ルーカス・ドン監督「CLOSE/クロース」を見る。
作り手の確固たる信念と、
レオを演じたエデン・ダンプリン少年の存在感で
見る者の視線を釘付けにする104分。
親友同士のレオとレミは、家でも学校でも
いつも一緒で、ものすごく仲がいい。
レオは活発な少年で、
レミはどちらかというと内省的な性格。
2人がじゃれあって、同じベッドに寝るシーンなどが
積み重ねられているのを見て、
これは好き合っているというよりは、
自己と他者の境界が曖昧な関係なのかと思ったりする。
映画の後半、レオと彼の兄のあいだで、
おなじようなじゃれ合うシーンが写し出されるが、
その関係性は似ているようで、違う。
そんなふたりが、クラスメートに
「つきあってるの?」とからかわれたことから、
レオはレミに対して距離を取るようになる。
おそらくレオは自己が確立しつつあるんだろう、
成長するためには、親友を切り捨てなければならない残酷さ。
なんとも悲痛であり、あろうことか最悪な結果が訪れる。
本作の特筆すべきところは、
レオの視点というか、この少年の判型1メートルぐらいの
あいだでぐるぐるした映画になっていることだ。
彼が見たこと、感じたことだけが映画で描かれる。
あまりにも狭い視点で、だからこそピュアで残酷なものが
剥き出しになっている。