Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

青春時代が夢なんて

2021年11月30日 | 映画など
森田芳光監督
「ピンクカット 太く愛して深く愛して」を見る。
83年製作だから、もう38年前の映画なんだな。
すっとぼけた演出が満載のライトコメディの傑作で、
80年代の邦画を代表する青春映画だと確信した次第。


ものすごく久し振りに見返して、あらゆるところに感動している。
ポルノ界の聖子ちゃんとして人気を博した
寺島まゆみのポップな個性。
相手役で森田映画の常連だった
伊藤克信の棒読み演技のおかしさ。
アンニュイ(当時でも死語)な魅力で、
ポルノ界の百恵ちゃんと言われた井上麻衣。
レジャーランドと揶揄された
当時の能天気なキャンパスライフ。
それでもバブル前だから、みんなどことなく
野暮ったくて貧乏くさい。
私鉄沿線にある狭いアパートで、
本や雑誌、映画スターのポスターなどに囲まれ
若さを持て余しているという。

両親が死に、実家の理容店を
やりくりしている寺島まゆみも、
就活がいまひとつうまくいかない伊藤克信も、
どこか能天気で、浮かれてフワフワした感じ。
神代辰巳や田中登といった監督たちのような、
情念たっぷりの性愛を歌い上げる、
70年代的なロマンポルノとは遠く離れた世界。

そんな価値観がわかるのは
同時代に生きた人だけ、と思ったりもする。
初めて本作を見る若い人(いるのか?)はどう思うのだろう。
やっぱり軽いのかな。能天気なのかな。
でもそこがいいんじゃない、
とみうらじゅん的なフォローを入れつつ、
幸福感にあふれたラストのミュージカルシーンで
すべてを許したくなる映画なのです。

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スモーク・イン・ザ・ナイト

2021年11月29日 | 日々、徒然に
ようやく入稿。
もう煙も出ません。

朝の9時からずっと作業で、
そのあいだ、
コンビニのサンドイッチを食べたきり。
もう煙も出ません。

本というものは、
入稿して校正が上がってから勝負。
まったく予断を許さないけれど、
もう煙も出ません。



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また逢う日まで

2021年11月28日 | 日々、徒然に
ちょいと懐かしい人から連絡があり、
仕事場を抜け出して、コソコソと新宿まで。
ほんの少量というか、
ごくごくわずかの麦のアレをいただきながら、
とりとめのない四方山話をする。
コロナ禍以来の再会だったので、
お互い何とか生きていることが確認できたというか。
でもね、仕事なんですよ。終わんないんですよ。またね、
という感じで解散。今度会うのはいつになるだろう。


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燃えさかる過去

2021年11月27日 | 映画など
アンドリュー・レビタス監督
「MINAMATA ミナマタ」を見る。
水俣病の存在を世界に知らしめた写真家、
ユージン・スミスの水俣での苦闘を描く。
日本に生きる者として、
やはり見ておかなければいけないというか。
「水俣 患者さんとその世界」など土本典昭の
ドキュメンタリー映画と共に、記憶に残しておきたい作品。


本作のユージンは、とにかく汚いおっさんである。
高名な写真家ではあったけれど、頑固者でアル中。
生活者としては、おそらく破綻していたであろう彼を
ことさらに英雄扱いしないところが好ましい。
ましてやジョニデが演じているのだから、
もっとカッコ良く描くこともできただろうに。
映画は、アル中でおぼつかない体を奮い立たせながら、
カメラのシャッターを切る姿を淡々と追うことに専心する。

胎児性水俣病の少女の写真を撮る場面。
少女とふたりっきりにさせられたユージンが、
ゆっくりと彼女を抱き、
ディランの「フォーエヴァー・ヤング」を口ずさむ。
なんという静謐さだろう。

ジョニデを始めとする
この映画の作り手たちは、
水俣病を始めとする、理不尽な「人災」への
怒りがあることは明らかだが、
それと共に、美しい映画を撮ろうという意識があったと推測する。

土本典昭の水俣映画もそうだ。
水俣病を引き起こした側への怒りがあるのは当然のこと、
あの地で生きる人たちへのリスペクトがあったからこそ、
水銀で汚された水俣の海があれだけ美しく見えたわけで。

真田広之、加瀬亮、浅野忠信といった
豪華な日本人キャストもみんな好演で、
とりわけチッソの社長を演じた國村隼の存在感が出色。
すべての感情をシャットアウトして、
抗議団体と対峙する不気味なメンタリティ。
権力者というものはこういうものかもしれないと戦慄したのでした。

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断絶の夜

2021年11月26日 | やさぐれ男のつぶやき
夕方の5時からZOOMで
著者の先生と編集さんの3人で
週明け入稿の本について最終打ち合わせ。
最終と言いつつ、懸案事項が次から次へと。
どうすんですか〜終わんないですよ〜、
というオーラを目一杯出したのはいいけれど、
リモートだとちいとも伝わらないのでした。
そんなこんなで
5時間ぶっ続けの会議となり死んでおります。

懸案事項は仕事だけじゃなく、
人生にもそれはそれはたくさんあるわけで、
さて、どうしたものかと佇んでいたら午前様。

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念押しの「ね」

2021年11月25日 | 小さなことからコツコツと
立憲民主党の代表選が真っ最中。
衆院選前の自民党の代表選と比べて
メディアの扱いは小さい、でも、
それなりに丁寧に追っていけば、
立候補した4人の考え方がおぼろげながらわかってくる。
ただ、ぼーっとニュースを眺めているだけだと
なんとなくリベラルなことを言っている感じというか、
みんな同じに見えてしまうのは否めない。

