NHK Eテレで「タローマン」なる特撮ドラマが。
70年代に放映されていた5分間ドラマで、
知る人ぞ知る、岡本太郎の芸術的なエッセンスが
詰まったヒーロー物である。
キッチュな怪獣たちと死闘を繰り広げるタローマンの勇姿が、
昔懐かしい特撮技術のもとに写し出され、
当時の子供たちに隠れた人気があった。
MCとして登場するのはサカナクションの山口一郎。
彼も幼少期に熱中した一人で、
タローマンのグッズ(フィギュアやかるた、ソノシートなど)を
集めまくっていたという。
と、ここまで書いたのは全部ウソ。フェイクです。
すべて上記のような設定でつくられた
純然たる新作ドラマで、モキュメンタリーの一種のよう。
最初見たとき、そんな特撮があったなんて、
知らなかったよ、と騙されるところでした。
フェイクだが、ドラマはすごく良くできている。
というか、岡本太郎のアヴァンギャルド(デタラメ、ともいう)な
センスはこうした特撮ドラマにはよく似合う。
怪獣たちも抽象度が高く、エヴァの使徒みたい。
「同じことを繰り返すなら、死んでしまえ」
「自分の歌を歌えばいいんだよ」
「孤独こそが人間が強烈に生きるバネだ」
「芸術は爆発だ!」
などの太郎フレーズが前面に押し出され、
知らず知らずのうちに感動させられてしまうのでした。