Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

胸キュンで首ったけ

2024年01月31日 | 日々、徒然に
TBSで宮藤官九郎脚本のドラマ
「不適切にもほどがある!」が始まった。
阿部サダヲのハイテンションな芝居に
引っ張られながら第1話を見る。


コンプラなき昭和に生きる体罰上等なお馬鹿教師が、
メンタルと多様性重視の令和にタイムスリップするコメディ。

クセありすぎのヒロイン仲里依紗と吉田羊も快調。
さらに80年代のツッパリ女子高生を演じる河合優実に驚く。
この人、山口百恵(あるいは井上麻衣)に似ていると
言われているけれど、中森明菜にクリソツ(死語)ではないか。

ともあれ
ミュージカル仕立てになっているのが楽しく、
どんな感じで転がっていくのか見届けたい。

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三つ子の魂はコンプレックス

2024年01月30日 | 映画など
ウディ・アレン監督
「サン・セバスチャンへ、ようこそ」を見る。
うわあ。見るんじゃなかった。
深く激しく後悔している。なぜかというと傑作だからだ。


後悔のもとは、
やはり例の性加害のことがあるからだ。
作品とその作り手を分けて考えることができるか。
たとえそれができたとして、
分けて考えることが正しいことなのか。
正解はないとわかりつつ、悩ましい。
とりわけ、自己のパーソナリティが
作品に色濃く反映されているアレンの場合、なおさらだ。

映画の宣伝の仕事をしている妻と一緒に、
サンセバスチャンの映画祭を訪れた
ウォーレス・ショーン演じる作家が主人公。
まんまアレンの分身であることは明白というか。
妻の浮気を疑いながら、
現地で出会った女医に恋心を抱くラブコメで、
その語り口は相変わらず軽妙で絶妙。

主人公のこれまでの人生が、自分が愛した映画たち、
「市民ケーン」や「8 1/2」「第七の封印」
「勝手にしやがれ」「突然炎のごとく」
「男と女」「皆殺しの天使」などの
パロディ場面とシンクロし混沌としていく。

自分だって偉大な名監督なのに、
90歳に手が届くというのに、
老境にいたってなお、これらの名作たちへの
コンプレックスから脱却できないところ。
そして、浮気の虫がちいとも収まらない
人物を描く大人げのなさとある種の開き直り。
なんとも哀れで可笑しくて。
それがウディ・アレンという人なんだろう。

シネフィル的には、
撮影監督のヴィットリオ・ストラーロに
フェリーニやベルイマンのパロディを撮らせたわけで、
それってかなり失礼なんじゃないかと思う。
それとも喜んで撮影したんだろうか。
誰か、ストラーロにインタビューしてくださいな。
姫田真佐久に溝口の「山椒大夫」のように撮れと
言ってるようなもんだと思うのだけど。
って誰にも伝わらないネタですみません。

ともあれ、
加害のことがなければ、手放しで絶賛したい。
でもそれはちょっと無理。なんというアンビバレンツ。
だから深く激しく後悔しているのですよ。

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大惨事の朝、突然に

2024年01月29日 | やさぐれレシピ
あれま。冷蔵庫を開けたら、
チルド室に正月用の餅がまだ残っていた。
やばい、と手に取ると凍ってますがな。

脱兎のごとく水を入れた鍋に火をかけ、
昆布で出汁を取る。
大根と人参、里芋といった指定野菜を
ざくざくと適当に切って投入。
冷凍庫に少しだけ余っていた鶏肉を入れ、
めんつゆの濃いやつを、そろりそろりと入れながら
味を整える。グリルで餅を焼くが、
なかなか火が通らず、動揺する。我慢我慢。

にやけながら鍋からお椀によそっていたら、
グリルから煙が。いつのまにか
焦げるどころか燃えているではないか。んもお。
餅を燃やすのは、カップ焼きそばのお湯をシンクに捨てようとして、
一緒に焼きそばの中味が落ちるのに等しい大惨事である。

だが、それでもなんとか真っ黒な焦げを落とした
不格好な餅をお椀に鎮座させ、
フリーズドライの柚子と鰹節をちょいとふりかけて
季節外れのお雑煮の出来上がり。餅はグリルじゃなくて、
トースターで焼こうと思いながら、おおなんという美味。

