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Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

つぶあん思慕

2019年12月31日 | 日々、徒然に

大晦日とな。

さすがに今日は仕事はやめて、吉祥寺あたりをゆるゆると。

とは言っても行くところは限られていて、

パルコの地下にあるアップリンクで

なぜそんなモノを、と自分でも突っ込みを

入れたくなるようなそれはそれはやさぐれた映画を見る。

 

どんよりしながら映画館を出て、

地下1階の催事場でやっていた古本市をのぞいてみたら、

読みたかった本が600円で出ていたので、

近くにあった300円の文庫本と一緒に買う。

 

 

そのあとHMVとユニオンで中古レコを物色。

探していたレコが2650円で出ていて色めき立つが、

さんざん悩んだ末に断念。

ご縁があればもっと安価なモノと巡り会うだろう

と願いつつ、ハモニカ横丁でたい焼きを買って帰宅。

 

今年もいろんなコトがありましたが、

来年もきっといろんなコトがあるでしょう。

とにもかくにも、来年もなんとかサバイブしていかないと。

ということで、しばしの間

麦のアレとか米のソレなどに耽溺します。

おつかれさまでした。よいお年をお迎えください。

 

追記

たい焼き、当然つぶあんだと思っていたら、

中味はチョコでした。でもまあこれはこれ、で。

 

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スラップスティックな静けさ

2019年12月30日 | 映画など

周防正行監督「カツベン!」を見る。

みんなSWとか寅さん見てるのかな。

でもコレですよ、コレ。

かつて映画が活動写真と呼ばれた時代に咲いた

活動弁士のお馬鹿な活躍を豪華キャストで描いた

素晴らしきエンタテイメントなのです。

 

 

ええと。活弁とは活動弁士のことで、

活動弁士とは活動写真の弁士のことで、

活動写真っていうのは昔の映画の呼び方のことで、

弁士っていうのは、講演や演説をする人のことで、

とりわけ昔の映画には音がなく、

上映中に映画のスジ(物語や内容)を説明したり、

声色を使って登場人物の声をあてたりした人のことで、

当時の花形とも言える職業で、それはそれはモテたらしい、

って、やっぱり説明が大変ですな。活弁。

 

そうした前知識って

この映画を見るときは、やっぱり必要なんだろうけど、

逆にそれくらいの知識があれば、

無類に面白い本作を存分に楽しめると思う。

 

駆け出しの活動弁士で、

泥棒一味の片棒を担いでいたことのある主人公。

ちゃんとした弁士になりたくて、

憧れの弁士がいる劇場(こや)に住み込んだことから起こるドタバタ。

この劇場に入れかわり立ち替わり

やってくる登場人物にいちいちクセがあって

見ていて飽きないというか。

 

飲んだくれの弁士で、大して役に立たないけど、

ときおり真実のような言葉を吐く永瀬正敏や

やたらに腰が低くて小心者の館主の竹中直人、

ニセ弁士を追う活動写真好きの刑事の竹野内豊、

ライバル館の悪人館主の小日向文世と、

その令嬢で小悪魔的オーラを発散する井上真央など、

キャラづくりの的確さと俳優の出し入れの見事なところは、

よくできた舞台劇を見ているよう。

 

舞台劇とはいうけど、決して演劇的ではなく、

スラップスティックな追っかけなどのテンポも良い。

チャップリンやキートンなどの例を出すまでもなく、

無声映画は喜劇に限る、という思いが伝わってくるような躍動感。

劇場に映し出される無声映画は新たに撮ったものだろうけど、

チャンバラからメロドラマなど多岐にわたっていて

細部までちゃんと作られていることがわかる。

 

そして池松壮亮演じる映画監督。

どうやら二川文太郎監督をモデルにしているらしく、

彼が監督したバンツマ(阪東妻三郎)の無声映画時代の代表作で

剣戟映画の最高峰と言われる「雄呂血」が

エンドタイトルで流れるところなど、

無声映画、そして映画史への目配せと

リスペクトが感じられるのも好感度大。

 

