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Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

記号とアイコンと自負と自虐

2022年02月28日 | 読んでいろいろ思うところが
南信長「漫画家の自画像」(左右社)を読む。
手塚治虫のお馴染みのベレー帽をかぶった自画像を始め、
400以上の漫画家の自画像の意味を考察、分析し、
その変遷を通してマンガ文化の豊かさに触れる書。
きちんと図版が収録されていて
楽しさと説得力が倍加されるだけでなく、
年表や索引も充実。資料的価値も高い。


マンガという表現方法において、
作者本人が作中に登場するのは
ごくごく当たり前のことであり、何の不自然さも感じない。
でもよくよく考えると、
小説や映画では、作り手が劇中にいきなり出てきて、
ときには物語を動かしてしまうほどの
存在感を示すことは多くないと思われる(私小説やエッセイは別)。
いわゆるメタ的な表現がごく普通に見られるのは
マンガ特有の現象だということがわかる。

自分が小学生の頃、ジャンプやサンデーなど、
作者の似顔絵と近況が書かれた奥付のページは
必ず読んでいたし、永井豪や本宮ひろ志の
似顔絵と本人の実像を(たとえ似ていなくても)
完全に同一視していたことを思い出した。

本書はそれぞれの漫画家が、
自画像をどのように捉えて描いているのか。
本人そっくりの場合もあれば、
美化されている場合もある。
あるいは動物(荒川弘とか)や
ロボット(鳥山明とか)みたいな自画像を描く人もいて、
そうした実例をいちいち分析していく著者の筆致が嬉しそう。
小林よしのりみたいに、
「東大一直線」の頃は冴えない浪人風だったのが、
「ゴーマニズム宣言」の頃はイケメンになるなど、
同一の漫画家の似顔絵の変遷も興味深い。

本書のテーマは、
漫画家が出てくるマンガの歴史的立ち位置を
はっきりさせることだと思われ、
後半出てくる、ものすごい数の漫画家マンガを
語っていくくだりのドライブ感に圧倒される。

ほんとに労作だと思う。
でも力が入っているようには見えず、
ひたすら楽しい感じが伝わってくる。
だから、労作と言うよりは、快作とか充実作とか
そんな形容をしたくなるのです。

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翻訳駆使

2022年02月27日 | 日々、徒然に
Стій!
Останавливаться!
!قف
!תפסיק
Stop!
Arrêter!
Stoppen!
ရပ်!
그만!
停止!

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人として最低限の

2022年02月26日 | 日々、徒然に
知り合いがひょんなことから
レコードプレイヤーをもらったらしい。
好きなバンドのLPを買って聞いているという。
ただレコードの扱い方がよくわからないというので、
とりあえずディスクユニオンで買った
レコードクリーナーをプレゼント。

げしし。うひょひょ。
おぬしも中古レコの沼にはまるがいい。
そのうち、いても立ってもいられず、
安レコのエサ箱を漁るようになるんじゃろな。
げしし。うひょひょ。

とにやけけてしまったが、いかんいかん。
そんな邪悪な発言は、人としていかがなものか、
と自重に次ぐ自重の土曜日。
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ザ・デッドの夕刻

2022年02月25日 | Don't Cry No Tears
ZOOM会議が2件。

最初の会議は、
新しい本の制作依頼で、
版元さんからコンセプトなどをうかがいつつ、
どんな感じでつくればいいのかを話し合う。
はっきりとイメージが掴めるまで
もう少し調査が必要、というか。

もうひとつの会議は、
締切がひたひたと近づきつつある
本の構成案の打ち合わせで、ああだこうだと2時間。
どうやってまとめるのかは、
結局のところ宿題となってしまい、
なかなか難儀だなあと。

さらに原稿依頼のメールがあり、
「思い切りアホな原稿にしてください」とのオーダー。
なんちゅう依頼じゃ、と驚愕するが、
アホな原稿は、アホな人間には書けないことは確か。

すでに精根尽き果てゾンビ状態ですが、
ライターさんの原稿を待つのと、
イラストレーターさんに
新規のお願いをしないと。
金曜で、しかも夕方になるというのに
あたふたしているのは仕事ができない証拠じゃ、
ってほっとかんかい、あん?

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眠れない夜のために

2022年02月25日 | 日々、徒然に
理性的なものを信じましょう。
不安をあおったり不確実なものを広めたり
さも事実のように吹聴する人間やメディアを疑いましょう。
こういうときに最も必要なのは冷静さと寛容さ、思いやり、助け合い。
メディアとか政治家、官僚、学者にそういった能力がないなら、
市井の我々どうしが助け合って励まし合って乗り越えて参りましょう。

先日のFM東京。
山下達郎「サンデーソングブック」での
達郎さんの言葉。音楽番組のMCで
こんなコトを言わせる世の中なんて。
コロナ禍の日本社会を憂いて
語っているのだと思われるけれど、
ウクライナのことでも、まったく当てはまる言葉というか。


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スパシーバが言えなくて

2022年02月24日 | いやはやなんとも

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ここは真打ち登場で

2022年02月24日 | 日々、徒然に
口内炎も腱鞘炎もひどいが、
ウクライナ情勢もひどい。

プーチン大統領がいきなりウクライナの
親ロシア地域の独立を承認するとは思わなかった。
もともとウクライナは多民族国家で、
プーチンが承認したドネツクとルンガンスクは、
ロシア系住民が多いこともあり、
クリミアと同じく実効支配しようとしているのだろう。