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分断が分断を呼ぶ世界

2024年01月28日 | 日々、徒然に
カリフラワー(以下、カリ)「キイイイイイッツ〜!!」
サツマイモ(以下、サツ) 「あら、カリちゃん、どうしたの?」
カリ「どうもこうもないわよ! あんの、ブロのやつ〜ぜったい許さないんだから!」
サツ「ブロって、ブロッコリーのこと? あの娘がどうしたっていうの?」
カリ「サッちゃん、あんた、知らないの? ブロがついに指定入りなのよ!」
サツ「指定って…え、まさか指定野菜に?」
カリ「そうよ。あたいらを差し置いて、指定野菜に昇格しやがったの」
サツ「キイイイイイッツ〜、許さん!」
カリ「なんでブロが昇格なのよ! ちょっと緑色で気取ってるからといって、あたいらを差し置いて昇格なんて許せない!」
サツ「あの緑色って曲者よね。『あたいエコですから』とか『マヨさんとも仲良しよ』とか言って、農林省の役人どもを騙くらかしたに違いないわ!」
カリ「あたいだってマヨと仲いいのに〜! そもそも茹でちまえば、歯ごたえだって栄養だって同じなのに!」
サツ「あたいも知名度なら指定野菜の連中に負けてないわよ! ジャガイモはともかく、なんでサトイモが指定なのよ! イモ関係なら絶対あたいの方が人気あるじゃない!」
カリ「あんたの人気はオンナコドモだけだからね。そこがちょっと弱いんじゃないの」
サツ「何よ、その言い方。いまどきオンナコドモとか言ったらコンプラが許さないんだから! あんたこそ、妙に白っぽくて得体が知れないじゃないの!」
カリ「なんてこと言うのよ! この白いボディが栄養満点なのよ!」
サツ「いまひとつ料理の仕方知られてないじゃん」
カリ「うっ…あんただって、そのへんの落葉と一緒に焼かれてるだけじゃないの!」
サツ「あんた、大学いもっていうのがあるのを知らないの? ふふん。だから指定に昇格できないのよ!」
カリ「あんたこそ、ただ甘いだけで、食べたら太っちゃうじゃない!」
サツ「うるさい! あんたなんか、ブロの影に隠れて、ずっーと日陰者で一生を終えるといいわ!」
カリ「この糖質過多!」
サツ「何言ってるのよ? あたいには美肌効果があるのよ! ふん、あんたの肌ボロボロだし」
カリ「気にしていることをよくも〜! あたいは整腸作用がすごいんだから、お通じがバッチリなの知らないの?」
サツ「下品ねえ。だからブロに先を越されるのよ!」
カリ「あんたこそ、いつまで経ってもマクドのフライドポテトになれないじゃないの!」
サツ「い、いちばん気にしてることをキイイイイイッツ〜!」
カリ「あ、あたいだってマヨとコラボすれば天下が獲れてキイイイイイッツ〜!」


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もうたりぜいしょん考

2024年01月27日 | 読んでいろいろ思うところが
橋本倫史「ドライブイン探訪」(ちくま文庫)を読む。
自分はまったくのペーパードライバーで、
運転しろ、と言われたら
きっと「げしし」と言って逃げます。
そんな役立たずな輩には、
ドライブインのことが書かれた本など、
絶対腑に落ちないだろうと思いきや、
無類の面白さに読みふけってしまったという。


日本のドライブインは
戦後の復興と共に発展していったと書かれている。
産業を発達させるためにはしっかりした流通、
つまり道路を整備するのが国策だったわけで。
高度成長とともに、クルマでレジャーに行く人も増え、
本書で紹介されているドライブインの多くは、
それはそれは繁盛していたという。

著者は、全国に点在するドライブインに何度も立ち寄り、
店の人と関係性を築いてから、さまざまな話を
引き出していく。すでにドライブインという店の形態は
時代遅れなのだろうが、ひっそりと、淡々と
経営を続けていく老いたご主人やおかみさんの言葉に
浸りながら読み進めていく。

