Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

邪悪がいたから僕がいた

2021年09月30日 | 邪悪なT君
うひょひょひょひょひょひょひょ。

うっ。気がついたらなんだか部屋じゅうに
とてつもない刺激臭が広がっているではないか。
やはり貴様の仕業か。邪悪なT君よ。

「いや〜なんか美味しい肉を食したとか言うじゃないですか〜。
 そんなバチ当たりなコトしてたら桃源郷には行けませんよ〜。
 ほらほら〜このニオイが桃源郷への入口ですから〜」

どこが桃源郷だ。そんなところに誰が行くものか。
刺激臭の元は納豆か、それともにんにくか。

「両方ですよ〜納豆とにんにく、どっちが強いか
 確かめたかったんじゃないですかね〜。
 で、結局、両方ともアレだったという〜」

アレとは何だ。また曖昧な指示語を使いやがって。
納豆とにんにくの焼きそばなどありえないだろう。

「それが全国一斉発売なんですよ〜日本中、いや世界中に
 納豆とにんにくのニオイが充満してますから〜。
 最近ペヤングがすっかりおとなしくなったと
 それはそれは悲しい日々を過ごしてたんですよ〜
 そしたらコレですからね〜たまりませんよ〜コレ」

だから指示語ばかり使うんじゃない。
と、叫びながら奴の体に納豆とにんにくを塗りたくる。

「うひょ〜ぬるぬるですね〜。
 しかもこの刺激臭がなんとも〜まさに無敵じゃないですか〜」

そう言ってのける邪悪なT君は、納豆とにんにくのニオイを
撒き散らしながら、だんだん体が巨大化していくではないか。

「納豆は発酵食品ですからね〜たぶん空気中の邪悪なモノを
 取り込んで、巨大化しているんじゃないですか〜」

なんとおぞましい光景だろう。
邪悪なモノが邪悪なモノを吸収している。
そうか。納豆の発酵菌がにんにくのパワーを得て
奴の体を食い尽くしているのか。

「取り込まれちゃいましたよ〜でもまあこれはこれで」

と言いながら、邪悪なT君はさらに曖昧に巨大化していき、
部屋を突き破り、家を、建物を、ビルを呑み込んでいく。
ついに奴は、自身が巨大な発酵物となっていくのでした。
目の前の異形なものを見つめ、これが桃源郷か、と呟くしかなかったのです。

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2億4千万の邪悪

2021年09月29日 | 邪悪なT君

うひょひょひょひょひょひょひょ。

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さーっとさーっと

2021年09月29日 | やさぐれレシピ
高いお肉をちょっとだけ
さーっと焼いて食べてごらんなさい。美味しいから。

以前取材した90歳の女性から
こんなことを言われことがあり、それがずっと頭に残っていた。

高く、はないけど、それほど安くもないお肉を
数切れ、醤油とショウガで味を付けて
さーっと焼く。おお。なんという美味。
いつも安い豚コマばかり使っている自分としては
かなりの贅沢だけど、少量だし。お許しくださいな。

あまりに美味しいので、お弁当にも入れました。
さーっとバターで炒めたエリンギとピーマンを沿えて。



焼きそばがないのはどういう了見じゃ! あん?
とお嘆きの人もいるんでしょうけど、
そんな邪悪なモノはいりません。
しっしっ、あっち行って。

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死屍累々な者たちへ

2021年09月28日 | 映画など
土井裕泰監督「花束みたいな恋をした」を見る。
あのですね。おっさんは、もう号泣ですよ。
どうしてくれるんですか。なんという傑作なんですか。
もうチビリまくりで、体のあちこちから液体がダダ漏れに
なっちゃいましたよ。って下品ですみません。


大学生の麦(菅田将暉)と絹(有村架純)。
この文化系サブカルなふたりの出会いが丁寧に描かれる。
のっけからふたりが好きな作家や映画、
漫画やゲームなどの固有名詞を連発し、
お互いの距離を縮めていく。作家といっても
長嶋有とかいしいしんじなどの名が出て、
「お前、わかってるなあ」「俺、ちょっと他の人とは違うから」的なスタンス。
早稲田松竹や下高井戸シネマのマニアックな番組編成に喜び、
漫画を一緒に読みながら涙ぐむふたりは、
ついには就活を諦め、自由気ままな共同生活に突入する。

そんなふたりにも生活がのしかかってくる。
バイトをしたり、イラストを描いたりしているけれど、
なかなか思うようにはいかず、
まともな、というかブラックすれすれの会社に就職して、
いつのまにかサブカル人間であることを忘れていく麦。
そんな彼を残念そうに見つめながら、どうにもできない絹。
アキ・カウリスマキの「希望のかなた」をつまらなそうに見て、
帰りの書店では自己啓発本を立ち読みする麦は、
文芸誌「たべるのがおそい」の最新号を喜んで買う絹との
距離がだんだん開いていく。

