Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

ひらがなのせんぱい

2023年09月30日 | 先のことなんか知るか
書店に寄ったら、
人生の先輩方の対談本、
というか雑談本が出ていた。
サイン本だったので、瞬時に購入。


この人たちのおかげで(せいで)、
人生を誤ってしまったのは、まあ良しとしましょう。
たぶん死ぬまでおもしろおかしく
生きようとしているおふたりの吐息に触れ、
ゆるゆると未来を見据えたいと思います。

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思いは交錯するか

2023年09月29日 | 映画など
チョン・ジュリ監督「あしたの少女」を見る。
パワハラきわまるブラック企業に
研修生として入った女子高生に起こった悲劇。
その痛ましい事件を追いかける刑事の執念。
1本の映画で2本見たかのような重量感と、
なんといってもペ・ドゥナの存在感。彼女に尽きる。


前半は就職を控えた女子高校生ソヒの物語。
実習生として働き始めたコールセンターの
パワハラまみれの実態。働き手の労働力を搾取し、
利益に邁進する非人間的なエピソードが連なり、
それはそれは身の凍るような展開。
現状を打破し、抵抗するソヒの姿は美しいが、
たかが一人の女の子の抗いなど、おかまいなしの世の中を
見せつけられ、絶望しかないというか。

そんなソヒの生き様を丁寧に捜査する
刑事ユジンが主人公となる後半。
ほぼ全編無表情のこの刑事。
ソヒに起こった悲劇が明らかになっていくにつれて、
目に怒りの炎が立ちこめてくる。
凍りつくような映画のなかに伝わってくる体温。
そのあたたかみを感じることで、少しの救いがもたらされる。

「吠える犬はかまない」や
「子猫をお願い」「リンダリンダリンダ」などで
世界中のシネフィルを虜にしたペ・ドゥナ。
40歳を過ぎて、第二の全盛期を迎えていると思う。
是枝監督の「ベイビー・ブローカー」と同じく、
静かな芝居のなかに、感情のかたまりのようなものが
湧き上がってくる感じが素晴らしい。

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草木も喜ぶ辰の刻

2023年09月29日 | 日々、徒然に
NHK朝の連続テレビ小説「らんまん」が終了。
朝ドラを見続けて
10年ほどの若輩者(おっさんだけど)が
言えることではないけれど、名作と断言したい。
半年間、ほんとに楽しませてもらいました。


植物学者、槙野万太郎の
草花に捧げた生涯を演じきった神木くんの
頑張りは賞賛に値すると思う。彼がいてこその
ドラマだったし、安心して見られたというか。
万太郎を支える妻、寿恵子役の浜辺美波の可憐さも
相まって、夫婦愛を謳い上げる最終話も泣かせる。

主役のふたりだけでなく、
脇を固める登場人物たちの描写が丁寧で、
え、こんな脇役も掘り下げるの? と、
作り手の登場人物たちへの愛情はかなりのものがある。

長屋の住人たち、帝国大学の教授や学友たち、
故郷の酒造り問屋の人々など、顔を思い浮かべると
その台詞やたたずまいが脳内にくっきりと浮かんでくる。

俳優はみんな適材適所で好演だったな、と。
印刷所の親方を演じた奥田瑛二、
ああいうコミカルな役どころは新境地かもしれない。
借金取り役で1話だけ登場した六平直政もふくめて、
強面のおっさん(爺さん)ばかり見ていたのはいつものこと。

ヒロイン属性のある成海璃子を
長屋の奥さん役にしたり、高圧的な役が得意な田中哲司に
繊細な芝居をさせたところなど、
多くの俳優の役どころが広がる感じがしたのも楽しかった。

安藤玉恵、前原滉などは安定の脇役ぶりというか。
志尊淳や佐久間由衣もふくめて、
みなさん、さらに売れっ子になっていくことでしょう。

あとナレーションと、
最終週でのまさかのご本人登場。
神様(宮崎あおい)、どうもありがとうございました。

カメラワークも美術も、
まるで映画を見ているような作り込み。
朝ドラの終盤は、いつも予算がなくて
セットの使いまわし感が出ることがあるけれど、
本作は、最終盤で関東大震災を見事に描いていたし。
最後まで飽きることなく見られたわけで、大いに満足。

