ショーン・コネリー。享年90。
そうなのかあ。俳優を引退したと聞いて、
けっこうな年月が経ったような気もするけれど、
訃報を聞くまでずっと現役感のあった俳優だった。
それだけ多くの過去作が何度も見られているからだと想像する。
その死を悼む書き込みを見ていると、
「007」はもとより、
「インディジョーンズ最後の聖戦」の父親役とか、
「アンタッチャブル」の老警官、
「薔薇の名前」や「レッドオクトーバーを追え!」
「ザ・ロック」に「エントラップメント」など、
みんなそれぞれ思い入れのある映画に
ショーン・コネリーという俳優がいたんだなと。
個人的に、ショーン・コネリーは70年代にとどめを刺す。
75年のジョン・ミリアス監督「風とライオン」では、
良家の婦人とその子供を誘拐し、ルーズベルト大統領と対決する、
モロッコの族長を演じたコネリーの骨太な格好良さ。
黒澤映画の三船敏郎みたいだった。
婦人を演じたキャンディス・バーゲンの美しさも記憶に残る。
それから、
74年のジョン・ブアマン監督「未来惑星ザルドス」。
23世紀の未来の地球が舞台。
不老不死の人類と、そうでない人類の戦いを描いたディストピアSFで、
これは隠れた名作ではないかと思う。
コネリーは赤フンみたいなコスチュームで、
ムンムンしたマッチョな戦士を演じていて、
相手役のシャーロット・ランプリングも美しかった。
そう考えると、007もそうだけど、
美女と並ぶと栄える俳優さんでもあったなあと。
70年代はほかにも
オードリー・ヘップバーンと共演した「ロビンとマリアン」とか、
マイケル・ケインとの冒険譚「王になろうとした男」など、
コネリー主演の名作は目白押しだと思う。
どこかの映画館で追悼上映をやってくれるとしたら、
ぜひ70年代の作品を入れてくださいな。ともあれ合掌。