吉本浩二「ルーザーズ」第1巻(双葉社)を読む。
「ブラックジャック創作秘話」の作者が、
双葉社の「漫画アクション」の歴史を描くんだから、
それは面白いに決まっているだろうと、書店で見つけて即買い。
第1巻の内容は、「ルパン三世」の誕生前夜。
北海道から漫画家を夢見てやってきた青年が、
編集者に見出されて、
いかにモンキー・パンチになっていくかが描かれる。
期待通り、無類の面白さだ。
「漫画アクション」が創刊されたのが1967年。
当時は少年マンガ週刊誌が空前のブームだったけど、
大人が読むマンガ誌はさほど活況ではなかったところに、
モンキー・パンチ先生のバタ臭い漫画は、
さぞかし新鮮だったに違いない。
「女がうまく描けていない」と編集者に言われ、
その足で絵画教室に行き、ヌードのデッサンにいそしむ
青年時代のモンキー・パンチ先生。
編集者も、文学くずれみたいな人ばかりで、
マンガなんて子供の読むものだと見下していた人が多いなか、
本気で大人のマンガ誌作りに賭ける人たちの姿が、
この作者の泥臭くて熱量のある筆致で語られていく。
第2巻はバロン吉本が登場するらしい。
そのうち上村一夫とか、どおくまん、長谷川法世、
いしいひさいち、はるき悦己、
そして大友克洋が登場してくるのだろうか。
ぜひ、読んでみたい。頑張って描いてください。吉本先生。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます