園子温監督『ヒミズ』を見る。
いつの間にか日本映画、ひいては
世界中の映画の最先端に躍り出たこの監督の新作。
アングラとはもう誰にも言わせないほどの強度と
真摯な語り口に、感動せざるを得ないというか。
古谷実の原作漫画は読んでいないのだけど、
それはそれは悲惨な物語。
ボート屋を営む中学生・住田祐一(染谷将太)が主人公。
家を出た父親は、頻繁に金をせびりにきては、息子に向かって、
「お前ってほんと、死ねばいいのに」としみじみ語り、
母親は他の男と駆け落ちして、家を出てしまう。
学校にも行けず、絶望の淵に立たされる。
敷地内に住むホームレスの住人たちと、
クラスメートの茶沢景子(二階堂ふみ)だけが祐一の理解者だが、
彼らの気持ちを受け入れることができず、
人でなしの父親に苦しめられ、借金取りのヤクザに半殺しの目に遭う。
この世の地獄かと思える描写とエピソードが続くなか、
ボート屋の対岸にある川が、まるでもう一人の主人公のように映し出される。
祐一を始めとする登場人物たちは、みな雨に濡れ、
川に飛び込んだり落とされたりする描写が続く。
水の中でうごめくこと。それが生き物であり、人間なのだと
言っているかのようだ。
それでも祐一は死なない。
息絶え絶えでも自分の足で走ることを選ぶ。
絶望しても生きろ。いつでもやり直せる。
そんな強烈なメッセージが伝わってくると同時に、
東日本大震災の被災地が映し出された瞬間、
メッセージはこの映画を見たすべての人に届くほどの強度を持つ。
染谷将太は、まだ10代なのに
決定的な代表作をものにしたような気がするし、
二階堂ふみは、何かに取り憑かれたような怪演を見せ、
これまた強烈なインパクトを残す。
ところどころで、神様(宮崎あおい)そっくりの表情を見せるので、
信者はそのたびにドキドキしていた、
って横道に逸れちまいましたな。
いつの間にか日本映画、ひいては
世界中の映画の最先端に躍り出たこの監督の新作。
アングラとはもう誰にも言わせないほどの強度と
真摯な語り口に、感動せざるを得ないというか。
古谷実の原作漫画は読んでいないのだけど、
それはそれは悲惨な物語。
ボート屋を営む中学生・住田祐一(染谷将太)が主人公。
家を出た父親は、頻繁に金をせびりにきては、息子に向かって、
「お前ってほんと、死ねばいいのに」としみじみ語り、
母親は他の男と駆け落ちして、家を出てしまう。
学校にも行けず、絶望の淵に立たされる。
敷地内に住むホームレスの住人たちと、
クラスメートの茶沢景子(二階堂ふみ)だけが祐一の理解者だが、
彼らの気持ちを受け入れることができず、
人でなしの父親に苦しめられ、借金取りのヤクザに半殺しの目に遭う。
この世の地獄かと思える描写とエピソードが続くなか、
ボート屋の対岸にある川が、まるでもう一人の主人公のように映し出される。
祐一を始めとする登場人物たちは、みな雨に濡れ、
川に飛び込んだり落とされたりする描写が続く。
水の中でうごめくこと。それが生き物であり、人間なのだと
言っているかのようだ。
それでも祐一は死なない。
息絶え絶えでも自分の足で走ることを選ぶ。
絶望しても生きろ。いつでもやり直せる。
そんな強烈なメッセージが伝わってくると同時に、
東日本大震災の被災地が映し出された瞬間、
メッセージはこの映画を見たすべての人に届くほどの強度を持つ。
染谷将太は、まだ10代なのに
決定的な代表作をものにしたような気がするし、
二階堂ふみは、何かに取り憑かれたような怪演を見せ、
これまた強烈なインパクトを残す。
ところどころで、神様(宮崎あおい)そっくりの表情を見せるので、
信者はそのたびにドキドキしていた、
って横道に逸れちまいましたな。