Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

78歳の気骨

2009年04月29日 | 映画など
クリント・イーストウッド監督『グラン・トリノ』を見る。
『チェンジリング』に続き、
イーストウッドの新作を短期間に続けて見る幸せを噛みしめる。
孤高のアクションスター・イーストウッドの集大成というか。
78歳でこんな映画を作って、しかも主役で、
本国アメリカで自身最大のヒット。こんな映画人ほかにいない。


GrandTorino(2008)

イーストウッド演じるウォルトは、怒っている。
妻の葬儀にヘソ出しルックで現れた孫娘に怒り、
アメリカ人のくせにトヨタのクルマのセールスをしている息子に怒り、
隣の家にアジア人一家が越してきたのにも怒る。

俺は朝鮮戦争でアメリカのために戦ってきたのに、
帰還したあとはフォードの修理工として、一所懸命やってきたのに、
なんでこんなに不景気なんだ、なんで町はこんなに寂れているんだ。
町は見慣れぬ黒人やアジアのチンピラが跋扈している。
いったいこの国はどうなっちまったんだ、と。

そこに現れた隣人のアジア人(モン族)の家族。
気の弱い青年タオとその姉スーとの交流を通して、
偏見で凝り固まったウォルトの心がだんだん柔らかくなってくる。

実の息子や孫とは反りが合わないのに、
近くにいるモン族の姉弟といる方が楽しい。

イーストウッドの映画はいつもそうだ。
旅の途中で知り合った人たちと、
いつのまにか共に行動するようになるガンマンとか
重要参考人の女を裁判所まで護送するうちに、
恋に落ちる刑事といった役を演じてきた。

血の繋がった者より、
近くにいる仲間や道連れを大切にして、
時には命を賭して守ろうとする。

この映画のウォルトもそうした役柄の延長線上にある。
自分が決めたルールで、大切な人を守るために戦う。
これがアクションスター・イーストウッドの面目躍如であり、
78歳になった今も、しっかりと体現しているところの凄さ。

映画史上最高齢のアクションヒーロー。
こんな映画は滅多にお目にかかれない。

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まだまだ話題が

2009年04月29日 | 日々、徒然に
地デジカ君の勢いはとどまるところを知らない。



鳩山総務大臣との最強のツーショット。
地デジカ君、でかいな。それとも大臣が小さいのか。



イラスト化された地デジカ君。
ちょっと可愛いが騙されてはいけない。

ああだこうだと騒いでいると、
結局地デジカ君の宣伝になりそうなので、
そういう意味で、総務省や民放連の術中にはまっている気が。
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話題はつづくわけで

2009年04月27日 | 日々、徒然に
草なぎ君に代わる地デジの新キャラに、
地デジカ君が登場。
鳩山総務大臣の談話が面白すぎる。
もっとまともな代理店とかデザイナーはいないのか。
キャラクター大国・日本よ、頑張れ。
みうらじゅん大喜び、という感じですな。
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つまらない大人にはなりたくない

2009年04月26日 | 日々、徒然に
波紋を呼んでいる
草なぎ君の逮捕劇だが、
怒り心頭だった鳩山大臣が、次の日にあっさりと撤回した図は、
なんだかなあ、という感じ。
言ったことの責任、という意識はないんでしょうな。
SMAPがどれくらい国民的な人気があるのかを
知らなかったと思われ、予想外の反発に腰砕けになった模様。
反発をものともせず、「最低の人間だから最低と言ったんだ」
ぐらいのことは言ってほしかった。
弁解とか弁明って見苦しいです。ほんと。

つまらない大人にはなりたくない。

と佐野元春が歌っていたではないか。
鳩山大臣、今からでもいいから
カラオケで「ガラスのジェネレーション」を練習しましょう。

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憎みきれないピュアな奴

2009年04月25日 | 映画など
ダニー・ボイル監督『スラムドッグ$ミリオネア』を見る。
インドのスラム出身の青年が
クイズ番組で億万長者を目指す姿を軽快なテンポで見せる。
去年の『ノーカントリー』といい、
妙な映画を作品賞にする最近のアカデミー賞だが、
これは、イギリスの監督がインドを題材にした観光映画であり、
妙な映画が選ばれたものだな、と思う。


