沖田修一監督『横道世之介』を見る。
これはいい映画だなあ。
ほんわかしたユーモアと、
登場人物への慈しみにあふれた青春映画だ。お見事。
ヨコミチヨノスケ、って噺家かよ、
という突っ込みをしたくなるが、
れっきとした主人公の名前で。
この名前を聞いて笑い転げるのが、
吉高由里子演じる祥子だ。のちに世之介の恋人になるのだが、
主人公のやることなすことにケラケラと笑う。
人が良くて、マイペースで、一緒にいると楽。
そんな若者が映画の主人公になり得るかというと、
成立するんだな、これが。
大学ではサンバのサークル(だから上のポスターである)に入って、
踊りながら転んでしまった自分のビデオを何度も見る。
スイカを食いながら、友人と外に出て、
手持ちのスイカを割って「ほら」と友人に手渡したりする。
特にどうってことのないエピソードが重なる。
世之介の近くにいた友人たちは、そんなエピソードを
何年も後になって思い出して、笑う。
ほんのり暖かくて、少しだけ寂しい。
吉田修一の原作は読んでいないのだけど、
おそらく世之介のゆるくて暖かいところがよく書けているのだろう。
世之介を演じた高良健吾が、能天気さと哀愁を漂わせて好演。
吉高由里子はちょっと世間からずれた感じの女の子役が似合う。
優等生な役柄が多かった友人役の池松壮亮も、
ひどく人間味のある若者を演じていたし、
世之介の同郷の友人を演じた柄本佑のコメディリリーフぶりも楽しい。
監督の沖田修一は、前作『キツツキと雨』でも
登場人物の感情をユーモラスに追っていたけれど、
本作が大ブレイクとなることを願いたい。
これはいい映画だなあ。
ほんわかしたユーモアと、
登場人物への慈しみにあふれた青春映画だ。お見事。
ヨコミチヨノスケ、って噺家かよ、
という突っ込みをしたくなるが、
れっきとした主人公の名前で。
この名前を聞いて笑い転げるのが、
吉高由里子演じる祥子だ。のちに世之介の恋人になるのだが、
主人公のやることなすことにケラケラと笑う。
人が良くて、マイペースで、一緒にいると楽。
そんな若者が映画の主人公になり得るかというと、
成立するんだな、これが。
大学ではサンバのサークル(だから上のポスターである)に入って、
踊りながら転んでしまった自分のビデオを何度も見る。
スイカを食いながら、友人と外に出て、
手持ちのスイカを割って「ほら」と友人に手渡したりする。
特にどうってことのないエピソードが重なる。
世之介の近くにいた友人たちは、そんなエピソードを
何年も後になって思い出して、笑う。
ほんのり暖かくて、少しだけ寂しい。
吉田修一の原作は読んでいないのだけど、
おそらく世之介のゆるくて暖かいところがよく書けているのだろう。
世之介を演じた高良健吾が、能天気さと哀愁を漂わせて好演。
吉高由里子はちょっと世間からずれた感じの女の子役が似合う。
優等生な役柄が多かった友人役の池松壮亮も、
ひどく人間味のある若者を演じていたし、
世之介の同郷の友人を演じた柄本佑のコメディリリーフぶりも楽しい。
監督の沖田修一は、前作『キツツキと雨』でも
登場人物の感情をユーモラスに追っていたけれど、
本作が大ブレイクとなることを願いたい。