先日、東京外大で
スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチさんの講演があった。
「戦争は女の顔をしていない」や「チェルノブイリの祈り」など、
一貫してロシアの市井の人々にインタビューをして、
彼ら彼女らの思いを地道に綴っている作家だ。
その著書はどれも重く厳しく、読むのがつらいのだけど、
戦争被害者の、遺族の、被爆者の声が、
真にせまってくるところが、なんとも。
ノーベル賞作家ということもあるのだろう。講演は大盛況。
学生からの質問で、人々に話を聞くときの
アプローチの方法を聞かれた
アレクシエーヴィッチさんの返答。
方法論はありません。
その人の目、動きを見て初めて言葉が出ます。
その人の命、人生、日々について話をして、
丸ごと受け止めるのです。
話を聞く人は、
良い人でなければなりません。
面白いと思ってもらえる人でなければなりません。
そして、強い人でなければなりません。