Slumdog Millionaire(2008)

観光映画というと聞こえが悪いが、
親を亡くした幼い兄弟が、ストリートチルドレンとなり、
ヤクザに拘束されて、物乞いをするくだりや
劣悪な環境のスラム街と、経済発展するムンバイの町並みとの対比は、
きっと今のインドを表していると思われ、
そういう意味ですぐれた観光映画である。

主人公の青年は、
ひょんなことからテレビの人気クイズ番組に出る。
日本でもみのもんたがやっている
「ファイナルアンサー?」っていうのと同じアレで、
四択のクイズを正解し続けると、大金が手に入る仕組みだ。

その番組で主人公は、
それまでの苦難に満ちた人生経験をもとに、
クイズを次々と解いていく。
いくら波瀾万丈の人生を送ってきたからといって、
そんなに簡単に解けるものなのか?
という疑問を持つヒマもなく、テンポよく映画は流れていく。

主人公はまた、
ラティカという同じ境遇の少女のことをずっと思い続けており、
いまはマフィアの情婦になっている彼女を救い出そうとする。
とことんピュアであり、その行動はまっすぐだ。
いくらなんでも純粋すぎないか? 
という疑問を持つヒマもなく、テンポよく映画は流れていく。

インドの厳しい現実も、
クイズを回答していく臨場感も、
主人公のピュアな思いも、
設定はダークだが、希望に満ちたクライマックスまで、
一気に突っ走る。大した疑問も抱かせず。

それでいいのか、と少しだけ思う。
でもきっといいんだろうな、観光映画だし。
アカデミー賞だからといって、あまり高尚なものを求めないほうがいい。
これはただのエンタテイメント(褒め言葉)です。

ちなみに、ラストはネタバレになるので書かないが、
個人的に大好きなシーンが。だから憎めないというか。

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勇気をもらって

2009年04月24日 | 日々、徒然に
巨人VS中日4戦目。
延長の末、我がドラゴンズはようやくジャイアンツに今季初勝利。
立浪選手の同点弾には感動。
聞くところによると、22年連続本塁打になるらしく、
王選手などともに、歴代4位タイの記録ということだ。
長く続けること自体、才能だと思うので、
立浪選手の偉業をたたえるべきでしょう。

今年はまだ一度もドラゴンズの応援に行っていない。
行かないと。応援しないと。



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リトルマガジン偏愛

2009年04月23日 | 日々、徒然に
資料探しで、新宿の書店をまわる。
まずは南口にあるコクーンタワーの地下にあるブックファーストへ。
書店好きにはやたらに評判がいい店舗である。
初めて行ったのだが、なるほど、店内のレイアウトも面白いし、
雑誌コーナーがなかなかマニアックで興味深い。

「広告批評」の最終号が出ていたのもあって、
バックナンバーが置いてあった。
横尾忠則が装幀を手がけている時代の号が、異様なほどの迫力。

お目当ての本がなかったので、
東口に移動して、いつものジュンク堂に。
欲しい本が容易に見つかる。これでなんとかなりそう。

「広告批評」で思い出したが、
この雑誌のようなA5判型の雑誌を「リトルマガジン」と
呼ぶことがあるのだが、最近すっかりこの手の雑誌に元気がない。
まあ、リトルマガジンでなくても、
雑誌は軒並みつぶれているのだが。

「フリースタイル」というリトルマガジンがある。
2005年の創刊時はA5だったのだが、
一時期、判型がB5ぐらいになっていて、
以後、興味をなくして買わなくなってしまっていた。

それがまた最近A5に戻ったので、
なんだか嬉しくなって買ってしまう。
小西康陽やとり・みき、
和田誠や山田宏一の連載を楽しむ。
ポップカルチャー誌はこれくらいの大きさが、いい。



