押山清高監督「ルックバック」を見る。
漫画の才能に絶対的な自信を持つ藤野。
引きこもりだが圧倒的な画力を誇る京本。
この二人の女の子がひたすら描くことに情熱を傾ける
掛け値なしの青春物語。演出と作画の力も相まって、
まさに傑作。勢い余って原作も即買いして
一気読みしちまいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/1b/bb5f5ae6f1734d2247a225b3ee2fdb10.jpg)
私より絵ウマい奴がいるなんてっ
絶っっ対に許せない!
動機やモチベーションはどうあれ、
主人公の藤野は京本への
ライバル心を燃やし、ひたすら描く。
机に向かって、スケッチブックにひたすら描く。
その懸命さ、描いて描いて描きまくる後ろ姿。
京本は藤野の漫画の背景を担う。
藤野は机に向かい、
京本は床にすわりテーブルに向かって描く。
またしてもひたすら描くだけの描写が続く。
画面は驚くほど動かない。静止画の連続なのに、
こうしちゃいられない、といますぐ映画館を出て、
自分のやることをやらないとダメだろうと思わせるほどだ。
映画館に埋没させる映画はたくさんあるが、
映画館から出て行けと思わせる映画は、そうそうあるものじゃない。
とはいっても映画は1時間足らずだったし、
見ている途中で出ることはなかったのは、
クライマックスの、もしかしてあったかもしれない
もうひとつの青春物語が怒濤の展開だったからだ。
驚き、感極まり、そして前を向くための
勇気を大いにもたらしてくれて号泣。