サブカルなんか知らないよ。
そんなモノでおなかいっぱいにはならないだろう、
という人ばかりがふたりの前に現れる。
サブカルな領域にしがみついている人たちも
わずかにいるけれど、命を落としたり、
犯罪をおかしたりするという展開。

これはモラトリアムでサブカルな人たちに
引導を渡している映画なのか。ラブストーリーだと思って
見ている観客の心を冷やしていく、それはもう凍り付くぐらい。

映画や文学や漫画がいくら好きでも人は幸せになれない。
ダメだよ。大人になりなさい。
そんなクソつまらない無言の圧力に押しつぶされ、
精神的な意味で死んでいく人たちの何と多いことか。

それでもハッピーエンドになるのがすごい。
これだけ高揚させて、焦らせて、切ない思いをいっぱいに浴びて、
さんざん泣かせるにもかかわらず、観客を幸せな気分に持っていく。
そうか。サブカルに挫折した人々を
救済してくれる映画だったのか、と。

そして本作は「靴」の映画でもある。
明らかに意図的に撮られたふたりの白いシューズ。
その移り変わりを見ているだけで、
泣けて泣けて仕方ないのです。それから「猫」。
ふたりが飼っている猫がだんだん大きくなるところ。
なんともまあ。思い出すだけで
体のあちこちから液体がダダ漏れに
なっちゃいましたよ。って下品ですみません。


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今日のおやつはどら焼きで

2021年09月27日 | 日々、徒然に
ご利用できません。

なんということだ。
ATMでカードを入れたらこんな表示が。
なんかやらかしたのだろうか、自分。

これではお金が引き出せないではないか。
いくら残高が少ない(ほっとかんかい、あん?)とはいえ、
この仕打ちはどういう了見じゃ! といきり立ったけれど、
前にも何度かこういうことがあり、
どうやらカードがかなり劣化している模様。
磁気のところなんか摩耗してるし、
角のところが裂けていたりするので、銀行で再発行してもらう。

「もう20年以上使われているんですね。
大切にお使いいただき、ありがとうございます」

銀行のお姉さんはそう言って、
にこりと笑うのでした(マスクだけど)。
いや、別に大切にはしてませんけど、
いつも残高が少なくて申しわけありません、
と頭を下げる(ウソです)。


劣化しまくりのカードはドラ仕様でした。
再発行になると、こちらは回収されるので、
名残惜しいなあと写真を撮る。おつかれさまでした。
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悲しきレイディオ

2021年09月26日 | 日々、徒然に
明日締切の原稿がまとまった途端、腑抜け状態に。

別件の仕事があり、それも締切が迫っているのに
いっこうに集中力が出ず、こうなったらラジコで
タブレット純の番組を再生し、
昭和歌謡を聞きながら仕事じゃ、と思ったら、
腑抜け状態がさらに加速してしまったという。

そのタブ純さん、銭湯が大好きで、
昭和30年代の中野区の地図を見ながら、
かつて銭湯のあった場所を探索するのがマイブームらしい。
あとかたもなくなっているのが、またイイ感じのようで。
いいな。そんなコトしてみたいな。
30年ぐらい前のぴあとかシティロードを片手に、
かつて映画館のあった場所を探訪してみたい。

中野ひかり座とか、国立スカラ座。
明大前の正栄館、日暮里金美館の跡を見に行くのもいいな。
その前に原稿ですか。書かなきゃダメですか。
けっこうイケズですね、旦那(←誰?)

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僕らが旅をする理由

2021年09月25日 | 映画など
濱口竜介監督「ドライブ・マイ・カー」を見る。
179分の長尺。だが1秒たりとも無駄がない。
言ってみればただクルマに乗って、
無表情な俳優たちが芝居の台詞を喋っているだけの映画。
なのに、訴えかけるものの強さに圧倒され、
最後には心が癒やされるほどだったという。
緻密で思索的でありながら、
映画ならではの開放感に浸ることもできたというか。


クルマの映画だと思う。
ターボ2ドアのサーブ900という真っ赤なクルマが、
生き物のようにするすると道路を疾走し、停車し、徐行する。
静かに響くエンジン音、雨の日のワイパーの動き。
カーステレオから流れる「ワーニャ伯父さん」の台詞。
登場人物たちの感情をあちこちに運んでいるかのよう。

タバコの映画だと思う。
西島秀俊演じる演出家の家福(かふく)も、
三浦透子演じる雇われドライバーのみさきも、
大事な言葉を発する代わりに、タバコに火をつける。
ときおり、タバコを譲ったりライターを渡したり、
火をつけあうことで、お互いの信頼性や友愛を確かめ合っているよう。

台詞の映画だと思う。
死んだ妻が生前、何故浮気をくり返していたのか。
家福は自問自答して悩む。その心境と
舞台「ワーニャ伯父さん」の台詞がシンクロししていく。
演じている自分が本当なのか。それとも
クルマに揺られている自分が本当なのか。
その様子を運転席から感じ取るみさきはあくまでも寡黙で、
助手席という舞台を見る観客のよう。

