、売れるのはわかる。
しかし、ちょっと異常ではないかと思う。
書店に入る人すべてが、この新刊を買っているような状況は変だ。

そんなにみんな、村上春樹が好きなのだろうか。
前作の「アフターダーク」とか、
その前の「海辺のカフカ」とか今回のような売れ方だったっけ?
「ノルウェイの森」だって、最初の売れ方はおとなしいものだったと記憶している。

新刊の内容はよく知らないが、新興宗教を題材にしているらしい。
誰もがオウム真理教を思い浮かべるだろうが、
そんなにみんなの興味を引くのだろうか。
一極集中というか、売れるものだけ爆発的に売れる時代だと言われるが
この現象はやっぱり変、だ。

というわけで、書店に行っても買えないので、
落ち着いたら読もうかと。
昔からの村上春樹ファンはドン引きだと思う、たぶん。
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ノンフィクションの快楽 その2

2009年05月30日 | 読んでいろいろ思うところが
なんだか書いていて楽しかったので、
好きなノンフィクションをもう10冊挙げてみます。

11 文人悪食(嵐山光三郎)
12 さる業界の人々(南伸坊)
13 恨ミシュラン(神足裕司・西原理恵子)
14 心臓を貫かれて(マイケル・ギルモア)
15 「生きる」という権利(安田好弘)
16 非国民のすすめ(斉藤貴男)
17 物乞う仏陀(石井光太)
18 死刑(森達也)
19 北のサラムたち(石丸次郎)
20 怪獣使いと少年(切通理作)

漱石や鴎外、啄木や谷崎など、文豪の食い意地が可愛らしい11 。
エロ本作りにいそしむ編集者のチャーミングな言動に笑う12。
権威のあるものを斬りまくるサイバラに溜飲が下がった13。
家族のあいだの愛憎がやるせなさを膨らませる14。
麻原彰晃の主任弁護人が、法を守ることの意味を問う15。
国家に搾取され続ける日本人を鼓舞する16。
物乞いの少女に恋をする著者のまっすぐな気持ちに打たれる17。
死刑を考えることは、日本という国を考えることだと気づく18。
北朝鮮の家族が亡命するまでのサスペンスに熱中した19。
怪獣はアイデンティティーの問題をはらんでいたことがわかる20。

これまたお勧めの10冊です。
また読み直したくなりました。



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眼力(めぢから)は大切とな

2009年05月29日 | 映画など
君塚良一監督『誰も守ってくれない』を見る。
犯罪加害者の家族を襲う、突然の災厄。
犯人の妹と、彼女を守る役目を負った刑事の物語。
日本の社会って、こんなにも不寛容なのか、というやるせなさと、
それでも人は生きていくのだ、という前向きなメッセージが見て取れる。

誰も守ってくれない(2009)

犯罪者の家族も同罪だ。
未成年だからといって許せるわけないだろう。
犯人と一緒に死刑になっちまえ。
??こうした言葉がネット上で飛び交う場面に戦慄する。

犯人の写真、1万円で買いますよ。
??とふれ回るマスコミに嫌悪感を抱く。

誰が見ても明らかな悪人が登場したときに、
わっと群がる、人々の本音と悪意。
もし、僕やあなたの家族が殺人をおかしたら、
こうした災厄に襲われることになるわけで、
果たしてこんな重圧に耐えることができるだろうか。

そうしたとてつもないプレッシャーを抱えるのが、
志田未来演じる15歳の女子中学生だ。
殺人鬼の妹、という好奇と偏見の目にさらされるのだが、
この少女はじっと、耐える。

彼女をマスコミから守るのが、佐藤浩市演じる刑事。
かつて、ヤク中の容疑者を捜査中、捜査のミスにより、
近くにいた子供を死なせてしまった過去を持つ。
そんなトラウマを抱えた刑事に、殺人犯の妹を守るという任務が下る。

