Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

臨界点はもうすぐ

2022年08月31日 | 日々、徒然に
体力どころか気力も落ちているようで。
昨日は朝から取材で、それが終わったと思ったら、
雑誌のゲラ出しでてんやわんや(死語)。
酒場で酩酊したわけでも何でもなく、仕事で午前様だったという。

今朝起きても疲れは取れておらず、
朦朧とした脳味噌のまま仕事場に入り、
今日締切の原稿を書く。
えいやっとクライアントに送り、
さらに進行中の本について、
難易度の高い内容をいかに読みやすくわかりやすく、
そして楽しめるような作りにするのか、を考える。
これはどんな本や雑誌をつくるときにも
必ずぶち当たる壁、というか。
いまは壁に激突死寸前の予感。バニシングポイント。
と言っても誰もわかってくれなさそう。



1971年作のアメリカ映画。
リチャード・C・サラフィアン監督。バリー・ニューマン主演。
はっきりとした理由のないまま
スピードの限りに破滅に向かって車をぶっ放す男。
すぐれたロードムービーであり、
カーチェイス映画の傑作でもある。
その雰囲気がいかにも70年代で、
なんか一周回って、今の気分にも
合っているような気がしてならないのです。

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卑屈とスープ

2022年08月29日 | 日々、徒然に
午後から雑誌記事の写真撮影の立ち会いとお手伝い。
2時間ほどで終わるかと思いきや、
そのあと打ち合わせもあり、
終わったときには、もう夕方の5時。

珍しく脳味噌を使ったせいか、
朝食べたきりなのに、まったく空腹を感じず。
でも食べておこうと、仕事場に戻る前に
いつものつけ麺屋で、野菜つけ麺なるものを食す。

あれま。ずいぶん野菜の量が少ないのお。
どういう了見じゃ、あん? 肉はもうええ。
心も体も干からびたやさぐれ男には、
新鮮な野菜が大量に必要なんじゃ、ぶちゃひしゃげちゃれい!

と、つけ麺屋のあんちゃんを
罵倒しようと思ったけど、
円安でいろんなものが高騰しているし、
野菜もずいぶん高いからなあ。
値段が上がっていないだけ良しとしないと。

なので、「す…すいません、つけ麺のスープください…」
と、あんちゃんに平身低頭で
お願いするtacoだったのです。

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タダタダタイダ

2022年08月28日 | 日々、徒然に
ご飯を炊こうと思い、
お米をといで、炊飯器にスイッチを入れる直前のこと。
そういえばいつも「急速炊飯」で炊いていたな、と。
これだと30分ぐらいで炊けるのだけど、
「熟成炊飯」なるモードがあるので、それで炊いてみよう。
なんと74分もかかるらしい。
ということで、この74分のあいだ、
何もしないと決意する。炊けるまでボーッとしながら待つのだ。
家事もしないし、本も新聞も読まない。
テレビもラジオもオフ。音楽も聴かない。締切もない(あるけど)。
ソファに寝そべって、窓から空を見てただただ怠惰に
炊き上がるのを待つ。至福。

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暗闇のなかに映るもの

2022年08月26日 | 映画など
きうちかずひろ監督「共犯者」を見る。
Vシネマなどオリジナルビデオ全盛の90年代。
そこから台頭した監督は、
望月六郎や三池崇史、黒沢清だけでなく、
きうちかずひろがいたことを忘れてはいけないと思う。
Vシネの竹中直人主演「カルロス」(1991)
で、一躍名を上げたあと、
続編である本作(1999)では小泉今日子をヒロインに、
そして内田裕也を敵役に迎え、惚れ惚れするような
バイオレンス映画をものにしている。


竹中直人扮する
日系二世のブラジル人ヤクザのカルロス。
この男の行動原理は金でも女でもなく、
とにかく戦い、殺し合うことである。
そのために敢えて巨大暴力団にケンカを売り、
自分を窮地に追い込み、殺戮の場に身を投じるのだ。そんな人物像。