そしてクライマックス。
映画は、広島からみさきの故郷である北海道まで
長い長いロードムービーとなる。重い重い旅なのに、
空はずっと曇天で、北海道では雪道になるというのに、
だんだん心が晴れやかになっていくのは何故だろう。
それは家福とみさきに限らない。観客もそうだ。
映画にどんな力が働いているのか。移動の快感なのか。
時間が経過するように感じるからだろうか。
ここではない、現実とは離れたところに飛ぶからなのか。

みさきを演じた三浦透子。
その表情、ドライバー然とした立ち振る舞い、
家福を待ちながら文庫本を読む姿、ぶっきらぼうな台詞まわし、
とにもかくにも、すべてが素晴らしい。

家福に演出される俳優で、妻の浮気相手を演じる岡田将生。
クルマの中に異物として入り込み、
物語を動かす役割を担う。実に好演。

主役の西島秀俊。もちろんいいのだけど、
本来こういう硬質なキャラクターに魅力がある人だと思う。
朝ドラ「おかえりモネ」での役柄とのギャップがなんとも。
余談だけど、家福(かふく)という響きが
どうしても「カフカ」と聞こえてしまう。
原作者のハルキ先生はどう感じたんだろう。誰か聞いてみてくださいな。

濱口竜介監督は東日本大震災で被災した人たちの語りを記録した
「なみのおと」「なみのこえ」が
台詞と対話の力で見せ切る傑作ドキュメンタリーだった。
商業デビュー作の「寝ても覚めても」は
どうにも苦手な映画ではあったけれど、もう一度見てみようかな。

コメント (2)
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ツンデレと集中力

2021年09月24日 | 読んでいろいろ思うところが
「本の雑誌」最新号を読む。
書店でパラパラと立ち読みすることはあったけれど、
定期購読しなくなって10年以上経つなあと思いつつ、
最近は「笑って許して誤植ワールド」とか、
「海外ノンフィクションが面白い!」など
けっこう興味深い特集があったりしたので、
書店で見て最新号を購入したという。



で、最新号の特集が
「定年後は本当に本が読めるのか!?」とな。
そうかあ。いつの間にか
高齢者が読む雑誌になっていたのか、としみじみ。

特集を読むと、老眼とか目薬とか
電子書籍は文字が拡大できていい、とか、
白内障になって大変とか。
なかなか定年後にゆったりと本を読むわけにはいかないようで。
忙しかった現役時代のほうが本が読めたという話は
けっこうなリアリティーがあると思う。
年をとって最も衰えるのは集中力だと個人的には思うのだけど、
読書に集中できないという声に、さもありなん、というか。

相米監督の「翔んだカップル」で、
元祖神様(薬師丸ひろ子)がやっていた集中力のポースをしながら、
本を読むしかなさそうだ。
どんなポーズかを知りたい人は、リアルで会ったときに
聞いてくれれば教えてあげてもよろしくてよ。

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平身低頭な輩たち

2021年09月23日 | にやけ男のブルース


「あの〜すいません」
「はい。何でしょう」
「探してる本があるんですけど」
「なんという本ですか」
「あの…ニール・ヤングの…河出書房から出た」
「あ〜はいはい。アレですね〜」

書店員さんの動きが速い。
音楽書の棚にダッシュしたと思ったら、
一瞬でブツを持って戻ってきた。
自分もあの棚を探したんだけど、見当たらなかったのに。

「コレですよね〜」
「あ、はい」
「どうぞ〜」
「す、すいません」
「よろしくお願いします〜」

と足早に去って行く書店員さん。
優秀な人だなあ、と思ったけれど、
もしかして、自分のような輩が何人もいたんじゃないだろうか。
つまり、薄ら笑いを浮かべながら、
小声で申しわけなさそうに「ニール・ヤング…」と聞くおっさんが。

そんなおっさんの行動パターンはわかり切っている。
本を手に入れたあと、きっと上の階にある
中古レコ屋に行くに違いないのだ。
行くものか。行ってたまるか。
このあいだ買おうと思ってたアレが売れていたらどうしよう、とか。
もしかして、新しくアレのアレが入っていたらチビるなあ、とか。
わけのわからない妄想に駆られている輩と一緒にしないでほしい。
行くものか。行ってたまるか。ぐふふ。
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ダダイズムの夜

2021年09月22日 | 日々、徒然に
もう9月も後半ということで、
なんとも時の流れるのは早いというか。
雑誌の仕事をしていると、もう年末進行の話なんかが出たりする。
まだ9月ですよ。今日なんかすげえ暑いじゃないですか。
と駄々をこねても、時間は過ぎる。すべての人に対して平等に。

確か相原コージの漫画で、
ダダをこねるというギャグがあったような。


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