戦後の復興と高度成長、バブルとその崩壊。
経済が衰退していくとともに、店を縮小したり
私たちの代で終わりですよ、と笑ったりする人たち。

ラーメンとかハンバーガーとかの
レトロな自販機をたくさん設置していて
故障ばかりするけど家族みたいな存在なんですと語る店主。
わたし、「トラック野郎」に出たんですよ、
と驚愕のエピソードを語るおかみさん。
経営のかたわら、若くして亡くした兄の
跡を継ぎ、作詞家としての顔を持つご主人。
よくよく聞いたら、ドライブインを経営する前は、
太平洋戦争からの帰還兵のための軍国酒場を
開いてその土地の有名人だったという夫婦。

語り手の言葉が上っ面ではなく、
その人ならではの本心が発せられている感じがある。
相手が口を開くのを
じっと待っているみたいな著者の立ち位置。
控えめというか謙虚というか、
ひと言でいうと優しいのです。
どうしてそんな風に書けるのだろう。そんな415ページ。




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そッれだけならばまだイイが

2024年01月26日 | 日々、徒然に
「江口寿史展 ノット・コンプリーテッド」
@世田谷文学館に行く。
江口寿史という人は、イラストレーターであり、
日本のサブカルチャーの牽引者でもあるわけだけれど、
やっぱり紛れもないマンガ家だと確信する。


展示のコンセプトは、
ノット・コンプリーテッドというサブタイトル通り、
多岐にわたるこの人の仕事の一部分であり、
おもに「マンガ家」としての側面をクローズアップ。
マンガの原画が大量に展示されているが、
たとえば「ひばりくん」や「パイレーツ」の原画を
「作品」や「絵」として見るのではなく、
ふつうにマンガとして読める枚数がしっかり展示されている。
「トーマス兄弟」や「うしみつくん」などの
傑作短編は全編展示されているので、読みながら吹き出してしまった。
ギャグマンガ家として、とんでもない才能だとあらためて思う。

原稿を落とすことを芸にしたマンガに
かつては大笑いしたものだったけれど、
本人にとっては、ものすごい苦痛が伴っていたことが
伝わってくるというか。
山上たつひこの原作をマンガにする仕事で、
ふたりの往復書簡(FAX)のやりとりが公開されている。
一向に描かない(描けない)江口の苦悩と
山上の失望の文面を読むと胃が痛くなってきた。

その山上を始め、師匠だったちばてつや、
つげ義春、日野日出志、楳図かずお、吾妻ひでおなど、
先人マンガ家へのリスペクト。
ディーヴォやYMO、プラスティックスなど、
80年代の音楽への傾倒ぶり。マンガの扉絵を
レコードジャケットのように描いたのは
この人が先駆者だと思われ、そうした扉絵の数々も素晴らしい。

原画を読むだけでたっぷり2時間はかかる展示で、
できたらもう一回見に来たい。
展示は2月4日までか。うーむ。
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トコトコ歩くつぶらな瞳

2024年01月25日 | 読んでいろいろ思うところが
高田晃太郎「ロバのスーコと旅をする」
(河出書房新社)を読む。
イラン、トルコ、そしてモロッコと
現地でロバを調達し、共に旅をした青年の記録。


著者の高田晃太郎さんは、
沢木耕太郎の「深夜特急」に影響を受け、
日本や世界を旅している人。
新聞記者の職を辞し、ロバと旅をするという
日頃、あくせく生きている身からすると
なんとも羨ましい生き方をしているなあ、と。
交通手段がそれほど発達していない中東諸国では、
ロバは使役動物としていまだ現役で、
重要なインフラのひとつらしい。そうなのか。

あの哀愁を帯びたつぶらな瞳。
シネフィルとしては「バルタザールどこへ行く」とか、
最近は「EO」なんて映画もあったけれど、
ロバという動物は、たまらなくそそるわけで。

さぞかし、のんびりとした
旅の記録かと思いきや、まさに波瀾万丈。
ロバと歩くイランやトルコ、モロッコで、
現地の人の温かさに触れながらも、
それと同じぐらい泥棒や強盗のたぐいなど、
人間の悪意にもさらされる旅となっていく。

読みながら、そうか。旅は人生みたいなものだな、と。
いいこともあれば、悲しいこと、苦しいこともある。
本書における旅の記録はそのまま人生の記録なのだろう。
「深夜特急」もそうだが、本書も旅をテーマにしながらも、
自分探しの旅とは無縁であることも心地良い。

