総理 ふう。
秘書 あれ、総理お疲れですね。
総理 そうなんだよ~なんか周りがうるさくてさあ。
秘書 入管法ですか。
総理 そうそう。もう決まったんだからいいじゃんか。これで外国から安い労働力が入ってくるんだから、ウハウハじゃないの、みんな。
秘書 それは儲かる企業だけの話です。
総理 そんなことないよ~企業が儲かれば、雇用が生まれるんだからさあ。
秘書 それは人件費が安く済む雇用ですよね。
総理 そうだよ。だいたい日本は人件費が高いんだよ。まったく。
秘書 日本の最低賃金は先進国の中でも低いんですけど。
総理 そうなの? だってさあ、お金がいくらあっても足りないんだよ。
秘書 兵器ばっかり買うからですよ。
総理 仕方ないじゃんか。あの赤いネクタイの人が買え買えって。
秘書 カジノもあの人の関係者にやらせるんですよね。
総理 そうそう。だから万博のあとはカジノだよ。まったく。
秘書 ロシアのあの冷たい目の元KGBの人からは、日本には主権がないって言われてますけど。
総理 そうなの? もう、上から下から困るなあ。あの人怖いんだよねえ。まあお金を積めば少しは静かになるけどね。それにしても出費がかさむったらありゃしない。
秘書 その出費の出所は税金ですよ。
総理 わかってるって。うまく使うから、ボク。
秘書 水道も民営化させるんですね。
総理 うん。水道なんか維持するだけで大変じゃない。それこそ税金の無駄遣いだよ。あんなのは民営化して連中に任せちゃえばいいんだよ。商売は商売人に任せるのが一番。それより大事なことは改憲だよ、改憲!
秘書 やっぱりソレですか。
総理 うん。ボクはそのためにやってるからね。
秘書 やってどうするんですか。
総理 そりゃあ、ボクの名前が教科書に載るじゃんか。
秘書 載るっていっても、せいぜい欄外でしょ。試験に出ませんよ。
総理 そうなの? 2020年に改憲したときの総理大臣を答えよ、なんて問題が出るんじゃないの? 出たらいいなあ。うしし。
秘書 簡単な問題ですね。
総理 それでいいんだよ。ボクのおかげで試験を受ける人は1点とか2点稼げるんだよ。
秘書 総理も点数稼ぎしないと。
総理 そうなんだよねえ。赤いネクタイの人とか、冷たい目付きの元KGBの人とか、あとクマのプーさんに似てる人とか。
秘書 いいんですか、そんなこと言って。
総理 大丈夫だよ。プーさんとも仲よくやってるからさ、ボク。一党独裁でお金持ちだしねプーさん。
秘書 プーさんプーさんって。やばいですよ。聞いてますよ。
総理 そうなの? 地獄耳だねえ。耳でかいしね。さすがプーさん。
秘書 それはダンボでしょ。
総理 あ、そうか。プーさんじゃないか。あっはっは。
秘書 いつか地獄に堕ちますよ、総理。
総理 そうなの? ボク、育ちがいいからさあ、いちど堕ちてもいいかもね。落ちたら、ボッチャン! と音がしたりしてね。ぼっちゃんだけに。あっはっは。
秘書 自分で言いますか。総理、そのまま堕ちて沈んでいてください。