賑やかな映画なのに、

どこかシーンとした感じ。静けさが感じられるのは、

周防監督の資質なんだろうか。この監督の映画を見ると

いつもそう思う。思わずスクリーンを

じっと見つめたくなるような静けさというか間(ま)。

そういう意味では無声映画をじっと見つめるような映画を

周防監督が撮ったのは必然だったのかもしれない。

 

主人公を演じた成田稜。

巻き込まれ型かつ受けの芝居が上手だなあ。

かと思えば、活弁の場面では一転、堂々たる語りを披露して、

この人、ただのイケメンじゃない。

「愛がなんだ」「さよならくちびる」に続き、

成田稜の時代がやってくるかもしれないと思ったりする。

ヒロイン役の黒島結菜の初々しさもいい感じで、

フレッシュな二人を曲者揃いのキャストで囲うという

理想的な座組だと思う。

 

俳優陣で特筆すべきは、

楽士の一人を演じた徳井優。かなりの儲け役で

場面を笑いでかっさらう脇役ぶりに

思わず喝采してしまいました。

徳井さんの代表作として記憶にとどめておきたい。

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誇り高く生きよう

2019年12月29日 | たまには音楽でも

忌野清志郎「夢助」を聞く。

このCDが出たのが2006年。

発売から13年経って初めて聞く。驚いた。実にいい。

 

 

なんという前向きさと明るさ。

おそらくがんであることはわかっていたんだと思うけど、

その頃の録音とは思えない力のあるボーカル。

92年のソロ「Memphis」以来のナッシュビル録音で

憧れの地でシンプルなロックンロールやブルースを聞かせてくれる。

 

01_誇り高く生きよう

のまっすぐな歌詞や、

亡くなる直前のアルバムでセルフパロディともいえる

03_激しい雨

での「RCサクセションが聞こえる/流れてる」

のフレーズに勇気が出る。

 

2009年に清志郎が亡くなったとき、

その時点での近作はあまり聞いていなかった。

持っていたCDも「RainbowCafe」「冬の十字架」あたりまで。

亡くなったからといって、慌てて飛びつくのもどうかと思っていた。

なので、清志郎のことを思い出すたびに

RCやタイマーズを聞いたり、

「瀕死の双六問屋」を読み返したりしながら13年。

 

「ザ・カセットテープ・ミュージック」の

スージー鈴木さんの解説を聞いて、

ようやく「夢助」を手にし、感慨に耽っている次第。

本作の前のアルバム「KING」や「GOD」もいいんですよね?

清志郎のコアなファンの皆さん、教えてくださいな。

 

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思い切り怠惰な人生

2019年12月27日 | 日々、徒然に

ふむ。世間はどうやら今日が仕事納めとな。

年内に上げないといけない原稿は

何とか仕上がったので、クライアントに送る。

残っている仕事もあるけれど、年明けで何とかなりそうなので、

年末年始は少しだけ緊張感をゆるめて

原稿を書いたり企画をまとめたり、という感じ。

そう思っていたら、100ページ超えの校正が

送られてきたりして、まあこれも併せて年明けだなあ、と。

あれ。なんだか知らないうちに、

心の中に怠惰で邪悪なモノが流れ込んできた。いかんいかん。

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夜明けはまだ遠い

2019年12月26日 | 若旦那あらわる

げしし。

 

このままやり過ごして年を越そうと思っていたけれど、

なかなか容赦してくれないのが若旦那である。

今日も偶然、階段の踊り場ですれ違ったときに

行く手を遮ったと思ったら、この世のものとは思えない

怪しい笑みを浮かべるのでした。

 

「げしし。なんかSWの噂をしてたそうですね」

「いえ。ちょっと違うんですけど」

「いやいや。聞こえましたよ。SWとか映画秘宝とか。

 で、見たんですか、SW。げしし」

「実はまだ見てないんです」

「そうですか。最終作ですよ。早く見ないと。げしし」

「正月に見ようと思ってますけど」

「げしし。そんな先だったら大変じゃないですか」

「大変って、どういうことですか」

「だって正月まであと5日ぐらいあるじゃないですか。

 その間に、ネットとかでネタバレの嵐ですよ。げしし」

「いや。なるべく見ないようにしますから」

「大丈夫ですかね。ジャージャーが出るとか。

 ジャバが画面の隅っこにいるとか。そんなネタバレを

 目にしたら発狂してしまいますよ。げしし」

 

ブシュッ!

