なんてこった。
シェリー・デュバルも亡くなったのか。
「シャイニング」で語られるのは仕方ないとはいえ、
この人はアルトマン映画のヒロインであり、
可憐ではかなげで、ちょっと浮世離れした
危ういところのある女の子という印象が強い。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/c9/bb151abcef9aed4d4767091f1f223f83.jpg)
「ボウイ&キーチ」のあまりにも若くて
無軌道なアウトローカップルの片割れで、
キース・キャラダインとのアンサンブルが素晴らしかった。
「BIRD★SHIT」では、鳥のように
空を飛ぶことを夢想する少年バッド・コートを支える
能天気なお姉さんを演じていて、
このヘンテコなコメディ映画を彩っていた。
写真を見ると可愛らしくて、ゴールディー・ホーンみたいな
ラブコメ路線も行けたのではないかと夢想する。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/6d/7d47fa965e0857e5a9193d05a89e6491.jpg)
アルトマン映画ではほかに「ギャンブラー」「ナッシュビル」
そして極めつけの怪作「ポパイ」での
オリーブ・オイルまんまの姿は、
映画史に残る醜悪さ(褒め言葉)だと思う。
線の細さが買われたのだろうか。
この女優を絶叫させたらさぞかし面白いだろう。
キューブリックがそう思ったかどうかは知らないが、
「シャイニング」撮影時に彼女は、
キューブリックの執拗なパワハラに遭ったという。
あの恐怖の表情は演技ではなく、
本物のリアクションだったという記事を読み、
複雑な思いに駆られてしまった。
「シャイニング」は大好きな映画だが、
結果的に彼女のキャリアを断ち切ってしまったのかもしれない。
代表作はこれもアルトマン監督の「三人の女」だろう。
お喋りで浮ついていて、中味がペラッペラの女を演じていた。
シシー・スペイセク演じる自閉気味の女の子を
精神的に支配するも、あるとき逆転され、支配される側になってしまう。
人格が交接して入れ替わるという、なんとも恐ろしい映画だった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/4d/e1fb5dc98797cf0a5f64333751515410.jpg)
彼女の訃報を聞いて、意外なほど悲しんでいる自分がいる。
しばらくはその死を受け入れることは
できそうもないというか。合掌はもう少し先です。
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