うひょひょひょひょひょひょ。
ぐっ。とっくの昔に死に絶えたと思ったのに。
念のため、部屋の隅とか台所の奥とか洗濯機の下とか、
水回りのじめじめしたところには、
駆除剤の入った撃退カプセルを設置していたのに。
ちょっと暖かくなったと思ったら出現するとは、
なんという生命力なのだ、邪悪なT君よ。
「人のことをアレみたいに言わないでくださいよ〜。
駆除剤なんてヤワなもん、どうってことないですから〜。
それにしても、エースコックがやらかしちゃいましたね〜」
やらかした、って、
いったいコレは何なのだ。。
「ほら、ハンバーグを食すとき、下に敷いてある
スパゲッティみたいなアレがあるじゃないですか〜。
アレの人気が微妙に高まってきたんだと思いますよ〜」
そんなものが焼きそばになったのか。
じゃあ、ハンバーグも入っているわけだ。
「そんなの入ってるわけないじゃないですか〜。
パッケージにあるのはあくまでイメージですよ〜
幻想まやかしの世界ですから〜」
じゃあそのスパゲッティだけだというのか。
そんなもの誰が食すというのだ。
「あれ〜自分を偽っちゃいけませんね〜。
主役(ハンバーグ)不在の中途半端で、
具もほとんどなく、日陰者の極みのアレを
思う存分食せるなんて、桃源郷の極みじゃないですか〜」
どこが桃源郷だ。
貴様の頭のなかがそうなってるだけだろう。
と叫び、隠し持っていたチェーンソウで
奴の体を八つ裂きにし、肉片を手動のミキサーでミンチに。
そこに塩コショウ、タマネギのみじん切り
つなぎに卵とパン粉を入れ、小判型にかためて、
熱したフライパンでじゅっと焼く。片面5分ずつで計10分。
それをこのスパゲッティのアレの上に乗せる。
「うひょ〜やっぱりスパゲッティの上に乗ると最高ですね〜
下敷きのスパゲッティあってのハンバーグっていうのが
よくわかるんじゃないですかね〜うひょひょひょ」
邪悪なT君はそう高笑いをし、
スパゲッティの上に鎮座するのでした。
奴のミンチから作られたハンバーグは20個ほど。
つまりはこのカップ焼きそばも
20個用意する必要があり
お湯を沸かすだけで地獄の様相。