来週からは「ブギウギ」。
朝ドラ、とくに大阪制作だと芸道ものが多いなと。
戦後日本のアイコンとも言うべき笠置シズ子を
趣里さんがどう演じるのか楽しみです。。
脇を固めるのが草彅くんにギバちゃん、本上まなみ。
それに宇野祥平に岡部たかし、石倉三郎
と、怪しいおっさん(褒め言葉)が
たくさん登場するのも期待が高まる。

そして、なんと神様(蒼井優)も出るっていうじゃないですか。
「らんまん」の神様(宮崎あおい)に続く至福。
いっそ神様(蒼井優)主演でいいんじゃないですかね。
神様(蒼井優)が歌って踊ってくれるだけで号泣ですから。
いまからNHKと趣里さんに断りを入れたっていいですよ。
土下座でも泣き落としでも、いくらでもしてあげますから。
って、ダメですか。んもお。イケズなんだから。
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誘惑の山、陶酔の海

2023年09月27日 | 日々、徒然に
朝から原稿書きで、
いつのまにか午後2時ぐらいになり、
ものすごく空腹なことに気づく。

脱兎のごとく、
いつもの昭和な食堂に駆け込んだと思いねえ。
水曜日はサービスデーで、
カレーの大盛りが普通盛りと同じ値段なのです。
しかもその大盛りはアホみたいな量で、
貧乏でやさぐれている者たちの大いなる味方というか。

入口で食券を買い、
カウンターのおばちゃんに
早く寄こさんかい、大盛りじゃ大盛と大騒ぎ。

だが、しかし。
アホみたいな量と書いたが、
ほんとにアホみたいな量で、それを食す自分は
もっとアホなんじゃないかと思いながら、ひたすら咀嚼。
食しても食しても終わらない。
ご飯の山とカレールーの海はいっこうに減らなかったのです。

完食したあとの自分は、
すべての神経と血液とホルモンと伝達物質が
胃袋に集中したせいで、
脳味噌がまともに作動しなくなってしまったという。
じゃあ、空腹なときは
さぞかし脳味噌が活性化しているような言いっぷりですが、
まったくそんなことはなく、常に停滞気味の脳味噌ですみません。


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地獄の逃避行・挟間篇

2023年09月26日 | 日々、徒然に
茨城は常陸多賀で取材。
東京駅から特急で1時間45分ほど。
逃避じゃないですよ。逃げるんだったら
もっと遠い北の果てに行っちまいますから。


河原子海岸と言うらしい。
ひなびた海水浴場な雰囲気というか。人がほとんど見当たらない。
暑くも寒くもなく、心地良い風が吹いてきた。
こんなところで麦のアレを
きゅううっといけたらいいのだけど。
このあと、ノンストップな取材が4時間以上も続くとは、
誰も思わなかった関東と東北の挟間。

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深く頭(こうべ)を垂れて

2023年09月25日 | 日々、徒然に
月曜日である。
週の初っぱなから地方取材とな。
気力も体力も思い切り使うことになるんだろうな、
と溜息をつき、とりあえずいつもの朝ドラ。


かっ、神様(宮崎あおい)が!
これまでナレーションだけだったじゃないですか。
なんと最終週での登場とは、世界中の信者が卒倒しております。

15分間、テレビの前で正座して
拝読および拝聴しておりました。
あんたもちゃんとやりなさいよ、
と神様(宮崎あおい)に言われた気がしたので、ちゃんとします。

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ファンタジーみつけた

2023年09月24日 | 映画など
山田洋次監督「こんにちは、母さん」を見る。
何度も同じことを書くけれど、
この監督は何本傑作を撮ったら気が済むのだろう。
そして、吉永小百合のあらたな代表作だと断言したい。


