Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

0.05ミリのめくるめく世界

2024年04月29日 | 読んでいろいろ思うところが
おおひなたごう「レコード大好き小学生カケル」
第1巻(エンターブレイン)を読む。
日本一のレコード屋を開く夢を持つ小学生が、
学校で仲間を集め、レコード部をつくろうとするコミック。
レコードへの偏愛にあふれながらも、
SF(すこしふしぎ)というか、
藤子F先生的な味わいがなんとも。


主人公の小学六年生カケルは、
父親から「笑点10周年記念」のLPをもらったことで
レコードの沼にどっぷりとハマっていく。
情熱のあまり学校でレコード部をつくろうとするが、
そこにたちはだかるのが、いかにもガキ大将なデス夫。
カケルにはとても手が出せない
「サージェントペパーズ」のLP(99,000円)を
財力にものを言わせて買うが、聞いたとたん、
レコードとビートルズの虜となる。

そんなデス夫はカケルとコミュニケーションを
しきりに取ろうとするがことごとくうまくいかない。
コミュニケーションが取れないのはデス夫だけでなく、
カケルのガールフレンドのえみるちゃんも同様だ。
いくらカケルがレコードのうんちくを傾けても、
まったく馬耳東風で、レコードを円盤投げの円盤と
同じものだと思うところのおかしさ。
カケルたちのコミュ障ぶりを、
シュールで不安をあおるギャグとして読ませるセンス。

変な漫画ではあるけれど、
登場する名盤へのリスペクトはじゅうぶんに伝わってくる。
ビートルズはもちろん、
松田聖子とソニー・ロリンズへの偏愛ぶりが、楽しい。
読む人はみんな聞きたくなると思う。聖子LP揃えようかな。



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