著者の高田さんは、
現在、日本でロバを調達して旅をしているらしい。
そのうち、第二弾も書いてくれるでしょう。楽しみ。

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A級のどこが悪い

2024年01月24日 | 日々、徒然に
ノーマン・ジェイソン監督が亡くなったという。
享年97というから、かなりの長寿だったんだな。
安らかな最期だったと信じたい。

60年代から80年代の
アメリカ映画を担った監督のひとりで
その知名度に比べ、評価が低い気がしていて、
これから再評価が進むのかな。進むといいな。

代表作は「夜の大走査線」と
「月の輝く夜に」だろう。
作家性や社会性がそれほど強くなかったから、
アメリカンニューシネマ時代の監督としては、
娯楽作の人として軽く見られていたのかもしれない。
B級映画を量産していたらいまの時代、
きっとリスペクトされているんだろうけど、
この監督の映画はどれもA級だった。

華麗なる賭け(1968)

大富豪で大泥棒。なんとも荒唐無稽な主人公。
でも演じるのがマックイーンだから、何の文句もない。
すげえカッコいいと思ったものだった。
ミシェル・ルグランのテーマ曲が流麗で素敵。

ローラーボール(1975)

殺し合い上等なローラーゲームで
闘いを繰り広げるジェームズ・カーン主演の
SFディストピア映画だった。この映画こそ
いま広く見られるべきだと思ったりする。
バッハの「トッカータとフーガ」が重厚に流れ、
陰惨でひんやりとした雰囲気が充満していた。

ジャスティス(1979)

アル・パチーノ主演映画のなかで、
意外と語られない印象のある法廷映画の佳作。
弁護士役パチーノの笑い一歩手前の熱演が見ものだった。
デイヴ・グルーシンの音楽が快調そのもので、
実にいいテンポで進む映画だったと記憶する。

音楽の使い方が抜群だった。
そういえば「ジーザス・クライスト・スーパースター」も
「屋根の上のバイオリン弾き」もこの人が監督していたんだった。
めっちゃ名監督ではないかと思う。
面白い映画をありがとうございました。合掌。


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あんなに愛し合ったのに

2024年01月23日 | 日々、徒然に
ぐがが。ぎぎぎ。
きりりりいいいっ。

ここは事故に遭ったときに運ばれた病院。
今日は、MRIの検査日である。
せまいよくらいよこわいよ、的な装置のなかに
ぬううっと入れられノイズまみれの15分を耐える。

検査が終わったのは11時。
診察は午後1時半からなので、2時間以上もある。
どうしたものかと思いながら、病院を出る。

スマホで検索したら、
意外と近いところに図書館があった。
そこで資料本を読もう。それがいい。


よせばいいのに、書棚を物色してしまう。
チャボの本があったので、つい手に取り
パラパラとめくっていたら、いつのまにか没頭。

チャボがまだ古井戸のメンバーだった頃。
当時、チャボの家は新宿にあって、
清志郎の実家がある国立まで
中央線に乗って遊びに行くエピソードがあった。
チャボが駅で待っていたら、清志郎が自転車で迎えにきていて、
二人乗りで実家まで行ったという。仲いいな。
豆を挽いてコーヒーを入れてくれた清志郎に
少し驚きながらも、実に美味いコーヒーだったと書くチャボ。
仲いいな、ほんとに。新宿。国立。自転車。コーヒー。
中央線文化だなあと。

資料本を読むのがそっちのけになってしまった。
やばいやばい。こういうときこそ資料を読み込むべきなのに。
チャボと清志郎のラブラブぶりに時間を忘れ、
さらに診察の時間も失念していたのでした。
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ラン・ノーラ・ラン

2024年01月22日 | 日々、徒然に
ノラ・ジョーンズの新譜が3月に出るらしい。
タイトルは「Visions」。
新曲が公開されていてその「Running」を聞く限り、
バンドサウンド寄りで、過去作の「ザ・フォール」や
「リトル・ブロークン・ハーツ」な感じがして、
ソフトロック路線の姐さんは大いに歓迎したい。
不敵な面構えのジャケも、いい。
まずはこの新譜を堪能しますから、
また来日して武道館で演ってくださいな。

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