グギュッ!

スパパーン!

 

「おや。体が八つ裂きになっちゃいましたね。げしし」

「ネタバレしたからです」

「げしし。ネタバレじゃないですよ。ホントに出てるかどうかは

 内緒にしておきますから。ルークがああしたとか、レイア姫がどうたらとか」

 

ボギッ!

ブジュウウウウ!

グゴゴゴゴシャア!

 

「あれ。体がさらに粉々ですね。げしし」

「ネタバレはそれくらいにしておきませんか」

「げしし。まだ見てない人に向かってネタバレなんか

 しませんから。カイロ・レンがあんなことをするとか言いませんから」

 

ブオオオオ!

パラパラパラ…

シュウウウウ…

 

「げしし。ついに体が消滅するぐらい焼き尽くされましたね」

「もう言わないですよね」

「ガマンします。げしし。でも早く見てくださいね。

 あ、そうだブロンソンの新作見ましたか」

「あれはニセモノですよ」

「げしし。そうですかね。だってブロンソンにしか見えませんよ」

「そうなんですか。でもあれは見ないと思いますけど」

「げしし。じゃあネタバレしてもいいですね。

 実はあのブロンソン…」

 

ゴボオオッ!

ピシャアアアッ!

ペリパリペリパリ…

 

「ほほお。ついに体を完ぺきに消し去りましたね。

 それでこそ野獣処刑人ですよ。げしし」

 

 

 

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ネヴァー・セイ・グッバイ

2019年12月25日 | 日々、徒然に

書店の映画本コーナーに寄ったら、

スター・ウォーズ関連本がどっさり。

そうか、新作はもう公開中なのか。

「映画秘宝」の最新号もSWの大特集。それはそうだろう、と。

 

 

でも「映画秘宝」は、あと1号で休刊らしい。

版元の洋泉社が親会社の宝島社に吸収されるとのことで、

「映画秘宝」はもとより、個性的なレーベルで

読者を楽しませてくれたシリーズが軒並み終了のよう。

いま出ている書籍も絶版になってしまうんだろうか。

吸収合併の事情はよくわからないけれど、なんとも寂しい限り。

 

「映画秘宝」はその前身のムック時代からよく読んでいた。

「底抜け映画劇場」とか「男泣きTVランド」とか。

マニアックでサブカルで熱量が高くて、

「キネ旬」みたいな正統派でもなく、

「映画芸術」のような業界っぽい感じでもなく、

「リュミエール」の気取ったシネフィル感とは遠く離れ、

ゾンビやB級アクション、金だけはかかっているおバカな大作、

男気あふれるやくざ映画、露出度高めのビッチなお姉さんが出てくる映画などを

こよなく愛している人たちの心意気が伝わってきた。

 

町山智宏さんや、柳下毅一郎さん、中原昌也さん

ギンティ小林さん、江戸木純さん、藤木TDCさんといった

個性的な書き手の文章には大いに刺激を受けたし、

もちろん、みうらじゅん先生とオーケン、

杉作J太郎さんなどのコラムも楽しかった。

 

ただ、ここ10年ぐらいは雑誌をあまり買わなくなり、

「映画秘宝」も特集によって買ったり買わなかったりで、

熱心な読者ではなかったなあと思う。

だから偉そうなことは何も言えないのです。

 

でも先月号は、のんに「この世界の片隅に」の

すずさんのコスプレをさせて表紙にしたりと、

相変わらずやってるなあ、

という感じで見ていたところの休刊の知らせ。やるせなさが募る。

 

 

洋泉社は映画の書籍も充実していて、

なかでも「女優 林由美香」は、

映画女優としての彼女を完璧に網羅しつつ、

愛情あふれる編集が素晴らしい。これは永久保存の本です。

今のうちに、めぼしい洋泉社の映画本は

買っておいた方がいいのかもしれないなあ。

 