内田裕也演じる殺し屋も
カルロスとまったく同類で、人を殺すことだけが
自分の存在理由であるかのような男である。

そんな二人がただ殺し合うクライマックス。
廃墟の暗闇で蠢く竹中直人と内田裕也を追いかける
仙元誠三のカメラワークがなんといっても素晴らしい。

その仙元のカメラだが、
小泉今日子を捉えるときだけ、
暗闇のなか、そっと光を当て、
彼女の美しさを際立たせるのだ。
照明の渡辺三雄との絶妙なアンサンブルというか、
東映セントラルフィルムの職人技を堪能する。

内田裕也に存在感がありすぎて
割を食った感のある小泉今日子だが、
映画の作り手たちは、ちゃんと彼女に華を持たせるのを忘れない。
この頃のキョンキョンがいちばんキレイだったのでは、
と思ったりする1999 年作(今もキレイです)。
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センチメンタルな腰

2022年08月25日 | 日々、徒然に
来週、雑誌関係の仕事で撮影があり、
その準備というか、小道具を揃えなければならず、
100円ショップやホームセンターに買い出しに行く。
ふだん滅多に行かないところなので、
世の中、こんな便利なものがあるんだ、と思ったり。

仕事場からそこそこの距離にあるので、
どうしてくれる、こんなに歩いたら
健康になってしまうではないか、
というぐらい歩く。でも腰が痛くなってきた。前言撤回。
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恐怖の薄ら笑い

2022年08月24日 | 日々、徒然に
緊急ではないけれど、
今日書かないといけない原稿が。
ここはやはり、自分が最も苦手としている
集中力を発揮しないと書けないわけで、
でもさっぱり集中できず、
いたづらに時間だけが過ぎ去るばかり。

焦るが書けない。他の仕事をした方がいいのかな。
でもあとが困るしなあ。とぐるぐる。
そんな葛藤があることなど、外からはまるでわからず
薄ら笑いしながら、ダラけているおっさんにしか見えないというか。
気持ち悪いことこの上ない。

ああだこうだと逡巡して、
やっとの思いで原稿を書き上げたらすでに夜。
終わった途端、急に高飛車になり、
今日はこれくらいにしたるけんのお。ぐふふふ。
と再び薄笑いが仕事場に響き渡る不条理。

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君はわが運命

2022年08月23日 | 日々、徒然に
新しい仕事の案件をいただく。
ただ、受けるかどうか、かなり逡巡していた。
仕事はいただけるだけでたいへんありがたいし、
何、贅沢なコト言っちょるんじゃ、あん?
と、自分に突っ込んでいたわけで。

どうしたもんだろう、と思いつつ、
帰りの電車で、とある評論家のエッセイ本を読んでいたら
まさにその新しい案件に関わる内容が書かれていて
食い入るように読む。こういうことってあるんだな。
自分はこういう流れにいるのかな、
その仕事を受けるのは正解なんだろう、と。
なので、頑張ります。はい。

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長いものには巻かれろ

2022年08月22日 | 映画など
ジョン・フォード監督
「若き日のリンカーン」を見る。
なんという名作。そしてヘンリー・フォンダの
なんという足の長さ。スタンダードサイズの
スクリーンでは狭すぎて、今にもはみ出しそうだ。


エイブラハム・リンカーンが政治家になる前、
弁護士だったのは有名な話で、フォンダは、
まだ若造でペーペーの弁護士を演じている。
独立記念日の祭りの夜、
ケンカで保安官が殺され、
容疑者として2人の兄弟が捕まる。
兄弟はお互いをかばい合って、自分の方が殺したと主張しており、
その真相をつかむべく、若きリンカーンが活躍する。

と書いたが、リンカーンはそんなに活躍しないのである。
ただ、兄弟の母や妻と交流し、優しい言葉をかけたりするだけで、
いきなりクライマックスの法廷で名推理を働かせ、
真犯人を暴き出す場面のフォンダの存在感。
あまりにもハンサムかつ長身長足で
しかもこれだけスマートな物腰の男が言うことは、すべて正しいはず。
そしてどんな難問も解決してくれるだろうと思わせてしまうのだ。
映画の登場人物はもとより、見ている観客も含めて。