朝日新聞の夕刊で、この4人のパーソナリティ分析が。
それによると、逢坂さんが「派手さはなくても堅実」。
小川さん「誠実性際立つ正直者」。泉さん「調和解決力」。
そして西村さん「ストレス耐性最も高め」だと。なるほど。

とはいえ、自分は投票できないので、
自民の代表選同様、見守るしかないわけで。
誰が代表になるにしても、
消費税を下げて、温暖化対策をして、
マイノリティーに優しい国づくりをしてくださいね。
きよし師匠の教えを守りつつ、ね。ねったら、ねっ。

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メディテーションと死語

2021年11月24日 | 日々、徒然に
今週末の入稿を控え、てんやわんや(死語)。
ギリギリの状況でありながら、難問がいくつも立ちはだかる。

これまでいくつもの壁を乗り越えたり、
壁に気づかないフリをしてやり過ごしたり、
無理矢理、壁に穴を開けて、
ルール違反な乗り越え方をしたりしてきた。
そんなヨコシマな生き方をしていた自分は、
ホントにこの壁を乗り越えられるのだろうか。
急がば回れ、の精神で
ひとつずつ難問を片付けていくしかないのだろう、と。

こんなときは、
最近首ったけ(死語)のラーキン・ポーの
ロックレジェンドなカバーを聞くに限る。
驚いたのはビートルズの
「ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー」を演っていること。
素晴らしすぎるお姐さんたちにぞっこん(死語)です。
このまま瞑想の世界に逃避してもいいですか。


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きゅうっとやさしく

2021年11月22日 | やさぐれレシピ
うーむ。困った。
ホウレンソウが残っている。

2秒ほど悩み、鍋に水を入れコンロに火をかける。
沸騰したところで、ホウレンソウの根っこだけ20秒ほど
足湯のようにして茹でる。

そのあと全身を鍋に投入して2分。
ザルにあけて、水で冷やし、
きゅうっと水分をしぼる。
それはそれはやさしく、きゅうっと。
しぼったあとは包丁で5等分にして、
醤油にみりんを足したものでひたす。
カツブシをぱらぱらとかけて、
ホウレンソウのおひたしの出来上がり。

ふつう、ホウレンソウはサラダにしたり、
味噌汁やスープの具に使うのだけど、
こんなベーシックな料理が
あることを忘れていた。しかも素晴らしく美味。

味がわかるということは、
まだ心身がまともだということだろう。


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走れよ、自分の速さで

2021年11月21日 | 映画など
斉藤久志監督「草の響き」を見る。
原作が佐藤泰志で、舞台が函館。
つまり「海炭市叙景」「そこのみにて光輝く」
「オーバー・フェンス」「きみの鳥はうたえる」
と同じ原作者とロケ地で、なおかつこの4作は秀作ばかりなので、
斉藤監督やメインキャストの人たちには、
さぞかしプレッシャーだったと想像する。
でも、そんな下衆の勘繰りなどどこ吹く風、
まったくもって素晴らしい映画を届けてくれたのです。


走る映画、だと思う。
東出昌大演じる和雄は、精神疾患に悩まされ、
医師の勧めでランニングを始め、没頭する。
「狂ったように走ってるんだから」と
溜息をつく妻の純子の言葉に、
「狂わないように走っているんだ」と返す和雄。

走ることは爽快感に繫がるはずが、
いったいどこを走っているのか、
何のために走っているのか。ゴールはどこなのか。
答えを見つけられないまま、ただ走る主人公。
その姿を見た高校生の彰と弘斗も、走る。
走って何かを見つけようとして、でも見つけられない痛々しさ。
この高校生たちと主人公との接点は、ただ一緒に走るだけ。
ときおり彼らのサイドストーリーが語られ、それが
この映画に深い陰影を与えていく。

人生はかくもしんどいけれど、
それでも走り続けるしかないのだろう。
和雄が走れば走るほど、
肉体が研ぎ澄まされていけばいくほど、
その思いが強くなる映画だったという。

東出昌大も奈緒も
これまでの2人のベストかもしれないと思った次第。
肉体派でありながら繊細な芝居をする東出と、
受けの芝居に徹しつつ、最後に映画のクライマックスを
かっさらっていく奈緒の存在感は素晴らしい。

でも最高の演技をしたのは、2人が飼っている犬のニコだろう。
重苦しい空気のなか、この犬の無軌道な動きに癒やされる。
どんな名優も、子役と動物には勝てないと言うけれど、
本作はまさにその好例ではないだろうか。

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うらやみの日々

2021年11月20日 | 我がドラゴンズ
ラジコで日本シリーズを聞きながら、仕事。
スワローズとバファローズの
どちらのファンでもないので、安心して聞けるというか。

やれやれ。ほんと良かったですよ。
もしドラゴンズが出ていたとしたら、
気になりすぎて、仕事に差し支えるじゃないですか。
まあね。どうせ出てませんから。今頃は立浪新監督のもと
選手たちはそれはそれはしごかれているはずですから。
だから来年の今頃は
自分は仕事どころじゃないと思いますよ。
きっと。おそらく。たぶん。

ともあれ、
日シリ第1戦はバファローズのサヨナラ勝ちとな。
なんという面白い試合をしてるんだろう。
山本由伸はあまり調子は良くなかったようだけど、
中村悠平はよく打ったなあ。
そのあとモヤの同点弾にしびれる。
あのですね。ドラゴンズはなぜ
こんな優良な助っ人を放出したんですか。もお。
村上の逆転打もすごい。結局のところスワローズは負けたけれど、
ファンには大満足の試合だったのでは、と。
いいな。いいな。11月の末まで楽しめるなんてさ。
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