傑作である理由はいくつか、ある。

本作の主演は明らかに大泉洋だ。
この俳優さん、受けの芝居がとても上手い。
大組織の論理で親友で同僚のクドカンを
馘首せざえるを得ない苦渋な感じや、
自然体で生きている母親の吉永小百合や
娘の永野芽郁に影響されて、
だんだん人間らしさを取り戻していく感じが、
じつにわかりやすくて、楽しい。
大泉洋が務める大企業の非人間的なオフィスと、
ほぼファンタジーだと思いつつも、
人間的なあたたかみのある向島の街並み。
このふたつのロケーションのコントラストを見せつけ、
どうだ、これが映画なんだ、
という山田監督のドヤ顔が目に浮かぶ。

傑作である理由はもうひとつ。
脇に回った吉永小百合がとてもいいからだ。
もちろん本作は彼女の主演作だと謳われているけれど、
息子である大泉洋からの視点で描かれることで、
こんな可愛らしいおばあちゃんって
もしかしたらいるかもな、というギリギリのリアル感がある。

恋する女としての現役感を入れるのは、
ずっとこれまでの吉永小百合主演作に不可欠だったけれど、
本作ぐらいのさりげなさが、いい。
牧師の寺尾聰もホームレスの田中泯も、
彼女に愛の告白をしようなんて
厚顔無恥なところがまるでないのが
なんとも素敵だなあと。

高倉健と同様、主演しかできないのが
吉永小百合という大スターなのだけど、
本作の吉永さんは、俳優としての可能性を
大いに広げたのではないだろうか。
それが山田監督の狙いだとしたら、
この監督、やっぱり、すげえ。
吉永さん、健さんが到達できなかった境地に行けそうです。

ほんとにそう思いますよ。シネフィル的にも
吉永小百合が凄いと思ったのは
市川崑「細雪」と大林宣彦「女ざかり」以来というか。
だとすると30年ぶりぐらいの傑作なのかも、
と世界中のシネフィルは盛り上がっているのです。

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その先は桃源郷

2023年09月23日 | 先のことなんか知るか

あれ。
いかにも怪しい路地が目の前に。
ここはどこ? わたしは誰?

教えてやろう。
ここは仕事場近くの路地で、
お前はただのやさぐれたおっさんだ。

って、正解言わないでくださいよ。
正しいコトがいいとは限らないじゃないですか。
もう少し、この怪しげな路地で佇んでいたいのに。
どうも路地の奥から「おいでおいで」という声が
しているような気がしてならないんです。行っちゃおうかな。


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スクリーミング・イン・ザ・レイン

2023年09月22日 | 日々、徒然に
夕方から豪雨。

かなり気温が下がった感じがある。
これから雨が降るごとに
秋が深まっていくのかな。
ってほんとは1か月前ぐらいに言うことでしょう。
んもお。温暖化の馬鹿。唐変木。

仕事場のあるビルの階段を下りた先で、
雨宿りをしながら、豪雨にはしゃいでいる女性たちに遭遇。
ビルの出口を塞いだ形の彼女たちは、
階段を下りてきたやさぐれたおっさんなど
まるで眼中になく「やだあ」「なにこの雨」と。
こっちの方こそ「やだあ」と言いたくなるのを
ぐっと堪えて、いつもの「すいませんすいません」
と平身低頭で道を開けてもらうのでした。
いっそ「生まれてすいません」と言うべきだったかな、
と卑屈さが極まる金曜日の夜。

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先送りの人生

2023年09月21日 | 日々、徒然に
午後からリモートで
とある作家さんの取材。
気持ち良く話していただけたと思いつつ、
要は原稿がどれだけちゃんとしているか。というか、
まあ、原稿を書くときの自分は
きっとがんばると思います。きっと。きっと。

「3月のライオン」の17巻を
ちゃんと読むために10巻からさかのぼっていて、
ようやくこの最新巻にたどり着いたというか。
文字の本を読むのも遅いが、マンガを読むスピードも遅いんです。
ともあれ、零と二階堂の対局に燃え、
商売上手のあかりさんにほっこり。羽海野チカ先生凄いなあ。

読み終わったら、これまた
記憶が薄れている松田奈緒子「重版出来!」を
10巻から読み直し、最近完結した20巻まで
突き進もうかと。たまにしか出ないマンガの最新巻は
読む前に、前の巻から読み直すに限ります。
吉田秋生「詩歌川百景」とか。
と思ったら最新巻出てるじゃないの。あらま。
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