そういう意味で、この映画のフォンダは、
鞍馬天狗とか座頭市、ブルース・リーやジャッキーのように、
お約束のキャラクターに近いものがある。
登場するだけで、この人は主役で強い、
そして正しい、何をしても許される。
と思わせてしまうほどの説得力が、全身から漂う不思議。

陽気で弾むような演出のもと、
抒情的な風景がアクセントとなり、詩的なイメージが広がるのは、
まさにジョン・フォード映画ならでは、というか。
そこにヘンリー・フォンダが加わると、ここまで神々しくなるとは。
そういえば「怒りの葡萄」も「荒野の決闘」もそうだったなあ、と
シネフィルは溜息をつくばかりだったのです。

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卑屈に生きてなぜ悪い

2022年08月21日 | 日々、徒然に
Macのワープロソフトは
ATOKでとても使いやすい。
これまでにタイプした膨大な入力情報の中から、
いつも書こうとする単語や
フレーズを即座に察知してくれるというか、
ユーザーへの忖度がかなりのものである。

たとえば、「お」とタイプすると、

お世話になっています。

と連想変換してくれるのだ。

「す」だと

すみません。

が、第一の変換候補として表示される。
いかに毎日ヘコヘコしながら生きているかが
よくわかるというか、卑屈な人生でございます。

「う」と打つと
うひょひょひょひょひょひょ。

「き」は
気狂いピエロ

「る」は
ルーニー・マーラ

「み」は
三又又三

「な」は
ナンシー関

ナンシーさんはともかく、
三又又三のこと、そんなに書いてないんだけど。

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ワンダーランドスケープゴート

2022年08月20日 | 読んでいろいろ思うところが
内澤旬子「カヨと私」(本の雑誌社)を読む。
小豆島在住のイラストレーターで作家の内澤さんが
家で飼い始めたヤギとの交流、いや、
これはもう愛情の記録と言ってもいい。


自宅周辺の草を食べてくれればいい、
ぐらいの軽い気持ちで
ヤギのカヨを飼うことになった内澤さん。
だが、このヤギはなかなか唯我独尊な性格で、
内澤さんは、この子は何を考えているんだろう、
何がしたいんだろう、とカヨのことを想い続け、
その想いが伝わり、だんだん通じ合っていく前半が美しい。
「この世界に二人だけ」な幸福感が広がる。

しかし、ヤギは生き物である。動物だ。
雌であるカヨは発情期を迎え、
手に負えなくなるほど興奮した姿に驚愕しつつ、
岡山のヤギ舎まで行き、雄のヤギと見合いをさせる内澤さん。
それがうまくいかなかったと思いきや、
ちゃっかり妊娠していたというくだりが可笑しい。
生まれた子ヤギの茶太郎と玉太郎もこれまた個性的で、
内澤さんの生活は、獣(けもの)と格闘する日々となっていく。
カヨの乳搾りをする場面や、
ヤギたちのなかで序列ができてくる場面など
ほんとにヤギの声が聞こえてきそうだし、
獣の匂いが漂ってくるほどの迫真性がある。
玉太郎が母親であるカヨと子をつくるというくだりに驚くが、
ヤギのあいだでは、親子交配は普通のことらしく、
ほんとに知らないことだらけで、読み進むごとに
新しい発見があるというか。

ヤギに振り回されるとはいっても、
人間である内澤さんが飼っているわけだし、
子を産むのも、去勢するのも、増えた子ヤギの貰い先を
探さざるを得なくなるのも、飼う頭数に限界があるのも、
すべて人間の都合で決められていく。
それは致し方のないことで、
ただただヤギが可愛い、とばかりは言っていられない
そんな内澤さんの苦悩もしっかり吐露されていて、
だからこそヤギの愛おしさも強く伝わってくる。

内澤さんによるヤギたちのイラストも素敵だし、
ハードカバーにオビサイズのカバー、
栞が2本ついているのも芸が細かい。
紙の本ならではの魅力に富んだ一冊でもある。
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