まったくの偏見だが、雑誌はA5に限る。
今は亡き「噂の真相」や「話の特集」「ダ・カーポ」もA5。
もちろん「本の雑誌」や「酒とつまみ」、
「クイックジャパン」「レコードコレクターズ」もそう。
手に持つのにちょうどいい大きさだし、
ビジュアルを見せるのにも、文章を読ませるにも適したサイズだと思う。
こういう雑誌を作りたい、というか、作ってるけど、
なかなか満足できるものができないなと、逡巡している状態。




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お元気ですか幸せですか、と

2009年04月23日 | 日々、徒然に
「ひどい世の中になったねえ」
Yさんは生ビールのジョッキを傾けながら、そう呟いた。

タレントの清水由貴子さんの自殺のことだ、
車椅子の母親を連れて、父親の墓の前で命を絶つとは。
死に方がものすごく劇場型というか、
当てつけでしょう、これは。

介護疲れが原因という報道があるようだが、
彼女に救いの手は差しのべられなかったのだろうか。
介護が必要な親の目の前で、子供が死ぬ。
そんな事件が起こる日本という国。

「みんなで寄ってたかって、
 そんな世の中にしてしまったんだよな」とYさん。

さぞかし辛かったに違いない。
悩みに悩んだ末の結果だと思う。

アイドル時代の清水由貴子さん、ちょっとファンでした。
欽ちゃんの番組に出ていた頃もよく見ていました。
そんなあなたをYouTubeでいつでも見られる時代になりました。

「こんな国にするために、
 俺たちは頑張って来たんじゃないのに」
そうYさんはため息をつく。
相づちを打つ僕は、ただビールを飲むだけでした。




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哀しくてやがておかしく

2009年04月20日 | 映画など
小津安二郎監督『早春』を見る。
『東京物語』と『東京暮色』の間に撮られた本作は、
小津の中でも地味で、あまり語られていない作品だが、
切なさの中に滲み出てくるユーモアに酔いしれる2時間20分。


早春(1956)

丸ビルの会社に勤めるサラリーマン・杉山(池部良)が、
同僚のOL・千代(岸恵子)といい仲になってしまう。
ふたりの関係を疑う杉山の妻・昌子(淡島千景)。
この三角関係を軸に、杉山が働く会社の同僚たちや
昌子の母親(浦辺粂子)とのやりとりなど、
さまざまな人間模様が描かれる。

あくまで物語は淡々と進み、
登場人物たちは、心の内側にある葛藤や嫉妬、
哀しみや欲望などを押し込めたまま、
不倫をしたり、ハイキングに行ったり、
うどんを食べたり、葬式に出たりする。

人間、本当に悲しいときは、笑うんです。

小津は、役者に演技をつけるときには、
こういう言葉をかけたらしい。
実際、本作でも杉山の同僚が死ぬエピソードがあるのだが、
訃報を聞いても、彼は大して動じず、
そうか、死んだか。と呟くだけである。

浮気をしてしまう主人公の杉山は、
妻に気兼ねをしながらも、
千代に翻弄されてしまう優柔不断さが、
妙なおかしみを醸し出す。

人間の行動というものを、端から見ていると、
どうも滑稽に見えてしまうことがあるのだが、
小津の映画は、どれを見てもそんな感じがある。

味わい深いというか。何度でも見たくなる。
5年後ぐらいにまた見たいものだ。





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イタリアンと味噌汁

2009年04月19日 | 日々、徒然に
鰆と書いてサワラと呼ぶ。
今日はそのサワラの切り身に塩を振って水分を抜き、
そのあとにバジルと黒コショウをまぶして、しばらく置く。
フライパンにオリーブオイルと少量のニンニクを入れ、
パン粉をつけたサワラをじゅっと焼き、
付け合わせのポテトとニンジンと共にいただく。
いかにもイタリアンな料理だが、
スパイシーで驚くほど美味。

ご飯と味噌汁と一緒にいただいたのだが、
ネットでレシピを見ると、
パスタの具にしたほうが美味いらしい。
あと、味噌汁ではなく、オニオンスープとかにしたほうが、
より雰囲気がでるのだろうけど、
個人的には味噌汁はどんな料理にも合うと思っているので、
まあまあ充実した夕食になったのでは、と。


サワラです。スズキ目サバ科の魚だそうな。白いけど赤身魚の仲間です。


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