過去に苛まれている刑事が、
少女を守ることで、癒されていき、
守られる少女もまた、生きる勇気を刑事から受け取る。

志田未来の眼力(めぢから)。
それだけでこの映画を引っ張っていると言ってもいいぐらいの強さがある。
佐藤浩市の、逞しさと脆さが同居した刑事像も出色。
同僚の刑事を演じた松田龍平の、飄々とした感じも捨て難いし、
柳葉敏郎や佐々木蔵之介などの脇を固める俳優さんたちも、
さぞかし演じがいがあったと想像するほどの好演。






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芽は出るのではなく、出す

2009年05月28日 | 日々、徒然に
雨脚が強い中、虎ノ門まで営業に。
自分たちができることを、いろいろと説明したり提案したり。
この春から断続的に続けている営業だが、
思いがけないところから、芽が出ることがあり、
やはり行動を起こさないと何も起こらないということを痛感。
これは自分に言い聞かせる意味もあるのだが、
営業はすればするほど、効果があると思う。絶対。
もちろん、営業アプローチの仕方は工夫を凝らさないといけないけども。
あと大事なのは「本気度」ではないかと。

来週は2件取材があるので、
資料本などを読み込んでおかないと。
夏に出る2冊の本の進行もあるので、
やさぐれている場合ではない。




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ノンフィクションの快楽

2009年05月27日 | 読んでいろいろ思うところが
講談社より「ノンフィクションと現代」というムックが出た。
先頃休刊した「月刊現代」の増刊のような形。
画期的だと思うのは、佐野眞一、佐藤優、重松清、魚住昭といった、
名うての書き手たちが、名作ノンフィクションだと思うものを
それぞれ、100冊を紹介・解説しているところだ。
恰好のノンフィクション・ガイドとして重宝すること必至。

100冊なんて、とても無理だが、
順不同で好きなノンフィクションを挙げると??。

01 テロルの決算(沢木耕太郎)
02 自動車絶望工場(鎌田慧)
03 AV女優(永沢光雄)
04 こんな夜更けにバナナかよ(渡辺一史)
05 定本・美空ひばり(竹中労)
06 世界屠畜紀行(内澤旬子)
07 ドキュメント「ラブ&ポップ」(吉原有希)
08 死刑囚・永山則夫(佐木隆三)
09 天才伝説横山やすし(小林信彦)
10 女という病(中村うさぎ)

カッコ良くて、構成が素晴らしすぎる01。働く意味が問われる02。
女の子の気持ちにこれほど迫ったものは他にないと思わせる03。
ボランティアの意味をとことん突き詰める05。
芸能の本とはこういうものだと、惚れ惚れする読み物の05。
タブーに軽やかに斬りこんだ06。映画のメイキングとしては出色の07。
殺人犯の動向を冷静に追った08。天才芸人の哀しさに迫った09。
女の業の深さを、身が切れるほど見つめた10。

この10冊は読んで損はないというか。
ノンフィクションって面白いです。ほんと。

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涙がこぼれないように

2009年05月27日 | 無意味な考察
今日は、夏に作る冊子の打ち合わせで九段下まで。
7月の初旬には形にしなければならず、
実質1か月で終わらせなければならない仕事だ。
地道にコツコツとやっていけば何とかなる仕事なので、
淡々と進めていきたいと思う。

淡々、という言葉は好きだ。
テンションが上がったり下がったりすることなく、
やらなければならないことを一歩ずつやっていく。
そうすればきっと道は開けるのでは。
…って、別に道が開けてないわけではないのだが。

帰りは予定調和というかなんというか、いつものT酒場に突入。
やさぐれた会話が続くなか、
もし国歌が「君が代」でなくなったら、何になるかとか、
千円札の顔を「野口英世」から別の人にするなら、誰か、とか。
そんな話になる。

ちなみに、国歌は「上を向いて歩こう」。
新千円札の顔は「手塚治虫」になると思うのだが、いかがだろうか。



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10年後の愉しみ

2009年05月25日 | 日々、徒然に
仕事場にて夏に出るムックの打ち合わせ。
なかなかスリリングな取材ができそうで、
緊張しつつも、楽しんで仕事ができれば、と。