プーチンが強気でいられる背景には、
ロシアには石油や天然ガスなどの豊富な資源があり、
資源を供給する側としても優位に立っているからだと想像する。
自国の軍事力にも自信があるのだろう。

対する欧米諸国。
経済制裁ぐらいでは動じないロシアに手を焼いている様子。
国内の支持率が下がっているバイデン大統領は、
焦ってマッチョイズムに走り、派兵する危険性がある。

このまま戦争ということになると、さらに原油高となり、
日本でもあらゆる生活用品の物価がますます上がるだろう。
それは勘弁してほしい。そもそも戦争はダメでしょう。
みんな仲良くできないのかな。世界の偉い人たちには、
なんとか平和的解決ができるような落としどころを見つけてほしい。

偉い人と言えば、
ここはやはりあの人の登場を望みたい。
かつてプーチン相手に、
「ウラジミール〜」と親しげに話しかけたあの人です。
一緒に手に手を取って、平和に向かって
駆けて駆けて駆け抜いてくださいな。
なんなら、ついこの間まで大統領だった
赤いネクタイの人と一緒に
モスクワに出張ってくださいな。
仲良かったですからね、みなさん。
それくらいやってくれたら
ノーベル平和賞とかくれてやってもよろしくてよ。

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半笑いではいられない

2022年02月23日 | 満身創痍な
口内炎もひどいが、
右手が腱鞘炎のようで、
指に力が入らず往生している。
ただでさえずっとPCの前で仕事をしているわけで、
タイピングに難儀するのがとても困る。

心配なので、
近くの整形外科で診てもらう。
先生は「特に異常はないですね」と半笑い。
とりあえず湿布を出してもらい、
ペタペタと手首や肘に張りまくる。
もともと肩凝りがひどいし、
もしかすると肩や首に問題があるかも。
まずは様子を見るしかないのだろう。

いま音声の文字起こしができるアプリは、
どれくらいの精度なんだろう。いいものがあればぜひ導入したい。
あるいは音声入力とか視線入力とか。
この先、いろんな感覚器が衰えていくだろうから、
そのうち考えないといけないのかな。
誰かいいアプリとか機器があったら教えてください。
というか、そういう本つくろうかしら。
コメント (2)
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悶絶の日々

2022年02月22日 | 満身創痍な
ここ数日、口内炎がひどい。
舌下のところが2箇所もぷくんと腫れていて、
食べ物が当たると痛い痛い。噛み合わせが良くないのか、
歯の調子も今ひとつ。

なので食べるのに時間がかかる上に、
あまり多く食べられないので、すぐ空腹になってしまう。
そのため、

はらが、へった。

と、「孤独のグルメ」の
井之頭五郎状態が続くのでした。



食い意地が張っているのは、
おそらく体が生きようとしているからだろうと
好意的に解釈して、腫れ物が引くのを待つ。
原因は疲れかな。ストレスかな。
それとも麦のアレかな。焼きそばかな。全部か。

写真はこのあいだ行った
谷口ジロー展で、世田谷文学館のロビーにたたずむ五郎さん。
ドラマと違いクールな表情だけど、
内心はきっと空腹で悶絶しているのでしょう。

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想像を超えた言葉たち

2022年02月21日 | 読んでいろいろ思うところが
スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ
「戦争は女の顔をしていない」(岩波現代文庫)を
Kindleで少しずつ少しずつ読む。
独ソ戦で従軍した女性たちの証言集。
重い衝撃と哀しみがまぜこぜに押し寄せてきて、
受け止められないまま読了していたという。


なぜ少しずつしか読めなかったかというと、
読むのがとても辛かったからだ。
第二次大戦でナチスドイツ軍と戦った旧ソ連の女性たち。
看護兵としてだけでなく、兵士として、
あるいはパルチザンとして徹底的に戦った女性たちの証言を
著者は少しずつ少しずつ引き出していく。

若い人だと15歳とか16歳、
年端もいかない少女といっていい女性たちが
ソ連軍に多く含まれていたという。
彼女たちは、仲間の兵や敵兵、さらには自分の夫や家族、
子供が殺されていく様を訥々と語っていく。

そうやって国のために必死で戦った女性たちは、
勝利して故郷に帰ったら、女兵士だったという理由で
尊敬もされず、結婚もなかなかできないという差別に遭う。
さらに戦時中のPTSDに悩まされながら、
戦後のソ連、ロシアを生き抜いた人たち。

あるパルチザンの女性は
ずっと4歳の娘を帯同せざるを得ず、
あるとき娘にこう言われる
「撃たれていてもどうしてお母ちゃんが
伏せないのか知ってるよ。
ふたり一緒に殺された方がいいと思っているんでしょ?」

射撃兵だった女性は
戦争が終わり、同じ住宅の女たちに侮辱を受けたと語る。
「私の司令官が復員してきました。私たちは結婚しました。
一年後、彼は他の女のところに行ってしまいました。
私が働いていた工場の食堂の支配人のところへ。
彼女は香水の匂いがするんだ。
君は軍靴と巻き布のにおいだからな、と」

彼女たちの言葉の数々を引き出す
著者の胆力によるところも大きいのだろう。
それに反して、あまりの言葉の強烈さに、
少しずつしか読めず。ちゃんと受け止めるほどの
胆力は自分にないことがわかり、
なんとも情けない思いに苛まれるのでした。

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