ともあれ、

「映画秘宝」スタッフの方々、おつかれさまでした。

どこか版元を変えて続けてもらえませんか、

と無責任なお願いをしたら怒られますかね。

 

 

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いつかはとろけるエンゼルクリーム

2019年12月24日 | 日々、徒然に

新宿にて。

来年発行の雑誌記事のことで、

いろいろな案件で打ち合わせ。年末年始だからといって

浮かれてはいられない、っていうか今日はイヴですか。

 

結局、トリを買ってしまった自分は、

その小市民ぶりにさらに拍車がかかり、

商店街でケーキを物色するけど、

やさぐれた自分にはとても似合いそうもない、

キレイで華やかなケーキがウインドウで踊る踊る。

 

山下達郎の「クリスマス・イヴ」が流れていたりして、

結局のところ、買うと決めたのはコレ。

 

 

達郎さん繋がりというか、

「DONUT SONG」が脳内で流れていたようだ。

せまるツイスト。よろめくハニーディップ。

トリとドーナツ。そして麦のアレの聖なる夜。

 

 

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チキンハートブルース

2019年12月23日 | 日々、徒然に

なるべく心穏やかに生きていきたいと

思っているのだけど、日々いろいろなコトがあり、

やさぐれてしまうのは何故だろう。

 

 

やさぐれていると空腹になるのも早い。

仕事場近くのスーパーにカップ焼きそばを買いに行き、

惣菜コーナーにあるおにぎりを物色しようと思ったら、

おにぎりコーナーは、トリだらけだったという。

そうか今日は23日か。で明日は24日で明後日は25日か、

って何を言っているのだろう、自分。

 

「チキンメニューはいかがですか?」と

笑顔の店員さんと目が合うけれど、

その視線を避けコソコソと立ち去るチキンな自分でした。

 

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香港ノンパラダイス

2019年12月22日 | 日々、徒然に

夜の新宿。南口を歩く。

星条旗がはためいていたと思ったら、

香港の人権法案についての集会だった。

 

 

アメリカのトランプ大統領が、

香港人権民主法案に署名し、この法案が成立した

ことを受けて、日本でも香港のために

人権民主法案を成立させるための集会のよう。

ビラを配っていたので、思わず受け取る。

 

短いこの人生で

一番大事なもの

それは自由、自由、自由

清志郎が、RCサクセションが脳内で流れてきた。

 

 

 

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あなたがいなくてとても寂しい

2019年12月20日 | 映画など

ケン・ローチ監督「家族を想うとき」を見る。

何が新自由主義だ。何が自己責任だ。

人間の尊厳というものがどんどん削られていくのを

ただただ、見つめるしかない。たまらなく怒りと悲しみが

こみ上げてくる先に見えてくるものは何か。

 

 

フランチャイズの宅配ドライバーの父と、

訪問介護士の母。思春期真っ盛りの息子と心優しい娘。

両親は仕事に追われていて、家庭を顧みる余裕が

なくなってくる過程が描かれるけれど、

誰一人として、家族のことを考えていない者はいない。

そういう意味で、「家族を想うとき」という邦題は悪くないと思う。

 

厳しいノルマを達成するために、

効率良く宅配をこなす父とそれを手助けする娘。

過密なスケジュールの合間に

息子や娘に携帯で連絡を取る母。

甘ったれの不良だけど、

ストリートアートに情熱を燃やす息子など、

どこでも見られる等身大の家族というか。

貧乏だけど仕事キツいけど、

なんとかしようとしている人たちの日常は、爽やかですらある。

 

だが。しかし。

健気だなあ、頑張ってるなあ。

と、空調の効いた映画館で本作を見ている観客は

その健気な家族が、どうにもならない理由で、

どんどん転落していく様子を見せつけられるのだ。

映画を見てるのに、映画なんか見ている場合じゃないと

思わせるって、何なのだろう。これは。

 

おう、おまんら、どないするんじゃ、あん?

新自由主義。自己責任。権利。貧困。そして家族のあり方。

83歳の老監督の厳しい問いかけを反芻しながら

映画館を出て、

師走で慌ただしい街の中を歩くのでした。

 

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