夕方から武蔵境でライターのMさんと取材。
取材相手の方とは、ほぼ10年ぶりにお会いする。
「じゃあ、また10年後に会いましょう」と言われる。
そうなると、お互い絶対に楽しいだろうな、と思ったりする。



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厳かで優しくて

2009年05月24日 | たまには音楽でも
フリート・フォクシーズ『フリート・フォクシーズ』を聞く。
シアトル出身で、平均年齢23歳という若いバンドだが、
優しげなメロディラインと、綺麗なコーラスの完成度は恐ろしいほど。
サイモン&ガーファンクルとビーチ・ボーイズ、
それにゾンビーズとニール・ヤングとバーズを足して
5で割ったような感じと言ったら伝わるだろうか。

Fleet Foxes "Fleet Foxes"

これは彼らのデビューアルバムで、
日本版には、それより先に発表されたEPの
「サン・ジャイアント」もカップリングされている。
ボーナストラックも含め、全17曲で2,205円。お得だと思う。

歌詞はどこか幻想的で、民話のような物語性があり、
06 HE DOESN'T KNOW WHY
08 YOUR PROTECTOR
15 MYKONOS

といった曲群の歌い上げる感じも心地良い。
たとえばホワイト・ストライプスといった、
ノイジーでやさぐれたバンドこそ、ロックだと言いたい気持ちもあるのだが、
心が安らかになるロックというものがあるわけで、
これは新しい、と思った次第。海外はもちろん日本でも火がついているようだし。

ということで、「MYKONOS」のPVを張っておきます。
アニメーションも可愛いです。

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焼きそばと新宿の夜

2009年05月23日 | 呑んだり喰ったり
懇意にしているS社のTさんが転職とのことで、
Y嬢と邪悪なT君と共に、新宿にて「お疲れ様です」会を開く。
鍋がいいな~、というTさんのリクエストに応えて、
暑い時期でも大丈夫な、もつ鍋系のお店で呑む。
業界のいろんな話を聞いて、驚愕したり大笑いしたり。

邪悪なT君は、当然のごとく焼きそばをオーダーし、
「うひょひょ。もつ鍋屋だと、どうもしっくりきませんね~」
と言いながらも、しっかり完食。

まともな焼きそばは彼の舌に合わないのだろう。
やはり焼いてはいけないのだ。お湯でふやかしたアレに
ソースを和えたアレでなければいけないのだ。
とかいっているうちに、更けていく新宿の夜。


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築地で背徳的な

2009年05月21日 | ささやかな幸せ
今日はO君と築地方面に打ち合わせに行く。
築地市場のすぐ近くだったので、
打ち合わせの前に市場の食堂で昼食。
初がつおの刺身定食(1400円)をいただく。

かつおが美味なのは言うまでもなく、
ふっくらと炊きあがったご飯。
だしの効いた風味たっぷりの味噌汁。
あっさりと漬けた胡瓜、茄子、カブのお新香。
甘すぎず、ちゃんとゴボウと人参の味がするきんぴら。
ほぼ完璧とも言える定食をうまいうまいと言いながら食する。

実は二日前に、
さくら水産のランチでかつお定食(500円)を食べたのだが、
似て非なるもの、というか、
決してさくら水産が悪いという意味ではないのだが、
魚というものは、同じ種類でこれほど差があるものかと。

以前、林家木久扇師匠に取材をさせていただいたとき、
芸人は、美味いものの味を知らなくてはいけないんです。
最高のものを味わっておかないと、芸が下品になります、と師匠。

僕は芸人ではないのだが、
ずっと水準以下のものばかり喰っていると、
確かに人間が卑しくなる気がしないでもない。
ランチに千円以上かけたら絶対バチが当たると思っていたが、
たまの贅沢、お許しを。





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