Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

子と別れた日

2024年03月18日 | ライブじゃライヴ
蝶花楼桃花&桂二葉
東西二人会@有楽町朝日ホールに行く。
一度はナマで聞きたかった噺家さんたちの高座。
満員大入りであたたかな雰囲気のなか、
笑いあり涙あり。凄みさえ感じる芸を
目の当たりにする至福のとき。


桃花師匠は、春風亭ぴっかりの名で
二つ目の頃から人気の噺家さん。
そのうち聞きに行こうと思っていたら、
2年ほど前に真打ちに昇進。
堂々たるというか、風格すら感じさせる佇まいだ。
演目は「宗論」と「お見立て」。
前者はキリスト教徒になった息子の言動に
悩まされる真言宗の父親とのやりとりが笑わせ、
後者は嫌いな客をなんとかして追っ払おうとする
花魁とその妓夫のやりとりが楽しくスピーディーで
息もつかせなかったという。

マッシュルームカットがトレードマークの
二葉師匠は、稚気のある声が似ていることから、
米朝一門の大先輩、
枝雀の再来と言われている噺家さん。
YouTubeで可愛らしい噺を見て、
この人もナマで見たいと思い、いざ目の当たりにしたら、
演目は「子は鎹(かすがい)」と「がまの油」。
前者は別れた父と母の仲をとりもつ男の子が健気で、
茶目っ気があって大人より世事に長けているという
まさかの人情物で泣かせる。
後者はがまの油の口上をするテキ屋の口真似に圧倒され、
二葉師匠、すげえ本格派だと思った次第。
何気にアイドル扱いしていた自分が恥ずかしい。

実にいい二人会でした。
ご両人ともまた聞きに行きます。

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するってえとなにかい

2024年02月16日 | ライブじゃライヴ
柳家三三独演会「春」
@なかのZERO小ホールに行く。
この噺家さんの落語会は7年ぶり。
って、そんな前のことになるんだなと。
なんという時の流れの早さだろうと嘆くばかり。
と、そんなコトはともかく、落語を聞いて笑いこそすれ、
泣くなんてコトはなかったのだけど、泣いちまいましたよ。


前座は志らく師匠の弟子で志ら門。
「シナモンじゃないですよ」と笑わせ、
落語界のなかで唯一、トミー・ジョン手術を受けた噺家です
と話すまくらが可笑しい。

三三師匠は3席。
「元犬」と「花見小僧」「刀屋」。

「元犬」は、人間になった犬が、
ご隠居さんのところで働くことになるが、
犬のときのクセが直らず騒動となる噺。
人間、犬、ご隠居、ご隠居の女中を
矢継ぎ早に演じ分け、観客を笑いの渦に巻き込んでいく。

「花見小僧」と「刀屋」は
「おせつ徳三郎」という噺が元になっていて、
大店の一人娘おせつと、使用人徳三郎の
許されぬ恋を中心にした物語。
娘の行く末を心配する大店の主人が、
二人がいい仲になっていることを知っている小僧に
無理矢理白状させる「花見小僧」。
小僧の当意即妙な受け答えに大笑い。

中入りがあり、ラストの演目「刀屋」では、
自分を捨てて婿を取るおせつをいっそ斬ってしまえと
徳三郎は刀屋の主人から刀を買おうとするが、
その主人はいきなり自分の身の上を話し始め、
落語はしみじみとした人情噺になっていく。

あっと声が出てしまうほどの見事な伏線の張り方と、
どっと涙を誘うクライマックスは、お見事としか言えない。
てやんでえ、泣かせやがって、こんちくしょうめ、
と三三師匠への賛辞が止まらなかったのです。
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いつもそこにいるよ

2024年02月07日 | ライブじゃライヴ
ハンバート ハンバート
「ハンバートのFOLK村」@東京国際フォーラムに行く。
佐野遊穂と佐藤良成による夫婦デュオ。
すでに25年のキャリアを誇る人たちだ。
基本的にフォークで癒やし系な音楽ではあるけれど、
文学的かつ社会的な歌詞が散りばめられたり、
凄味のある演奏に感じ入ったりと、
一筋縄ではいかないところもあるというか。


このデュオ。ここしばらく
かつてのフォークの名曲をよくカバーしていて、
加川良の「教訓 Ⅰ」をやっていたりするので、
期待していたら、中島みゆきの
「13 タクシードライバー」が聞けて
それはそれで大満足で、歌詞の情景が浮かぶ浮かぶ。
そういえば歌詞をじっくり聞くライブって、
あまり体験してこなかったな、と。
カバーでいうとリンドバークの「02」とか
ブルーハーツの「18」といったロック系もいけるふたり。

ツインボーカルではあるけれど、
佐野さんの声は唯一無二で、
どんな歌詞もこの人が歌うと、
ほっこりソフトな感じになるし、
ハーモニカの演奏も素晴らしい。
佐藤さん.この人ゴリゴリの演奏家で、
アコギにエレキ、バンジョー、
さらにキーボードにバイオリンと変幻自在。

この人たちのアルバムは3枚ほどしか
聞いていないので、次のライブのときには、
もう少し聞き込んでから参戦したい。
国際フォーラムというデカすぎのハコではなく、
もう少しこじんまりとしたところがいいな。

以下、名曲だと確信する「16  虎」。
そのあとセトリです。


01 恋はいつでもいたいもの
02 今すぐKiss Me
03 横顔しか知らない
04 格好悪いふられ方
05 君と暮らせば
06 見知らぬ街
07 ぼくのお日さま
08 花咲く旅路
09 雨雨雷時時霰
10 僕はもう出ていくよ
11 ひかり
12 どこにいてもおなじさ
13 タクシードライバー
14 ふたつの星
15 それでもともに歩いていく
16 虎
17 黄金のふたり
18 リンダ リンダ
19 国語
encore
20 メッセージ
21 うちのお母さん
22 おなじ話





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最低の君を忘れない

2023年12月19日 | ライブじゃライヴ
スピッツ JAMBOREE TOUR '23-'24
HIMITSU STUDIO@日本ガイシホールに行く。
地元(名古屋)でスピッツのライブは初めて。
新作で傑作アルバムの「ひみつスタジオ」を引っさげての
ロックンロールとゆるいMCを愉しむ夜。


いつにも増してMCが楽しい。
ういろう、ぴよりんなど、
ご当地ネタをふんだんに盛り込み、
実はこの人たち、オフビートながら、
トークのスキルはとても高いんじゃないかと思ったりする。

ともあれ、
「ひみつスタジオ」からの楽曲は
どれもライブ栄えするものばかりで、
「めぐりめぐって」「跳べ」「美しい鰭」などは
安心して聞くことができたし、
メンバーが代わる代わるボーカルをつとめる
「オバケのロックバンド」は、やはり盛り上がる。

「俺のすべて」「8823」など
ライブで定番の曲を挟み込みつつ、
アンコールで「不死身のビーナス」と、
ひねくれたラブソングで締めようとするメンバーの
「俺たちロックバンドなんだぜ」感を受け止める。

重くて強い田村のベース、崎山のドラムスの迫力。
軽やかでメロディアスなテツヤのギター。
マサムネのとラブリー感とロック感に溢れたボーカル。

スピッツのライブは5回目ぐらい。
楽しかったな、またライブ来たいな
という感想が出るということは、
自分はすっかりこのバンドのファンになっているんだろう。

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